【ジャパンカップ・外国馬紹介】世界のオブライエン厩舎が7年振りにJC参戦。オセアニアから14年振りの参戦も。ドイツからは2年連続イキートス、不気味な逃げ馬ギニョールが波乱を呼ぶ?

 

アイダホ(IDAHO)牡4(アイルランド)

父ガリレオ 母アヴェンジャー 母父デインヒル

エイダン・オブライエン厩舎

ライアン・ムーア騎手騎乗

 

戦績   15戦3勝

主な戦績 ハードウィックステークス(英国G2)(2017年)1着

     アイルランドダービー(愛国G1)(2016年)2着

     キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(英国G1)(2017年)3着

     イギリスダービー(英国G1)(2016年)3着

 

経歴

イギリスダービーで3着後、欧州のダービー馬等が集うアイルランドダービーではイギリスダービー馬・ハーザンドと半馬身差の2着と健闘しました。

 

4歳になった今年は英国王室主催、ロイヤル・アスコット競馬開催のレースの1つ、ハードウィッグステークスを快勝。

続くキングジョージでは後に凱旋門賞を制したエネイブルの3着に敗れました。

ただ、兄のハイランドリール(4着)には先着。2着のユリシーズ(後の凱旋門賞3着)とは3/4馬身差の僅差でした。

 

その後はアメリカへ遠征しましたが6着に敗退。続く凱旋門賞は8着。

中1週でカナダのカナディアンインターナショナルに挑みましたが4着に終わり、今回の来日となりました。

 

血統

父のガリレオはサドラーズウェルズの後継種牡馬として活躍。

フランケル、2014年イギリスダービー馬オーストラリア、エネイブルの父ナサニエルなど後継種牡馬も活躍。2010年から7年連続で英愛リーディングサイアーを獲得しています。

母のアヴェンジャーは2005年のオーストラリアG1 シュウェップスオークスで3着に入りました。

 

全兄に2016年のキングジョージ、ブリーダーズカップターフ(米国G1)など6勝したハイランドリールがいます。

 

調教師・騎手

エイダン・オブライエン調教師は欧州競馬を代表する名調教師です。

今年1年の 現在までのG1 勝利は27勝。これはシーズン G1 最多勝記録となりました。

これまでに世界各国で300以上のG1タイトルを獲得。イギリスダービー6勝、凱旋門賞2勝、ブリーダーズカップ・ターフ6勝。

年齢が48歳とまだ若いので、今後も多くのG1タイトルを獲得する可能性が高い調教師です。

 

ジャパンカップの出走は7年振り3度目となります。(過去は2004年のパワーズコードの10着、2010年のジョシュアツリーの10着)。

 

ライアン・ムーア騎手は短期免許で活躍しているので、ここでは省略させていただきます。

 

 

ギニョール(GUIGNOL)牡5(ドイツ)

父ケープクロス 母グアダルーペ 母父モンスーン

ジャンピエール・カルヴァロ厩舎

フィリップ・ミナリク騎手騎乗

 

戦績 14戦6勝

主な戦績 バイエルン大賞(独国G1)(2016年・2017年)1着

     バーデン大賞(独国G1)(2017年)1着

                ベルリン大賞(独国G1)(2016年)3着

 

経歴

今年になって力を付けてきたのがギニョールです。

3歳にデビューし2戦1勝。4歳となった昨年は7戦2勝、2着3回。

8月のベルリン大賞(芝2400m)でG1レース初挑戦し、2014年のメルボルンカップ(豪国G1 芝3200m)を制したプロテクショニストの3着。この時の2着は2年連続で来日するイキートスでした。

 

しかし、4歳の末にギニョールの才能が開花しました。ヨーロッパ競馬の掉尾を飾るレースの1つとして知られるバイエルン大賞(芝2400m)。ここでギニョールは9頭立ての最低人気でありながらも、エクリプスステークス(英国G1)覇者のホークビルイキートスら強豪を相手に快勝。初めて走った左回りでの勝利でした。

 

5歳になった今年。初戦は6着に敗退も、続くバーデン経済大賞(独国G2 芝2400m)では6頭立ての5番人気の低評価を跳ね返す快勝。

9月に行われたバーデン大賞(独国G1 芝2400m)ではイキートス以下に逃げ切り勝ち。

そして、前年には最低人気で勝ったバイエルン大賞でもイキートス以下を相手に逃げ切りました。

 

