【先週の競馬】中日新聞杯、リゲルS、師走S、カペラSなど土日7レースの振り返り

 

12月8日(土)

中京11R 中日新聞杯(GⅢ)

ディープインパクト産駒で1番人気ギベオンが、ステイゴールド産駒で12番人気ショウナンバッハにハナ差をつけての勝利を収めました。

勝ったギベオンは毎日杯・NHKマイルカップを2着となり、前走は休み明けもあり13着と大敗してはいましたが、今回はしっかり仕上げてきました。古馬になり楽しみな1頭です。

 

阪神8R 3歳上1000万下

キングカメハメハ産駒で1番人気シロニイが、キングカメハメハ産駒で2番人気ジョーダンキングに1.1/4馬身差をつけての勝利を収めました。

勝ったシロニイは白毛のシラユキヒメの仔として注目されていましたが、これで4勝目となりしっかり実力も評価されます。

 

阪神11R リゲルS

クロフネ産駒で2番人気パクスアメリカーナが、ストーミーアトランティック産駒で10番人気アサクサゲンキに4馬身差をつけての勝利を収めました。

勝ったパクスアメリカーナは2012年ヴィクトリアマイル覇者のホエールキャプチャを全姉に持ちます。今回がNHKマイルカップ以来のレースとなりましたが、マイルでの実績から人気になり、しっかり応えました。

 

中山11R 師走S

カネヒキリ産駒で3番人気テーオーエナジーが、キングカメハメハ産駒で2番人気チュウワウィザードに2.1/2馬身差をつけての勝利を収めました。

勝ったテーオーエナジーはダービーで18着となり、それまでの好調さが途絶え3連敗を喫していましたが、このクラスではやはり格の違いを見せました。距離的にも1800メートルは3勝目で、この辺りが良いのではと思いました。

 

12月9日(日)

中京11R 名古屋日刊スポーツ杯

エンパイアメーカー産駒で1番人気プラチナヴォイスが、サマーバード産駒で7番人気エーティーラッセンに1.1/2馬身差をつけての勝利を収めました。

勝ったプラチナヴォイスは3歳時に重賞でも掲示板を確保するなど、期待されてはいましたが勝ちきれず。内容は良かっただけに、今回の勝利はその分の嬉しさがあります。

 

中山10R 常総S

ステイゴールド産駒で7番人気ウインファビラスが、ルーラーシップ産駒で1番人気パイオニアバイオにクビ差をつけての勝利を収めました。

勝ったウインファビラスは全兄に2017年スプリングS・2018年中山記念を勝っているウインブライトがいます。

そして2着とはなりましたが、パイオニアバイオは古馬との対決で2戦連続の2着。G1を経験しているだけあり、力はありますね。

 

中山11R カペラS(GⅢ)

スプリングアトラスト産駒で1番人気コパノキッキングが、ダノンシャンティ産駒で11番人気サイタスリーレッドに3/4馬身差をつけての勝利を収めました。

勝ったコパノキッキングの終いの末脚はさすがで、チャンピオンズカップ同様に短距離ダート路線でも世代交代を感じさせるレースでした。

 

 

(中山祐介)

【重賞回顧】第70回阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)

良血ズラリ。天才少女はどの馬か?少女たちの激しい戦い

 

人間も幼少期、小学生ぐらいまでは男女の体格に差はなく、精神面の発達では女の子の方が明らかに早い。

馬の世界も同じだ。牡馬は2歳のときは前に行く脚がなく、後方から最後に能力の片鱗を見せて差を詰めてくるような晩成型がいるが、牝馬は早い時期から能力を発揮し、天才少女と称される馬が時代ごとにいる。完成度が高い2歳牝馬女王決定戦、阪神ジュべナイルフィリーズはしばしば天才少女が出現する舞台だ。

 

1番人気はダノンファンタジー。6月東京の新馬戦は翌週朝日杯フューチュリティステークス出走のグランアレグリアには負けたが、秋復帰後は未勝利勝ちから前哨戦ファンタジーステークスを上がり最速で差し切った。ディープインパクト牝馬らしい切れ味とレースセンスの高さを感じさせる。

 

2番人気クロノジェネシスはすぐ上の姉に紫苑ステークス勝ちのノームコアがいる良血。夏の終わりの小倉でデビュー戦を勝ち、秋の東京オープン特別アイビーステークスでは男馬相手に上がり3ハロン32秒5の切れ味を披露した。

 

3番人気シェーングランツは札幌で未勝利戦を勝ち、このレースと相性がいいアルテミスステークスで後方から豪快に直線一気を決めた。母はスタセリタ、2年前にこのレースを勝った天才少女ソウルスターリングの妹だ。

 

シェーングランツに負けたものの、流れを考えれば正攻法から強い競馬をしたビーチサンバが4番人気。母は重賞4勝、桜花賞2着のフサイチエアデール。兄フサイチリシャールは2歳チャンピオンと、血統背景だけなら申し分ない天才少女だ。

 

ウオッカの5番仔タニノミッションも血統背景では負けていない。母は06年のこのレースを勝ち、翌年の日本ダービーを制した後、牡馬相手に安田記念、天皇賞(秋)、ジャパンカップを勝った、天才少女から歴史的名牝になった馬。兄弟は少しスピードが足りなかったり、成長が遅かったりしていたが、スピード系の父の間に生まれたタニノミッションは素軽さを感じさせる。

 

