【土曜の競馬】ダート戦線に新星登場か?古豪が意地を見せるのか?武蔵野ステークス&新潟2歳ステークス覇者フロンティアとビリーヴの子ジャンダルムが激突!デイリー杯2歳ステークスなど
既にニュース等で伝えられていますが、武豊騎手が8日の調教中に落馬。
翌日、武豊騎手のホームページで『膝の靭帯を痛めた』とのコメントがあり、エリザベス女王杯をはじめ、今週の騎乗をキャンセルする事となりました。
出馬投票当日での発表。出馬投票は騎乗予定騎手等をまとめて出す物ですから、調教師をはじめ関係者の方々は代役を探すのに必死だったと思います。
気になったのは、ホームページ内に『今週無理をすると後々まで後遺症が尾を引く可能性があります』という精密検査での結果。
来週のマイルチャンピオンシップのエアスピネルをはじめ、多くの有力馬を抱えている武豊騎手。
完治しないままでの騎乗はファンにも不安が生じるので、焦らずに静養に努めて欲しいものです。
さて、今週は土曜日に重賞競走が3つ、日曜日には2つ。オープン競走も2つと忙しい週末になると思います。新馬戦も期待馬が続々とデビュー。
まずは土曜日の競馬から追ってみましょう。
- 福島3R 2歳未勝利(芝1200m)16頭立て
- 京都6R メイクデビュー京都 2歳新馬(ダート1800m)13頭立て
- 京都8R 第19回京都ジャンプステークス(J-G3)障害3歳以上オープン(芝3170m)11頭立て
- 京都10R 比叡ステークス 3歳以上1600万下(芝2200m)9頭立て
- 京都11R 第52回デイリー杯2歳ステークス(G2)2歳オープン(芝1600m)9頭立て
- 東京5R メイクデビュー東京 2歳新馬(芝2000m)11頭立て
- 東京6R メイクデビュー東京 2歳新馬(ダート1600m)14頭立て
- 東京11R 第22回 東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(G3)3歳以上オープン(ダート1600m)16頭立て
福島3R 2歳未勝利(芝1200m)16頭立て
ミルファームの記事で取り上げたココロザシ(セン2 美浦・田中清厩舎)が嘉藤騎手騎乗で出走します。
前走はシルクプリマドンナの最後の産駒、ラストプリマドンナの4着に終わりましたが、激しい雨が降る中、先行した馬が上位に入線した中で後方待機から直線伸び4着入線は健闘の部類に入ります。
今回は2戦連続2着のベルウッドキング(牡2 美浦・和田雄厩舎 黛騎手騎乗)がライバルですが、初勝利を期待したい所です。
京都6R メイクデビュー京都 2歳新馬(ダート1800m)13頭立て
ヤマカツヒーロー(牡2 父ヘニーヒューズ 母ヤマカツマリリン 栗東・池添兼厩舎 池添騎手騎乗)
今年の金鯱賞を始め、中距離重賞で活躍中のヤマカツエースの半弟がデビューします。
ヤマカツエースは父がキングカメハメハとあって芝で良績を残していますが、ヤマカツヒーローは父がヘニーヒューズに替り、適性はダートだと思います。
ケールダンセール(牝2 父クロフネ 母マチカネセキガハラ 栗東・池添学厩舎 川田騎手騎乗)
一方、息子の池添学調教師はセレクトセールにて2376万円で落札されたケールダンセールを送り込みます。
母方の祖母マチカネチコウヨレはG3エルムステークスを制覇したマチカネニホンバレの母。
最近では安田記念当日のダート2100mでヨレヨレになりながらも勝ったサトノティターンの母です。
調教師が親子対決となったこのレース。勝つのはどの馬でしょうか。
京都8R 第19回京都ジャンプステークス(J-G3)障害3歳以上オープン(芝3170m)11頭立て
重賞馬はいませんが、ここ最近の重賞で好走している馬が出走します。
