【日曜の競馬】2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ。ソシアルクラブが親子3代同一G1レース制覇を達成するのか?オルフェーヴル産駒ロックディスタウン、ラッキーライラックも注目。

1995年1月17日。阪神地方を襲った「阪神淡路大震災」。

この地震により、阪神競馬場での競馬が11月まで行われませんでした。

 

12月2日にようやく競馬が再開。翌3日には阪神3歳牝馬ステークス(現在の阪神ジュベナイルフィリーズ)が開催。後に競馬の血統に名を残すエアグルーヴロゼカラーらを差し置いて逃げ切ったのは、札幌3歳(現在の2歳、当時は芝1200mで開催)ステークス覇者のビワハイジでした。

 

あれから22年。ビワハイジの孫が親子3代同一G1レース制覇という史上初の偉業に挑みます。

 

阪神ジュベナイルフィリーズ当日の阪神競馬場は女性に限り入場料が無料。当日は元AKB48のメンバーで女優として活躍中の川栄李奈さんがプレゼンターです。

 

香港国際競走が日曜日に開催され、世界の目は香港に注がれていますが、日本の競馬も熱いレースが続出。中京、中山、阪神の順で見てみましょう

 

 

中京5R 2歳新馬(芝2000m)9頭立て 発走12:15

 

アイスバブル(牡2 父ディープインパクト 母ウィンターコスモス 栗東・池添厩舎 藤岡康太騎手騎乗)

 

中京のメイクデビューに池江厩舎から注目の馬が出走します。母のウィンターコスモスキングカメハメハの娘です。

 

キングカメハメハの繁殖牝馬が増えた事で、父ディープインパクト、母の父キングカメハメハの馬が出てきています。今年の2歳で言えば、東京スポーツ杯2歳ステークスを制したワグネリアンも同じ血統です。ただ、ワグネリアンの母の血を辿ると、ダートで活躍したブロードアピールが祖先になります。

 

一方、アイスバブルの母系は祖母にミスパスカリという繁殖牝馬にあたります。ミスパスカリはクロフネの半妹です。ミスパスカリは現役時代に3勝を挙げており、繁殖牝馬としてはスプリングステークスを制したマウントロブソン、先日の菊花賞で3着と健闘したポポカテペトルの母として活躍しています。

 

ウィンターコスモスの代表産駒には昨年3月の中京競馬場芝2200mで行われた名古屋城ステークスで2分9秒9の芝2200mの日本レコードをマークしたグリュイエールがいます。同じ中京競馬場で弟はどんな走りを見せてくれるのか楽しみです。

 

ライバルになりそうなのは、ステイフーリッシュ(牡2 父ステイゴールド 母カウアイレーン 栗東・矢作厩舎 中谷騎手騎乗)。祖母のシルバーレーンブラックホーク(安田記念などG1レース2勝)、ピンクカメオ(NHKマイルカップ)と2頭のG1ホースを輩出。カウアイレーンもオープンレース勝ちなど5勝を挙げております。京都2歳ステークスを制したグレイルもシルバーレーンの血が入っています。父ステイゴールドにとって最後に放つ大物かも知れません。

 

 

中京10R こうやまき賞 2歳500万下(芝1600m)7頭立て 発走:14:50

 

中京10Rは2歳500万下特別戦。これまで4回行われていますが、2013年に勝ったヌーヴォレコルトは翌年のオークスを優勝、昨年勝ったペルシアンナイトは今年のマイルチャンピオンシップを制覇。2014年2着馬のダッシングブレイズは今年のエプソムカップ(G3)を制覇、2015年3着馬のダンツプリウスは翌年のニュージーランドトロフィー(G2)制覇など出世レースの1つになっています。

 

今年の注目馬は関東馬のグローリーヴェイズ(牡2 美浦・尾関厩舎 浜中騎手騎乗)。10月のデビュー戦では折り合いを欠くシーンもありましたが、直線半ばからの加速で快勝。上がり3ハロン34.9秒とまとめるあたり、レースセンスの高さが伺えるレースでした。曾祖母に3冠牝馬メジロラモーヌがいる血統。今は無きメジロ牧場の血を受け継いだグローリーヴェイズが栄光を掴むかも知れません。

 

 

中京12R 長良川特別 3歳以上500万下 (芝2200m)18頭立て 発走:

 

アンセム(牡3 栗東・野中厩舎 浜中騎手騎乗)

 

昨年のウマフリPOGで取り上げたアンセムが出走します。

 