以下、連勝中のレッドアネモス、デイリー杯2歳ステークスでアドマイヤマーズと叩き合ったメイショウショウブなど、若く夢と可能性を秘める牝馬たちが暮れの仁川に集結。翌年の桜の頃まで続く長い戦いの中間試験に挑む。

 

向正面のゲート入りはゆっくり慎重に行われる。キャリア2、3戦の馬が多い2歳牝馬GⅠではゲートに細心に注意が払われる。そのスタートではクロノジェネシスがタイミングが合わずに出遅れて、後方からレースを進めることになった。比較的内目の枠の馬たちがスタートよく前を占めた。最内の1番枠に入ったベルスールが包まれるのを嫌い、先頭に立ち、その外に勢いよくメイショウショウブが並んでくる。直後にスタークォーツ、その外にウインゼノビアラブミーファインも差を詰める。直後にプールヴィル。どの馬も騎手とのコンタクトで若干ケンカ気味だ。やはり、まだまだ幼い女の子たち、一気に飛び出して行きたがる。

内枠のかかり気味な先行勢に外からさらに行きたがる組がやってくる。ローゼンクリーガーレッドアネモスグレイシアらが被せにきて、ウインゼノビアあたりが位置を下げていく。内枠が飛び出し、外から被せにいく、落ち着かない先行争いが作ったペースは前半800m47秒0の平均的な流れになった。

中団のインにジョディー、直後のタニノミッションが外からビーチサンバがやってくると行きたがる素振りを見せた。サヴォワールエメが外から追走し、直後のインにシェーングランツが控え、外に並んでくるのがダノンファンタジー。折り合いに気を使うために、馬の直後でなだめようとする騎手心理が集まって、馬群は先頭から中団までひと塊になって進んでいる。この馬群からやや離れてクロノジェネシストロシュナが最後方を進む。

 

平均的な流れ、折り合いに専念する騎手たち、ひと塊の馬群は動くことなく、直線を迎えようとしている。ベルスールの外にメイショウショウブラブミーファインが進出し、プールヴィルは狭いインに潜り込んだ。後方では大外をクロノジェネシスが仕掛けながらあがっていき、それに反応してダノンファンタジーが内から併せにいく。

直線では内の先行勢からベルスールが一旦抜けかけるが、メイショウショウブがそれを制して先頭に立つ。馬群からビーチサンバが抜けだし、追ってくる。後方勢は大外からダノンファンタジークロノジェネシスが併せ馬で追い込んでくる。シェーングランツは行き場がなくなりかけては進路を切り替え、踏み遅れている。ダノンファンタジークロノジェネシスの勢いが明らかにメイショウショウブを上回る。ビーチサンバもこの併せ馬に応戦し、食い下がる。遅れたシェーングランツがその後ろを追ってくる。クロノジェネシスダノンファンタジーの前へ出ようとしたところ、ダノンファンタジーが差し返すように前に出て、クロノジェネシスに抜かせない。この瞬間に勝負がついた。ダノンファンタジーが1着、クロノジェネシスが2着、最後まで食い下がったビーチサンバが3着。勝ち時計1分34秒1(良)。

 

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全着順

第70回阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)2歳オープン・牝馬(阪神・芝1600m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
ダノンファンタジー
牝2
C.デムーロ
 1:34.1
2
クロノジェネシス
牝2
北村友一
1/2
3
ビーチサンバ
牝2
福永祐一
クビ
4
シェーングランツ
牝2
武豊
3/4
5
プールヴィル
牝2
秋山真一郎
1/2
6
メイショウショウブ
牝2
池添謙一
2
7
◯外タニノミッション
牝2
浜中俊
1/2
8
サヴォワールエメ
牝2
藤岡康太
クビ
9
レッドアネモス
牝2
戸崎圭太
ハナ
10
トロシュナ
牝2
北村宏司
クビ
11
メイショウケイメイ
牝2
古川吉洋
クビ
12
ローゼンクリーガー
牝2
藤岡佑介
1.3/4
13
ウインゼノビア
牝2
松若風馬
2.1/2
14
ラブミーファイン
牝2
丸山元気
クビ
15
グレイシア
牝2
田辺裕信
クビ
16
ジョディー
牝2
四位洋文
3.1/2
17
ベルスール
牝2
B.アヴドゥラ
1.1/2
18
スタークォーツ
牝2
荻野極
1.1/2

 

 

1~3着馬コメント

1着ダノンファンタジー(1番人気)

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パドックではテンションが高そうな姿だったが、その辺を察知したクリスチャン・デムーロ騎手は馬の気に任せつつ、ストレスを感じさせない後方の外を走らせ、馬との呼吸を計った。シェーングランツの外に並びながら、勝負どころではクロノジェネシスの進出に反応し、併せ馬に持ちこんだ。坂をあがって、クロノジェネシスに勢いで上回れかけたが、そこで馬を叱咤し、もう一度反応させて、差しかえしたあたり、馬の能力や気力の強さもさながら、C.デムーロ騎手の手腕も大きかった。馬も折り合いに苦労する馬が多いなか、外をスムーズに走り、素直に力を出し切る完成度の高さも特筆すべきだ。

 

2着クロノジェネシス(2番人気)

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まずスタートのタイミングが合わなかったのは痛い。本来はもう少し前で立ち回っても末脚がしっかりしている馬。道中ダノンファンタジーの前にいればと思ってしまう惜しいレースだった。外から早めに動いて、ダノンファンタジーにプレッシャーをかけたかったが、ダノンファンタジーに反応され、押し込めきれなかった。完成度ではダノンファンタジーに負けたが、一旦は前に出るような確かな末脚は目を引いた。来春の再戦が楽しみになる内容だった。