東京ハイジャンプで王者・オジュウチョウサンに対し大逃げを見せ3着まで粘ったタマモプラネット(牡7 栗東・南井厩舎 小坂騎手騎乗)。
東京ハイジャンプ以外にも新潟ジャンプステークス3着、東京ジャンプステークス5着と安定した戦績をここ最近見せています。
マイネルフィエスタ(牡7 栗東・中村厩舎 植野騎手騎乗)は、ここ4戦の障害重賞では4着-4着-3着-3着と安定しています。
前走の阪神ジャンプステークスでは昨年の中山大障害3着のルペールノエルとクビ差の惜敗。悲願の初重賞制覇に向け、ここがチャンスになります。
その他では中山の清秋ジャンプステークスを制したスズカプレスト(牡5 栗東・橋田厩舎 北沢騎手騎乗)、
京都ハイジャンプ2着のテイエムオペラドン(牡8 栗東・浜田厩舎 中村騎手騎乗)も出走します。
京都10R 比叡ステークス 3歳以上1600万下(芝2200m)9頭立て
9頭と少頭数ですが、楽しみなメンバーが揃いました。
注目はサトノアラジンの全弟、サトノケンシロウ(牡4 栗東・池江厩舎 川田騎手騎乗)。
10戦して馬券対象外になったのはデビュー戦の4着のみ。安定した成績を持っている一方で、勝ちきれない面は兄に似ていると思います。
きっかけを掴めば将来的には兄と同様G1戦線でも活躍できる馬なので、ここは負けられないレースです。
不気味な存在としてはエクセレントミスズ(牡4 栗東・加藤敬厩舎 国分恭介騎手騎乗)。
函館で2勝目を挙げ、前走の兵庫特別(阪神 芝2400m)でも2分25秒7と好タイムで連勝。
勢いに乗ってこのまま3連勝になるでしょうか。
その他では牡5歳でありながらキャリア9戦。ここ最近では安定しているパフォーマプロミス(牡5 栗東・藤原英厩舎 岩田騎手騎乗)。
6月に既にこのクラスを勝っているリッチーリッチー(牡4 栗東・友道厩舎 Mデムーロ騎手騎乗)。
今年に入って安定した成績を残しているノーブルマーズ(牡4 栗東・宮本厩舎 高倉騎手騎乗)が出走します。
京都11R 第52回デイリー杯2歳ステークス(G2)2歳オープン(芝1600m)9頭立て
先週の京王杯2歳ステークスはタワーオブロンドンが勝ちましたが、このレースも期待が持てる馬が出走します。
新潟2歳ステークスを制したフロンティア(牡2 栗東・中内田厩舎 岩田騎手騎乗)。
2着馬との着差はいずれも0.1秒と目立っていませんが、いずれもレース内容は完勝という内容です。
特に新潟2歳ステークスでは上がり3ハロン32.9秒と2歳馬離れした瞬発力。
デビュー戦で3着だったシャルルマーニュはアイビーステークスでハナ差の2着と健闘。
新潟2歳ステークス2着のコーディエライトはファンタジーステークス2着とレベルが高いレース。
ここを勝って、朝日杯フューチュリティステークスでも期待できるポテンシャルを持っています。
スプリントG1レース2勝馬ビリーヴの息子ジャンダルム(牡2 栗東・池江厩舎 アッゼニ騎手騎乗)。
デビュー戦では4コーナーで少し外にヨレる面がありましたが、直線ではあっさりと抜け、スターリーステージなどの評判馬以下を破りました。
母親がスプリント戦線で活躍したので、1600mに不安がある可能性がありますが、デビュー戦の内容、父のKitten's Joyはエプソムカップを制したダッシングブレイズの父でありますので、マイルまでは持つと思います。
あとは急遽武豊騎手から乗り替わったアッゼニ騎手がどこまでクセを掴んでいるのかがポイントです。
重馬場のデビュー戦を制したカツジ(牡2 栗東・池添兼厩舎 松山騎手騎乗)。母のメリッサは1200mの北九州記念を制し、距離に不安があると思います。
しかし、母の血統にはホワイトマズル、トニービンが含まれているので、1600mは大丈夫だと思います。