血統

父のケープクロスは1998年のロッキンジステークス(英国G1 芝1マイル(1608m))、ロイヤル・アスコット競馬開催の中で行われているクイーンアンステークス(英国G2 芝1マイル)を制しました。また、1998年のジャック・ル・マロア賞(仏国G1 芝1600m)では日本のタイキシャトルの2着に入った馬です。

 

ケープクロスが本領を発揮するのは種牡馬になってからです。代表産駒に2009年の凱旋門賞など欧州G1 レースを6勝したシーザスターズ。2015年の凱旋門賞など欧州G1レースを4勝したゴールデンホーン、イギリス・アイルランドの両オークスなど欧米G1レース7勝の名牝ウィジャボード、日本で種牡馬生活を行っているベーカバド(仏国G1 パリ大賞典)など欧州のG1レースを制した馬を多数出しています。

 

母のグアダルーペは2002年のイタリアオークス(芝2200m)を制しました。全弟のゲッタウェイは2009年のバーデン大賞、ベルリン大賞(当時のレース名はドイツ賞)を制しました。

 

調教師・騎手

ジャンピエール・カルヴァロ調教師はフランス生まれで、騎手時代の1999年に拠点をドイツに置き、800勝以上の成績を収めました。

 

主な管理馬に 2014 年のバーデン大賞とバイエルン大賞を制し、ジャパンカップ 6 着のアイヴァンホウ、2015 年のダルマイヤー大賞優勝馬ジュリアーニ、同年のバイエルン大賞を勝ってジャパンカップ 18 着のイトウがいます。

 

フィリップ・ミナリク騎手は1975年に旧チェコスロバキアのプラハで生まれました。1996年にドイツに拠点を移籍。これまでドイツのリーディングジョッキーに3度輝いています。

 

主な獲得タイトルに 2004 年イタリア G1グランクリテリウム、G1 バーデン大賞は 4 勝、独 G1 バイエルン大賞は3 勝しているほか、サロミナで2012 年独オークス、ジュリアーニで 2015 年ダルマイヤー大賞を制しています。

 

ジャパンカップは2014年のアイヴァンホウ(6着)、2015年のイトウ(18着)と過去2回騎乗しました。

 

 

イキートス(IQUITOS)牡5(ドイツ)

父アドラーフルク 母イリカ 母父アレイオン

ハンスユルゲン・グリューシェル厩舎

ダニエーレ・ポルク騎手騎乗

 

戦績   19戦6勝

主な戦績 ダルマイヤー大賞(独国G1)(2017年)1着

     バーデン大賞(独国G1)(2016年)1着

     バイエルン大賞(独国G1)(2017年)2着

     バーデン大賞(独国G1)(2017年)2着

     ジャパンカップ(日本G1)(2016年)7着

 

経歴

昨年のジャパンカップに出走。16番人気という低評価ながらも、外国馬最先着の7着。4着だったゴールドアクターと同タイムと健闘しました。

 

イキートスは3歳の4月にデビュー。5戦3勝の戦績でした。5戦目でクレフェルト銀行大賞(独国G3 芝2050m)という重賞に初挑戦。ドイツダービー2着馬パレスプリンスにアタマ差まで迫りましたが、2着でした。

 

4歳になったイキートス。初戦は4着に敗れましたが、続くバーデン経済大賞(独国G2 芝2200m)では前年にバイエルン大賞を制したイトウ以下を負かし、重賞初制覇となりました。9月のバーデン大賞(独国G1 芝2400m)で、6番人気のイキートスは直線追い込む競馬を見せてG1レース初勝利。その後はG1レースで4着、5着に終わり、ジャパンカップに出走。道中は後方からのレースでしたが、最後の直線で鋭く伸び、6着と健闘しました。

 

5歳になった今年のイキートスはG2レースで連続2着。7月のダルマイヤー大賞に出走。11頭立ての4番人気という人気。道中後方2番手からレースを進め、最後は2着に1馬身半の差をつけてG1レース2勝目を挙げました。

 

連覇を狙ったバーデン大賞はギニョールの2着。凱旋門賞ではエネイブルの7着。バイエルン大賞では再びギニョールの2着と惜敗。しかし、陣営は早々とジャパンカップへの出走を表明しました。

 

血統

父のアドラーフルクは2007年のドイツダービー、2008年のベルリン大賞(当時はドイツ賞)を制しました。その父のインザウィングスはサドラーズウェルズ産駒で、1996年にジャパンカップを制したシングスピールの父でもあります。

 

母のイリカはドイツで4勝を挙げました。母の父アレイオンは2010年にドイツのリーディングサイアーに輝いたボールドルーラーを祖先に持つ種牡馬です。

 