 

3着ビーチサンバ(4番人気)

今日は1、2着馬に力負けの印象。ただし、外の併せ馬には手応えで見劣ったが、それでもそこから食い下がるしぶとさは目についた。こちらも底力が問われる平均的な流れのなかで血統の強さを垣間見せた。アルテミスステークスで先着されたシェーングランツは完封しており、こちらも春に向けて一段階パワーアップできれば、今日の結果を覆せる。

 

総評

4着シェーングランツがインから密集した馬群を抜けてくるのに手間取ったように、まだまだ経験少ない2歳牝馬。不器用なレースになってしまった組も多い。そのシェーングランツは馬群を抜けて、思いっきり走ると、アルテミスステークスで見せたような切れ味を披露しており、こちらも来春が楽しみではある。

かつてこのレースを走った母が産んだ子どもが走るのも魅力のひとつだ。良血がその血の凄さを披露するケースもあれば、まだまだその血の力を発揮できないような幼さを見せることもある。まだまだ、2歳暮れはキャリアの始まり。これから春に向けて成長を遂げる馬もいるだろう。反面、阪神ジュべナイルフィリーズは同じ舞台だけに桜花賞に直結するレースでもある。このレースの1、2着のダノンファンタジークロノジェネシスはこの結果から桜花賞の有力候補であることは間違いない。

 

 

(勝木淳)

(写真・ゆーすけ)

【重賞回顧】第52回ステイヤーズステークス(GⅡ)

偉大な挑戦は幻と消え、新たなステイヤーが誕生する

夢の4連覇が消えた朝、新たな戦いが始まる

 

レース当日の朝、衝撃的な発表があった。

アルバートの出走取り消し、である。

 

2015、2016、2017年とステイヤーズステークス3連覇を果たしてきたアルバートが今回、史上初の同一重賞4連覇に挑む予定だった。

強力なライバルに乏しく、圧倒的な1番人気となるはずだったが、運命というのはわからない。

後の発表によれば前肢のハ行による取り消しだという、つまりはいかに出走し、ゴールすることが大事であり、貴重なことか。

また、このアルバートの取り消しによって、一転、混戦極まるレースとなってしまった。

 

ステイヤーズステークスはご存じのとおり、日本の平地重賞で最も長い距離を走る。その名の通りステイヤーのためのレースだ。スタンド前からスタートし、中山の内回りコースを2周する。スタミナなしでは語れない。

今回出走するメンバーは本来ならばアルバートとの戦いに挑むという図式だったが、急遽、お互いが明確なライバルとなった。飛び出た能力を持つ馬が不在という新たな図式に戸惑いながら、戦いの幕が切って落とされるのだった。

 

見ている我々も戸惑っていた。

1番人気リッジマンから、アドマイヤエイカンヴォージュモンドインテロまで3~5倍台の単勝オッズが常に揺れ動いていた。まさに押し出されるようにリッジマンが1番人気に支持された。この4頭の有力馬を見ていきたい。

 

リッジマンはホッカイドウ競馬出身、2歳クローバー賞の好走からJRAで走ることになり、昨年の7月頃から条件戦を勝ちあがる。今年の2月、万葉ステークスで2着し、そのままダイヤモンドステークス(G3)に格上挑戦し、2着を見事確保。短距離やダートで結果を出してきた父スウェプトオーバーボード産駒らしからぬ長距離適性を見せた。その後の目黒記念は凡走となってしまったが、札幌の丹頂ステークスで実力の片鱗を見せる。結果が出ていない中山コースが課題となるが、距離は問題なさそうだ。

 

アドマイヤエイカンは2歳時に札幌2歳ステークスを制しており、早い時期から活躍が期待されていた。しかし、マカヒキの弥生賞5着まではよかったが、その後の丹頂ステークスで凡走して以来、故障で1年4か月と貴重な期間を休養にあてた。2018年に復帰してすぐの1000万下は快勝したが、その後、惜しいレースが続く。格上挑戦となった札幌日経OPではヴォージュに3馬身半ちぎられながらも、2着と実力を示す。掲示板には載るが勝ち切れないレースを続け、前走ようやく京都の2400mの古都ステークスでハナ差残った。

晴れてオープン馬となり、重賞に、それもステイヤーズステークスに挑戦してきた。この距離にどこまで戦えるか、今後の活躍を占う上で重要な一戦だ。

 

ヴォージュ。2017年の5月に条件戦を連勝してオープン入りして以来、パッとしない成績が続く。速い上がりになるとついていけなくなるのか、唯一勝ったレースは上記アドマイヤエイカンを負かした札幌日経OP。時計のかかる長距離となるとなかなか活躍の場が限られてくる。今回のメンバーでいうと先頭だってペースをつくる馬が不在のため、ヴォージュ自身がペースをつくることも考えられる。展開的に好意的な解釈が難しく、実は勝ち星をあげているのは2000mがほとんどだ。このレースは長距離線への試金石として臨みたい。

 

モンドインテロは一昨年のステイヤーズステークス3着馬だ。去年はチャレンジカップに出走して4着。また、このチャレンジカップの成績が示す通り、中~長距離の重賞に顔を出しては掲示板に載るか載らないかといったような成績を続けている。ディープインパクトの子らしく、好位につけて速い上がりをマークすることが多い。今回の準OP~オープン馬のようなメンバーを見る限り、手強い相手に戦ってきたモンドインテロとしては物足りないかもしれないが、アルバートがいない今、チャンスでもある。半弟のセダブリランテスは中山金杯を勝っている。同じ舞台で、兄貴としてそろそろ箔をつけたいところだ。