オーナーは函館2歳ステークスを制したカシアス、京都で強い競馬でデビュー戦を制したグレイルと今年の2歳馬戦線で勢いがあります。
今年の関西での最初の新馬戦を制したケイアイノーテック(牡2 栗東・平田厩舎 川田騎手騎乗)。
母親がダート重賞のプロキオンステークスを制したケイアイガーベラで、芝の適性がポイントとなりますが、デビュー戦の内容を見る限りでは芝でも通用します。
そして、今回のもうひとつのポイントは6月の新馬戦以来の出走という点。
この間、どれ位成長しているのかが鍵となります。
ウマフリ編集部の注目はロードイヒラニ(牡2 栗東・千田厩舎 シュタルケ騎手騎乗)。
新種牡馬の記事で取り上げた馬です。前走で初勝利を挙げました。
前半1000mを1分2秒2のペースで逃げ、上がり3ハロンを最速の34.2秒で駆け抜けました。
今回は相手が更に強化しますが、ロードカナロア産駒の勢いをこの馬にも続けて欲しいものです。
東京5R メイクデビュー東京 2歳新馬(芝2000m)11頭立て
エストスペリオル(牡2 父ディープインパクト 母メイキアシー 美浦・堀厩舎 ムーア騎手騎乗)
今週から短期免許取得でアッゼニ騎手とムーア騎手が来日。
堀調教師が管理する馬でこの時期にデビューする期待馬にはムーア騎手が騎乗する事が多いのです。
今週、堀厩舎所属でムーア騎手騎乗の馬で注目はこのエストスペリオル。
半兄に2016年の阪急杯3着馬ブラヴィッシモがいる血統です。
社台レースホースで総額8000万円にて募集(一口200万円)された馬です。
父がディープインパクトで母の父がサドラーズウェルズの産駒で活躍しているのはタッチングスピーチのみですが、血統の潮流は日々変わるものです。
今まで相性の悪かった父ディープインパクト、母の父ロベルト系の繁殖牝馬からは今年の青葉賞を制したアドミラブルが登場。
エストスペリオルもジンクスを破って欲しい馬です。
東京6R メイクデビュー東京 2歳新馬(ダート1600m)14頭立て
スウィングビート(牡2 父Tapit 母バックシートリズム 美浦・加藤征厩舎 内田騎手騎乗)
アメリカでトップの種牡馬といえばTapit(タピット)。種付け料は日本円で3500万円と言われています。
ちなみに、ディープインパクトの種付け料が2500万円、怪物フランケルの種付け料が1750万円。
その為、タピットの子供がセリに出されると、高値で取引されるケースが多いのです。
スウィングビートは社台レースホースで総額7000万円にて募集(一口175万円)された馬です。
母のバックシートリズムはアメリカの芝9ハロン(約1800m)のG1ガーデンシティステークスなど5勝を挙げた馬です。
日本におけるタピットの代表産駒と言えば、先日引退を表明したラニ、同じ東京ダート1600mのフェブラリーステークスを制したテスタマッタがいます。
スウィングビートも日本におけるタピットの代表産駒になって欲しいものです。
東京11R 第22回 東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(G3)3歳以上オープン(ダート1600m)16頭立て
このレースの優勝馬にはチャンピオンズカップ(12月3日中京競馬場)の優先出走権が与えられるレースです。
G1ホースが3頭出走。一方、武蔵野ステークスとの相性のいい3歳馬にも将来が楽しみな馬が出走します。
昨年のフェブラリーステークスを制したモーニン(牡5 栗東・石坂厩舎 横山典騎手騎乗)。7戦目でのG1レース制覇でダート界の勢力図が変わる期待がありました。
しかし、その後は勝ち星から遠ざかり、昨年のこのレースでは1番人気で12着という大敗を喫しました。
それでも、前走の日本テレビ杯ではアポロケンタッキー、サウンドトゥルー、ケイティブレイブといった強豪相手に4着と好走。