前走の時にも書きましたが、姉のピクシープリンセス(エリザベス女王杯3着)やジョバンニ(ダートで4連勝を飾りオープン入り)の様に、この血統は大器晩成型であります。クラシック路線には乗る事はできませんでしたが、3歳の秋以降に伸びる素質がある血統です。

 

前走はスタートで出遅れるものの、3コーナーから進出。最後はムーヴザワールドに負けましたが、ロングスパートでしぶとく伸びる競馬が合う事も分かりました。

 

今回は浜中騎手への乗り替わりとなりますが、前走の様な競馬をすれば、久々の勝利も見えてくるはずです。

 

 

中山1R  2歳未勝利(ダート1200m)16頭立て 発走9:50

 

ホクセツ(セン2 美浦・南田厩舎 荻野琢真騎手騎乗)

 

ミルファームの2歳馬記事で取り上げたホクセツが出走します。

 

ダートに転戦して5着、3着と徐々に結果を出しているホクセツ。芝ではスピードに乗らず、常に後方からの競馬となりましたが、ダートに替ると、2戦とも逃げる展開に。現状ではダートがベストでしょう。

 

荻野琢真騎手の続投も大きなプラスです。あとは、京都にはなかった直線の坂を乗り切れば、今回も期待ができそうなレースをしてくれるでしょう。

 

 

中山5R 2歳新馬(芝1800m)16頭立て 発走12:05

 

ショーンガウアー(牡2 父オルフェーヴル 母マルティンスターク 美浦・木村厩舎 シュミノー騎手騎乗)

 

2017年度新種牡馬、注目の産駒たちの特集オルフェーヴル産駒の注目馬として取り上げた馬です。母のマルティンスタークはJRAで4勝を挙げたシンボリクリスエス産駒です。

 

記事にも書いてありますが、サンデーサイレンスのクロス(近親配合、別名インブリード)が無く、気性的な問題はないと思います。

 

オルフェーヴル産駒は阪神ジュベナイルフィリーズには2頭有力馬を出していますが、牡馬で大物が出ていません。そろそろ、この辺でクラシック路線を狙える馬を出して欲しい所です。

 

その他では、母がセレクトセールで最高額の6億円を付けたディナシーピラータ(牡2 父クロフネ 母ディナシー 美浦・国枝厩舎 内田騎手騎乗)。母の兄妹にダイワスカーレットダイワメジャーがいるオルファクト(牡2 父ロードカナロア 母ブーケフレグランス 美浦・高柳厩舎 柴山騎手騎乗)。兄弟にダービーフィズ(函館記念)、アプリコットフィズ(クイーンカップ)がいるレッドミスティ(牝2 父キングカメハメハ 母マンハッタンフィズ 美浦・小島茂厩舎 田辺騎手騎乗)が主な有力馬です。

 

 

中山11R 第10回カペラステークス(G3)3歳以上別定(ダート1200m)16頭立て 発走15:20

 

2008年の第1回以降、1番人気が一度も勝っていないレースです。今年も抜けた馬がいないため、混戦が予想されます。

 

実績で行けばスノードラゴン(牡9 美浦・高木厩舎 58㎏ 大野騎手騎乗)。ただ、前走のJBCスプリントでは7着と敗退。

また、韓国のG1・コリアスプリント(9月10日)を制したグレイスフルリープ(牡7 栗東・橋口厩舎 58㎏ 三浦騎手騎乗)は国内ではオープンレースでも勝てない状況でした。

 

むしろ、勢いがある馬に注目。地方馬のブルドックボス(牡5 浦和・小久保智厩舎 57㎏ 内田騎手騎乗)は浦和競馬転厩後、交流重賞・クラスターカップ(盛岡ダート1200m)を制覇。東京杯2着、JBCスプリント3着と安定した戦績。JRA在籍時には中山競馬ダート1200mは4戦2勝と相性がいい馬です。

 

オータムリーフステークス(11月26日 京都ダート1200m)を制したニットウスバル(牡5 美浦・高橋文厩舎 56㎏ 木幡巧也騎手騎乗【吉田豊騎手落馬負傷のため乗り替わり】)。2着のコウエイエンブレムは4月の天王山ステークス(京都ダート1200m)を制した馬ですが、この時の3着がニットウスバル、5着がブルドックボスニットウスバルが先着。今回、ブルドックボスよりもハンデが1㎏軽いのも大きなアドバンテージとなります。

 