 

アルバートのライバルとしてはやや物足りない面もあるが、アルバートがいない今となっては実力伯仲。どの馬にもチャンスがあるし、それほどに実力、実績に差がない。

すべてはゲートが開いて、展開次第。

新たなステイヤーに名乗りを挙げるのは誰なのか。

 

 

レース回顧

 

13頭のスタートはスタンド前から。ゲートはそろって出るがネイチャーレット、あえて後方へ。

先頭は押して押して勢いをつけ、カレンラストショーがハナに立つ。

内からヴォージュ、外からアドマイヤエイカンアルターが脚を伸ばしてくる。

1週目1コーナーへ向かう13頭。内回りコースを2周することになる。

先頭はカレンラストショー、1馬身差でヴォージュ、3番手はモンドインテロに変わっている。2馬身空いてアドマイヤエイカン、それからまた1馬身ちょっと離れてリッジマン、2馬身差でアルター、ここまで下がっている。その後ろにコウキチョウサンメドウラークが続いている。

その後ろは4馬身離れて後方集団、トウシンモンステラララエクラテールマサハヤダイヤマイネルミラノネイチャーレットがそれぞれ1馬身ずつ離れた隊列だ。

1000m通過は63.1秒とゆったりと流れている。

1週目の3コーナーから4コーナー。カーブしていくがほとんど隊列は変わらない。

後方集団との差がなくなって、縦に13頭並んでいるようだ。

正面スタンド前に戻って、2周目に突入するが、先頭カレンラストショー、次にヴォージュ、3番手モンドインテロアドマイヤエイカンリッジマンと人気どころが連なって淡々と進んでいく。

2000m通過が2分7秒台とやはりペースはゆっくりだ。

2周目は先頭・中団・後方集団がくっきりわかるようなスペースが広がる。

レースが動き出したのが3コーナー手前から。全体的にペースが速くなり、位置取りに各ジョッキーが動き出す。

3コーナーを過ぎる頃。先頭を走っているカレンラストショーが徐々につらそうになる。

ヴォージュアドマイヤエイカンが手綱を押されてギアをあげようとしている。

リッジマンが徐々に進出してくるが、4コーナーで飛び出したのはアドマイヤエイカン

カレンラストショーはここで先頭を明け渡す。

内からアドマイヤエイカンが先頭に立つ。外からリッジマンがじわりじわりと迫ってくる。

残り200mでアドマイヤエイカンリッジマンの2頭の叩き合い。

モンドインテロが3番手争いを抜け出してくるが、先頭の2頭と2馬身半の差があり、これは詰められそうにない。

アドマイヤエイカン、先に抜け出した分、最後のダッシュがつかず、リッジマンが先頭に代わる。

リッジマン、二の脚の勢い衰えずそのままゴールイン。

アドマイヤエイカンがバテて、モンドインテロと差のない2着争いとなった。

 

 

全着順

第52回スポーツニッポン賞ステイヤーズステークス(GⅡ)3歳以上オープン(中山・芝3600m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
◯地リッジマン
牡5
蛯名正義
 3:45.2
2
アドマイヤエイカン
牡5
田辺裕信
2.1/2
3
モンドインテロ
牡6
W.ビュイック
クビ
4
◯地マサハヤダイヤ
牡5
大野拓弥
2
5
アルター
セ6
石川裕紀人
クビ
6
ララエクラテール
牡6
戸崎圭太
2
7
コウキチョウサン
牡5
北村宏司
クビ
8
メドウラーク
牡7
丸田恭介
ハナ
9
マイネルミラノ
牡8
柴田大知
2.1/2
10
ネイチャーレット
牡5
野中悠太郎
2.1/2
11
ヴォージュ
牡5
丸山元気
2.1/2
12
カレンラストショー
牡6
内田博幸
1/2
13
トウシンモンステラ
牡8
三浦皇成
10
取消
アルバート
牡7
J.モレイラ
 

 

 

1~3着馬コメント

1着 リッジマン

4コーナーからじわりじわりと伸びてきて、先に抜け出したアドマイヤエイカンをとらえて、競り合い制して勢いそのままゴールイン。3600mでも最後もバテず、鋭く伸びた。ポストアルバートとまではいわないが、新しいステイヤーの猛者が誕生した。

 

2着 アドマイヤエイカン

先に抜け出したのはいいが、最後バテてなんとか2着守ったというレベルだが、実力はともかくちょっと距離がもたなかったのではと思える。

 

3着 モンドインテロ

直線で最後にいい脚をみせたが、バテてきたアドマイヤエイカンに迫るまでとなってしまい、勝ち馬とは差はついてしまった。一昨年と同じ3着を確保するまではよかったが、このメンバー相手ならもう少し上の着順でもいけたのでは、と高望みしたくなる。

 

 

総括

 

アルバートが不在でもしっかりと1番人気が勝つのは不思議なものだ。

勝ったリッジマンは今後も長距離路線を続けていくのだろうか。有馬記念への参戦や、年明けのダイヤモンドステークス、春の天皇賞などが見えてくる。

とはいえ、5歳での制覇。年が明ければ6歳になり、年齢的にも若くはないが、長距離戦線にどんな影響与えるのか、楽しみな1頭には違いない。

 

それにしても、アルバートの4連覇……。残念でならない。

 