今回は横山典弘騎手騎乗という事もあり、どんなレース振りを見せるのか注目です。
一昨年のジャパンダートダービーを制したノンコノユメ(セン5 美浦・加藤征厩舎 Cデムーロ騎手騎乗)。
昨年の帝王賞までは安定した走りを見せていました。
ところが、昨年休養明け初戦のJBCクラシックで4着以降は6着、4着、7着と苦戦を強いられている状態に。
フェブラリーステークスで7着と敗退した後は休養に入りました。この休養で馬に走る気が戻って来たのか、2週連続重賞制覇したCデムーロ騎手がどう復活させるのかも注目です。
マイルチャンピオンシップ南部杯2連覇などの実績をもつベストウォーリア(牡7 栗東・石坂厩舎 ルメール騎手騎乗)。
今年もフェブラリーステークス2着など安定した実績を残してきました。
しかし、得意としていた南部杯で全く競馬にならず6着と大敗。長期に渡って活躍していたこの馬ですが、そろそろ激戦の疲れが出てきたのでしょうか。
正念場のレースになりそうです。
そのベストウォーリアに南部杯で先着したカフジテイク(牡5 栗東・湯窪厩舎 福永騎手騎乗)。
直線一気に追い込むタイプのこの馬にとって、地方競馬場の中では長い盛岡競馬場の直線でも追込みが決まりにくかったようです。
今回は直線の長い東京コースで、期待も高く集まりそうです。
問題はダート1600mが芝コースからのスタートということ。
芝コースからスタートするダートのレースではダッシュが効かないので、流れに乗れない事があります。
スタートを決めて後方で脚を溜めるレース。これが出来れば、あっさり勝ってもおかしくない馬です。
今年の春から復調気配を見せているのがインカンテーション(牡7 栗東・羽月厩舎 三浦騎手騎乗)。
長期休養明けから戻った昨年初頭からスランプが続いていました。
しかし、3月のマーチステークスで1年10か月ぶりの勝利を挙げると、5月のG1かしわ記念ではモーニン、ベストウォーリアに先着し2着と好走。
10月の交流重賞白山大賞典(金沢競馬場)も勝利。復活の狼煙をあげています。
今回は初めてコンビを組む三浦騎手との相性がポイントとなります。
武蔵野ステークスは3歳馬の活躍も目立つレースです。衝撃的な圧勝を演じたクロフネ(2001年)、
同い年のカネヒキリにダート戦で初めて黒星を付けたサンライズバッカス(2005年)。
その他にもサイレントディール(2003年)、キクノサリーレ(2008年)、ワンダーアキュート(2009年)、イジゲン(2012年)、ノンコノユメ(2015年)と3歳馬の活躍も目立っています。
今年の3歳勢では東京コースでは3戦3勝のサンライズノヴァ(牡3 栗東・音無厩舎 戸崎騎手騎乗)。
同距離のユニコーンステークスを制しています。
ジャパンダートダービーは距離もあってか6着に敗退。
しかし、得意の東京で行われたグリーンチャンネルカップではアキトクレッセント、ロワジャルダンなどの4歳以上の馬を破っての快勝。
武蔵野ステークスは3歳馬の好走が目立つので、注意が必要です。
サンライズ軍団の3歳馬はもう1頭います。ブラジルカップを制したサンライズソア(牡3 栗東・河内厩舎 吉田豊騎手騎乗)。
ユニコーンステークスではサンライズノヴァの3着に敗れましたが、ジャパンダートダービーでは2着。
その後はオープンのラジオ日本賞、ブラジルカップで3着と入りました。
ブラジルカップが大雨の中で行われたレースに付き、その反動がなければ、注意が必要な馬でしょう。
京都では来年のクラシック戦線に名乗りを挙げる馬が出てくるのか。
一方、東京ではダート戦線に新星が登場するのか?それとも、古豪が意地を見せるのか?
土曜日も競馬から目が離せません。
(おかのひろのぶ)