調教師・騎手

ハンスユルゲン・グリューシェル調教師は1943年に旧東ドイツ生まれのベテランです。東ドイツ時代から調教師を行い、数多くのタイトルを獲得しました。

 

ドイツ統一後はハノーヴァーに拠点を移籍。2010年には通算1000勝を挙げました。

 

ダニエル・ポルレ騎手は1983年生まれのイタリア人騎手。今回が初来日です。2008年にイタリアG1レースのローマ賞を制覇。これが初のG1レース勝利です。

 

2009年に拠点をドイツに移転。今年のイキートスでのダルマイヤー大賞でドイツでは初のG1レース勝利を獲得しました。

 

 

ブームタイム(BOOM TIME)牡6(オーストラリア)

父フライングスパー 母ビットオブアライド 母父スニペッツ

デヴィッド・ヘイズ厩舎

コーリー・パリッシュ騎手騎乗

 

戦績   33戦7勝

主な戦績 コーフィールドカップ(豪国G1)(2017年)1着

     JRAカップ(豪国G3)(2017年)3着

 

かつてのジャパンカップは欧米の強豪馬は勿論、オセアニア諸国からの参戦もありました。

1989年にはオグリキャップとの壮絶なデッドヒートを繰り広げ、2分22秒2と当時の世界レコードをマークしたホーリックス(ニュージーランド)が勝利。

翌年にはベタールースンアップ(オーストラリア)が母国のコックスプレート、マッキノンステークスに続きG1レース3連勝を達成しました。

 

ブームタイムは2003年のフィールズオブオマー以来、14年振りのオセアニア諸国の馬でのジャパンカップ参戦となります。

 

経歴

2歳の5月にデビューしましたが、3戦0勝。3歳3月に12戦目で初勝利を挙げました。初勝利後、4月に行われたウェストオーストラリアンダービー(豪国G2 芝2400m)に出走し3着。5月のサウスオーストラリアンダービー(豪国G1 芝2500m)にも出走しましたが、9着に終わりました。

 

4歳時には3連勝を達成しましたが、重賞はVRCオーストラリアンカップ(豪国G1 芝2000m)の6着が最高でした。5歳時も重賞レースでの勝利はありませんでしたが、準重賞(JRAで言うオープン特別戦)では2015年のイタリアダービー馬ゴールドストリームを破るなど徐々に力を付けて来ました。

 

6歳となった今シーズン。9月に行われたJRAカップ(豪州G3 芝2040m)で3着。10月に行われた伝統のG1レース、コーフィールドカップ(豪州G1 芝2400m ハンデ戦)に出走。17頭立ての13番人気と人気薄でしたが、52㎏のハンデ(17頭中5番目に軽いハンデ)を活かし快勝。

 

その後、オーストラリアを代表するレースの1つであるメルボルンカップ(豪州G1 芝3200m ハンデ戦)に出走。23頭立ての15着と敗れましたが、今回オセアニア馬として14年振りのジャパンカップ出走となりました。

 

血統

父のフライングスパーはデインヒル産駒。2歳のG1レース、ゴールデンスリッパーステークス(芝1200m)など短距離G1レースを3勝挙げた馬です。活躍馬も父と同じゴールデンスリッパーステークスを制したフォレンジクスや香港スプリントを制したインスピレーション等、短距離G1レースを制した馬が多い傾向です。

 

母のビットオブアライドは現役時代には7勝を挙げた馬です。母の父のスニペッツも短距離G1レースを3勝挙げた馬です。

 

調教師・騎手

デヴィッド・ヘイズ調教師はブームタイムの馬主も兼ねています。1962年にオーストラリアで生まれ、1990年に父親の厩舎を引き継ぎました。1996年からは一旦香港に拠点を置き、9年間の間に香港のG1レースを17勝、リーディングトレーナーに2度輝いた実績を持ちます。

 

これまでの主な管理馬に 1990 年コックスプレートおよびジャパンカップ優勝馬ベタールースンアップ、1994 年メルボルンカップ並びに 1995 年クイーンエリザベスステークスを制したジューン、香港時代の 2003 年に 27 年ぶりに牝馬として香港ダービーを制したエレガントファッション、2006 年コックスプレート覇者フィールズオブオマーなど活躍馬多数を出しています。

 

ジャパンカップの参戦は2003年のフィールズオブオマー以来となります。

 

コーリー・パリッシュ騎手は1989年にニュージーランドで生まれました。2013年にオーストラリアに移籍。今回騎乗するブームタイムでの今年のコーフィールドカップが初G1レース制覇でした。

 

 

(おかのひろのぶ)

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