 

(みすてー)

【先週の競馬】ステイヤーズS、チャレンジC、チャンピオンズCなど土日6レースの振り返り

 

12月1日(土)

中山11R ステイヤーズS(GⅡ)

スウェプトオーヴァーボード産駒で1番人気リッジマンが、ハーツクライ産駒で2番人気アドマイヤエイカンに2.1/2馬身差をつけての勝利を収めました。

勝ったリッジマンはこれで重賞初制覇となりました。

アルバートの4連覇がかかり注目されましたが、レース当日にまさかの取り消しとなり残念でなりません。

 

中山12R 3歳上1000万下

ルーラーシップ産駒で1番人気ライラックカラーが、クリストワイニング産駒で2番人気アイスフィヨルドに半馬身差をつけての勝利を収めました。

勝ったライラックカラーは母が2007年フェアリーS覇者のルルパンブルーです。春には山藤賞で勝ったフィエールマンに0.6秒差の4着。実力がありながらも勝ちきれないレースが続いていましたが、掲示板は確保していただけに今後も期待です。

 

阪神10R 御影S

ゴールドアリュール産駒で2番人気ホウショウナウが、シニスターミニスター産駒で3番人気ヤマニンアンプリメに3/4馬身差をつけての勝利を収めました。

勝ったホウショウナウの母ホウショウルビーは、2006年ブラジルカップを1番人気に推されながら3着に敗れましたが、そこからは主な活躍の場をダートへと移しました。産駒のホウショウナウは父が砂の巧者・ゴールドアリュールで、今回の勝利でダート1400mは4戦4勝。3歳馬ではルヴァンスレーヴといった大将格はいますが、その後はまだまだ混沌としているため、楽しみな存在です。

 

阪神11R チャレンジカップ(GⅢ)

キングカメハメハ産駒で2番人気エアウィンザーが、ステイゴールド産駒で4番人気マウントゴールドに3馬身差をつけての勝利を収めました。

勝ったエアウィンザーは母に2005年ローズS・秋華賞を連勝したエアメサイア、全兄には2017年富士Sなど重賞を3つ勝っているエアスピネルがいます。

 

12月2日(日)

中山11R ラピスラズリS

アグネスデジタル産駒で4番人気ダイメイフジが、スペイツタウン産駒で1番人気モズスーパーフレアにクビ差をつけての勝利を収めました。

勝ったダイメイフジは連闘で挑んでの勝利となり、中山では春にオーシャンSで1番人気に推される実力馬で、これがきっかけになればと思います。

 

中京11R チャンピオンズカップ(GⅠ)

シンボリクリスエス産駒で1番人気ルヴァンスレーヴが、ネオユニヴァース産駒で8番人気ウェスタールンドに2.1/2馬身差をつけての勝利を収めました。

勝ったルヴァンスレーヴはこれで4連勝。古馬と初対戦となった南部杯ではゴールドドリーム以下を圧倒、中央のチャンピオンズカップでも着差以上の強さを見せました。特に左回りはこれで6連勝となり、来年のフェブラリーS制覇も視界に入ったはずです。まだ3歳と伸びしろがあるだけに海外での活躍もあり得そうです。

 

 

(中山祐介)

【重賞回顧】第19回チャンピオンズカップ(GⅠ)

突き破れ、そうはさせぬ。3歳VSダート界の猛者たちの攻防。鍵を握るのは誰だ?

 

鍛えに鍛え、数多くレースを使い、経験値を積み重ねつつ、頑健な馬体へと成長、砂を浴びても怯まず、ゴール前の叩き合い、我慢比べ、しのぎあいに打ち勝っていく精神を身につけていく。

ダート競馬では4歳ですらキャリアが浅いと称される。全国各地を転戦し、異なる競馬場で力を出し切る、強い心と丈夫な体を持つトップレベルの息は長く、その壁は芝戦線以上に分厚くて高い。

 

第19回チャンピオンズカップにもダート界のトップレベルが集結した。本賞金2億215万円のケイティブレイブは京都JBCクラシックを勝ったチャンピオンホース。8歳インカンテーションは中央ダートを中心に1億6500万円を稼ぐ古豪。今年は中央GⅠフェブラリーステークス3着と衰えなどない。ダートの本場アメリカから参戦するパヴェルは1億5480万円。今年6月にチャーチルダウンズでGⅠ勝ちがある。1億3725万円のノンコノユメは今年のフェブラリーステークスを勝ち、このレースも3年前の3歳時に2着がある。1億2070万円を稼ぐアポロケンタッキーは浦和記念から連闘。ローテーションを問わないタフネスさはダートトップレベルゆえだろう。

 

1億円超を稼ぐ壁に挑む3歳ルヴァンスレーヴは1番人気に支持された。南部杯でゴールドドリームを完封。壁を突き破るだけの素質を披露した。同世代のオメガパヒュームはシリウスステークスで古馬相手に重賞制覇し、JBCクラシックでケイティブレイブを追い詰めた。秋に中山と福島でオープン特別を勝ったヒラボクラターシュもいて、今年の3歳勢は壁を突き破る勢いがある。

 

1歳年上の4歳勢もダート界では新興勢力。平安ステークス勝ちのサンライズソア、武蔵野ステークス覇者のサンライズノヴァも一気にトップへ登りつめたいところだ。

 

ダートグレード常連、ダート重賞常連組、3歳、4歳勢が出揃った第19回チャンピオンズカップ。昨年の覇者ゴールドドリームの回避は残念だったが、今年の中央ダートチャンピオンを決めるに相応しいメンバーが顔を揃えた。

 

スタートからレースは競馬ファンの思惑とは異なる形となった。スタートが悪く、後手を踏むことが多かったルヴァンスレーヴがスタートを決め、2番枠を利して番手のインにとりついた。内枠で猛者たちに揉まれ、砂を被ることを回避したこの位置取りが勝敗を大きく分けた。前に行くと思われたサンライズソアは控え、ハナには1番枠のアンジュデジールが立った。

横山典弘騎手の逃げは常に後ろの組が嫌がる流れを意識する。ルヴァンスレーヴ以下を3、4馬身離したとみるやペースを落とす。外から3番手にとりついたのが外枠のヒラボクラターシュインカンテーション。直後のインにパヴェル、その外にサンライズソアが控え、その後ろの外にミツバ、間にケイティブレイブ、インにアスカノロマンが続く。

 

アンジュデジールは向正面を13秒台という遅いラップを交えつつマイペースで進んでいく。直線に坂が待つ中京では地方のダートのように早々に動けない。中団の後ろの外にいるオメガパヒュームもスパートをかけられる位置にはいるが、我慢している。センチュリオンアポロケンタッキーが続き、サンライズノヴァがインを追走。後方2番手、定位置にノンコノユメ、離れた後方にウェスタールンドがいる。

 

前半1000m通過61秒9の遅い流れのなか、アンジュデジールのマイペースのまま勝負どころを迎える。外から被されたくないヒラボクラターシュが4角を回ってやや外に出しながらアンジュデジールの外に並びにいく。この動きに合わせるように後ろの馬たちがやや外に持ち出しながら最後の直線コースに向く。馬群が外に流れた隙をついたのがドン尻にいたウェスタールンド。前との差をインぴったりを回って絶妙に縮める。

 

ルヴァンスレーヴは番手にいながら後方一気を決めていたような脚を繰り出す。アンジュデジールを一気に捕らえ、先頭に立つ。ベテラン勢はこの切れ味について来られない。ルヴァンスレーヴと同じくいつもと違う競馬で控えたサンライズソアが外から追撃。コーナリングで差を詰めたウェスタールンドがインからアンジュデジールを交わしてサンライズソアに並ぶ。ゴール前は4頭の争いになるが、抜けたルヴァンスレーヴはすでに勝負を決めている。2着争いは赤いシャドーロールのウェスタールンドがインから顔をのぞかせ、サンライズソアが3着。逃げたアンジュデジールが4着に残った。時計は1分50秒1(良)。

 

 

全着順

第19回チャンピオンズカップ(GⅠ)3歳以上オープン(中京・ダート1800m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
ルヴァンスレーヴ
牡3
M.デムーロ
 1:50.1
2
ウェスタールンド
セ6
藤岡佑介
2.1/2
3
サンライズソア
牡4
J.モレイラ
クビ
4
アンジュデジール
牝4
横山典弘
1.1/4
5
オメガパフューム
牡3
C.デムーロ
2.1/2
6
サンライズノヴァ
牡4
戸崎圭太
クビ
7
ノンコノユメ
セ6
内田博幸
アタマ
8
ミツバ
牡6
松山弘平
クビ
9
ヒラボクラターシュ
牡3
四位洋文
1/2
10
アスカノロマン
牡7
太宰啓介
1.1/2
11
ケイティブレイブ
牡5
福永祐一
アタマ
12
センチュリオン
牡6
吉田隼人
3/4
13
インカンテーション
牡8
三浦皇成
1/2
14
◯外アポロケンタッキー
牡6
小牧太
ハナ
15
□外パヴェル
牡4
M.グティエレス
クビ

 

 

1~3着馬コメント

1着ルヴァンスレーヴ

2歳時から出遅れて後方一気を決めるレースが多かった馬が、大一番でスタートを決め、番手をとったことに驚かされた。結果的に流れが落ち着き、もっともいいポジションになった。3歳馬の内枠、ダートの猛者たちにもまれ込むことを嫌った作戦が当たった形ではあるが、前を走って、以前のようなしっかりとした末脚を繰り出されては他馬は太刀打ちできない。キャリアの浅さはときに脆さを見せることもあるが、ルヴァンスレーヴアーモンドアイと同じく脆さなど微塵も感じない力強さで勢力図を一気に塗りかえた。

 

2着ウェスタールンド

武蔵野Sである程度位置を取りにいった結果、馬群でスムーズな競馬ができなかったことを踏まえ、今回は後方待機策。スローペースで手応えがいい馬たちが進路を求めて外へ外へと進んだことがこの馬に味方した形になった。4角はインぴったりを進み、外を回る前の馬たちの距離を一気に縮めることに成功。直線入り口で中団にいたのは大きかった。藤岡佑介騎手の好プレーはこれだけではない。最後の直線でルヴァンスレーヴの真後ろを狙った点だ。中団に取りついてから進路を求めて外へと考えれば、外の馬群にまともに突っ込むことになる。しかし、ルヴァンスレーヴの真後ろにいれば、同馬が抜け出したあとに必ず進路ができる。そこを初めから狙っていたからこそ、サンライズソアを差し切れた。

 

3着サンライズソア

スタート直後の動きを見ると、ジョアン・モレイラ騎手は最初からハナなど行く気はなかったようだ。ルヴァンスレーヴもそうだが、GⅠで競馬の形を変えるのは勇気が必要だろうが、それを難なくこなすあたりはマジックマンの本領発揮だ。控えたことで、最後の直線ではしっかり脚を使うことができた。進路を求めて外を回ったことでウェスタールンドには先着されてしまったが、この競馬は今後を展望する意味でも大きなものになった。こちらもダート界ではまだまだ若い4歳馬。前途は明るい。

 

 

総評

1億を超える賞金を稼ぐ猛者たちを相手に3歳馬がダートGⅠを勝つのは容易ではない。現にこのレースを3歳馬が勝ったのはジャパンカップダート時代の06年アロンダイト以来12年ぶりのことだった。それ以前に3歳で勝った馬はクロフネカネヒキリ。いずれもダート界屈指のチャンピオンホース。ルヴァンスレーヴの未来は明るく、世界を意識して欲しい馬だ。

この秋は競馬において展開を読むことの重要さを説くようなレースがたくさんある。かつて大川慶次郎氏が競馬に持ち込んだ展開は予想の要でもあった。そして、この秋、展開を読めた騎手が活躍するケースが目立つ。このレースもアンジュデジールの横山典弘騎手がダートの猛者たちが最も得意な持久力戦に持ち込ませず、スローペースの上がり勝負という猛者たちが避けたい展開を組み立てた。そして、この展開に番手競馬で挑んだルヴァンスレーヴ、インが空き、ルヴァンスレーヴが先に抜けるところまで読んだ藤岡佑介騎手のファインプレーは光った。展開とは逆の競馬をしながら、2着まで来たウェスタールンドの実力もあったが、やはりあの進路取りがなければ、どうなっていただろうか。

展開を読み、予定調和を嫌い、大胆な競馬を試みる。騎手の腕と度胸が問われるようなGⅠレースがこの秋は非常に多い。

 

 

(勝木淳)

C.ルメール騎手がJRA年間200勝を達成!

12月1日(土)阪神12Rにて、6番アディラート号に騎乗して1着となったC.ルメール騎手
この勝利で、JRA年間200勝を達成しました!
史上2人目、現役2人目の記録達成となります。
 
過去にJRA年間200勝を達成したのは、武豊騎手のみ。
武豊騎手の記録は、2003年204勝2004年211勝2005年212勝となっています。
 
果たして、ルメール騎手武豊騎手のこの記録を超えることが出来るのでしょうか?
2018年の中央競馬、最後まで見逃せません。
 

【今週の重賞情報】チャンピオンズカップに米国馬・パヴェルが参戦!日本馬はケイティブレイブなどトップレベルのダート馬が集結

12月2日(日)中京11R 第19回チャンピオンズカップ(G1)ダート1800m 3歳以上

チャンピオンズカップってどんなレース?

 

それまでは帝王賞など一部のレースに限られていた中央競馬・地方競馬相互間の交流が1995年に飛躍的に拡大されました。そして、ドバイワールドカップの創設(1996年)以降、ダートグレード競走で活躍した馬が海外に挑戦するようになりました。

 

これにより、ダート競走においても「ジャパンカップ」と並ぶ国際競走を開催しようという機運が高まり、2000年にわが国初のダートの国際招待競走「ジャパンカップダート」が東京競馬場ダート2100mの競走として創設されました。

 

2008年以降は阪神競馬場ダート1800m戦で行われることになりましたが、根本的な問題として、アメリカの競馬場は全て左回りであることから、右回りの阪神競馬場での開催に疑問の声も出てきました。

 

そこで、2014年に開催地を中京競馬場ダート1800mに変更し、レース名も「チャンピオンズカップ」に変更。国際招待競走から国際競走にリニューアルして行われることとなりました。

 

 

ダート競馬天国アメリカからG1ホースが参戦

 

今年のチャンピオンズカップにはアメリカの馬が参戦する事になりました。

 

パヴェル(牡4 レアンドロ・モラ厩舎 57㎏ マリオ・グティエレス騎手騎乗)

 

戦績   12戦3勝

主な戦績 2018年 スティーブンフォスターハンデキャップ (G1) 1着

     2017年 スマーティージョーンズステークス (G3) 1着

     2018年 パシフィッククラシック (G1) 2着

 

パヴェルは2歳にデビューする予定だったのですが、球節の骨片を除去するために調教を中断したこともあり、3歳の7月にデビューし、2着に4馬身半差を付ける快勝でした。3戦目のスマーティージョーンズステークス (G3 ダート1700m)で初の重賞タイトルを獲得しました。その後、10月のジョッキークラブゴールドカップ(G1 ダート2000m)では3着とG1レース戦線でも善戦する馬にまで成長しました。

 

4歳の今年はG2レースを4着の後、ドバイワールドカップ(G1 ダート2000m)に出走。9番人気の伏兵にすぎませんでしたが、4着に好走。2着に入ったウエストコースト(G1レース3勝馬)とはクビ+1 馬身3/4 差、日本から参戦したアウォーディー(6着)に先着しています。

 

アメリカ帰国後はG1レースを4着の後に挑んだのが6月にケンタッキーダービーで有名なチャーチルダウンズ競馬場で行われるスティーブンフォスターハンデキャップ(G1 ダート1800m)。4 番手の外から、3 コーナーで進出を開始すると直線入り口で早々に先頭に立ち、最後は流す余裕を見せて3馬身3/4差の勝利。初G1タイトルとなりました。

 

その後は8月のパシフィッククラシック(G1 ダート2000m)で2着、ブリーダーズカップ・クラシック(G1 ダート2000m)では10着に終わりました。しかし、スティーブンフォスターハンデキャップの快勝で、競走馬の能力を示す客観的な指標となるレーティングは117。今回のチャンピオンズカップの出走馬の中ではトップの実績を持っています。

 

血統面で行きますと、父のCreative Causeは名種牡馬ジャイアンツコーズウェイ産駒で現役時代2 歳G1レースのノーフォークステークスを含む10戦4勝。パヴェルの他に重賞競走を制した馬が3頭います。日本では、今年の1600万下の立夏ステークスを制したマジカルスペルが活躍しています。母のMons Venusは重賞3勝馬で芝やダートで活躍したCaracortadoが代表産駒です。母の父Maria's Monはアメリカ2歳G1レースを2勝挙げた馬です。

 

管理するレアンドロ・モラ調教師はメキシコ出身の59歳。幾多の名馬を送り出したダグ・オニール調教師の元で修業を重ね、自身の名義でも調教師として馬を出走させています。2014年のブリーダーズカップ・ダートマイルではゴールデンセンツでタイトルを獲得しています。

 

マリオ・グティエレス騎手はメキシコ出身の32歳。アイルハヴアナザーとのコンビで2012年のケンタッキーダービーとプリークネスステークスを制覇。ケンタッキーダービーは2016年にナイキストでも制しています。今年はパヴェルのスティーブンフォスターハンデキャップなどG1レースを2勝挙げています。

 

 

迎え撃つ日本勢は?

 

連覇を狙っていたゴールドドリームが回避しましたが、好メンバーが揃いました。

 

JBCクラシックで統一G1レース3勝目を達成したケイティブレイブ(牡5 栗東・杉山厩舎 57㎏ 福永騎手騎乗)。昨年のチャンピオンズCは、好位からひと押しを欠いて4着に終わりましたが、今年になってからの充実度は目を見張るものがあります。適正距離ではなかったフェブラリーステークスは大敗(11着)しましたが、それ以外のレースでは川崎記念、JBCクラシックなどの統一G1レースを2勝しています。

 

以前は先行しなければ結果が出なかったのですが、JBCクラシックでは中団からの差し切りだったように、レース運びに幅が出て、それが今年の飛躍の一因になったと思われます。チャンピオンズカップを勝って、最優秀ダート馬に王手をかけたいところです。

 

フェブラリーステークスを制したノンコノユメ(セン6 美浦・加藤征厩舎 57㎏ 内田騎手騎乗)。根岸ステークスとフェブラリーステークスを制した事で、東京競馬場で行われるダート重賞競走(残るはユニコーンステークスと武蔵野ステークス)の完全制覇を達成しました。

 

その後はかしわ記念、南部杯、JBCクラシックは4着に終わっていますが、休養明け3戦目で一番馬の状態がいい頃に持ってきたと思います。2015年のチャンピオンズカップでは0.2秒差の2着。展開面で左右される馬でもありますが、前が速くなれば十分勝機があると思います。勝てば4頭目となる同一年のフェブラリーステークスとチャンピオンズカップ制覇になり、こちらも最優秀ダート馬に王手をかけたいところです。

 

しかし、今年は3歳馬にも注目が集まります。今年のジャパンダートダービー馬ルヴァンスレーヴ(牡3 美浦・萩原厩舎 56㎏ ミルコ・デムーロ騎手騎乗)。前走の南部杯はゴールドドリームを力でねじ伏せたレースぶりでダート界の勢力図を一気に塗り替えようとしています。

 

ルヴァンスレーヴの強みといえば、全6勝のうち5つの競馬場で勝利を挙げている(新潟、東京、川崎、大井、盛岡)点です。輸送競馬に強い点が大きな強みといえると思います。

 

3歳馬のチャンピオンズカップ制覇はジャパンダート時代の2006年のアロンダイト以来ないというジンクスがあります。一方でチャンピオンズカップを制した馬は全てG1レース、統一G1レースを制した馬が王座に輝くというデータもあります。

 

ルヴァンスレーヴもここで勝てば、最優秀ダート馬の可能性も出てきます。最近はG1レースを好走するものの勝てないミルコ・デムーロ騎手。そろそろ溜まったうっ憤を晴らしたいところです。

 

しかし、ミルコ騎手の弟であるクリスチャン・デムーロ騎手も同じ3歳馬のオメガパフューム(牡3 栗東・安田翔厩舎)で一発を狙います。ジャパンダートダービーではルヴァンスレーヴの2着(この時は川田騎手騎乗)に敗れましたが、その後はシリウスステークスで快勝。JBCクラシックもケイティブレイブとは3/4馬身差といつG1レースを制してもおかしくはない馬です。

 

血統を見ても、父はダートで結果を残しているスウェプトオーヴァーボード。母の父がダート競馬には強いゴールドアリュール。ダート適性は相当高い馬です。「デムーロはデムーロでも弟の方」という結果になる位の素質を持った馬です。

 

その他では、JBCレディスクラシックで父ディープインパクトに初の統一G1レース制覇をプレゼントしたアンジュデジール(牝4 栗東・昆厩舎 55㎏ 横山典騎手騎乗)。武蔵野ステークスを制したサンライズノヴァ(牡4 栗東・音無厩舎 57㎏ 戸崎騎手騎乗)。JBCクラシック3着馬のサンライズソア(牡4 栗東・河内厩舎 57㎏ モレイラ騎手騎乗)など伏兵陣も揃い、波乱の要素もあるレースとなりそうです。

 

 

(おかのひろのぶ)

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