室町ステークス(10月21日 京都ダート1200m)を制したブルミラコロ(牡5 栗東・大久保龍厩舎 56㎏  秋山騎手騎乗)。デビュー以来、ダート短距離路線は15戦走って13回3着以内に入っている安定性があります。重賞は今年の根岸ステークスの11着のみですが、オープンレースを勝った勢いで重賞制覇と行きたい所です。

 

その他では、昨年の覇者ノボバカラ(牡5 美浦・天間厩舎 57㎏ 北村宏騎手騎乗)、室町ステークス大敗からの巻き返しを狙うサイタスリーレッド(牡4 栗東・佐藤正厩舎 57㎏ シュミノー騎手騎乗)、一昨年のJBCスプリント覇者、コーリンベリー(牝6 美浦・小野厩舎 56㎏ 松山騎手騎乗)が出走。1番人気の馬が勝ってジンクスを崩す事ができるのでしょうか。

 

 

阪神5R 2歳新馬(芝1800m)10頭立て 発走12:25

 

シエラ(牝2 父オルフェーヴル 母ゴールデンドッグエー 栗東・須貝厩舎 川田騎手騎乗)

 

阪神の新馬戦で注目したいのは牝馬のシエラです。小倉大賞典などを制したアルバートドックの半妹になります。

 

母のゴールデンドッグエーはアメリカのG1レース、ラスヴァ―ジネスステークス(ダート約1600m)を制した馬で、サンタアニタオークス2着の実績を持っています。その父のUnusual Heatヌレイエフ産駒。現役時代は重賞2着止まりでしたが、種牡馬になって成功。ハリウッドターフカップステークス(芝約2400m)を制したUnusual Suspect、ハリウッドダービー(芝約2000m)を制したThe Usual Q. T.などアメリカの芝のG1レースを制した馬の父として活躍しています。

 

ペーパー馬主ゲームで人気のあったシエラ。来年のオークス路線に向けて、注目したい1頭です。

 

 

阪神11R 第69回 阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)2歳牝馬限定(芝1600m)18頭立て 発走15:40

 

ソシアルクラブ(父キングカメハメハ 母ブエナビスタ 栗東・池添学厩舎 福永騎手騎乗)

 

2008年のこのレースを制したブエナビスタの次女ソシアルクラブが出走します。ソシアルクラブがこのレースを制した場合、大記録が達成するかも知れません。

 

ソシアルクラブの祖母ビワハイジは1995年にこのレースの前身、阪神3歳牝馬ステークスを制しました。つまり、母娘3代同じG1レースを制する快挙を達成します。

 

親子4代でG1レース勝ちはあります。1983年のオークスを制したダイナカール。その娘のエアグルーヴは1996年のオークス、翌年の天皇賞・秋を制覇。孫のアドマイヤグルーヴが2003年、2004年のエリザベス女王杯を制覇。ひ孫のドゥラメンテが2015年の皐月賞とダービーを制覇しました。しかし、同じレースとなると、親子3代で制した馬はいません。

 

ロックディスタウン(父オルフェーヴル 母ストレイキャット 美浦・二ノ宮厩舎 ルメール騎手騎乗)

 

新馬、札幌2歳ステークスを制したロックディスタウン。新種牡馬オルフェーヴルに初の重賞タイトルをもたらした馬です。

 

デビュー戦では4番手を追走し、直線でタイムフライヤー(後に萩ステークスを制し、京都2歳ステークスで2着)を3/4馬身差を付ける勝利。この時の上がり3ハロンのタイムが32.5秒と瞬発力勝負に強い面を見せました。

 

その後札幌2歳ステークスに出走。スタート後、折り合いを欠くシーンが見えましたが、すぐに落ち着き、道中は6番手で追走。4コーナーで早めに先団に取り付き、1分51秒4のタイムで快勝しました。

 

気になるのは血統面。母のストレイトキャットロックディスタウンを含め3頭の重賞制覇した子供を出しました。半姉のタガノエリザベートは関西馬でファンタジーステークスを勝った馬ですが、オークスに出走するために関西から関東に遠征した際に16㎏体重が減り9着に敗退。同じく半姉で父がステイゴールドキャットコイン。関東馬でクイーンカップではミッキークイーンを破りました。しかし、桜花賞に出走する際に関東から関西に遠征した際に体重が12㎏も減少。7着と敗退しました。

 

今回は関東の美浦トレセンで調整してからの関西への遠征。体重の増減とパドックで落ち着きがなく、イライラしている面が出ないか。これをクリアすれば、オルフェーヴル産駒初のG1タイトルをもたらしてくれるかもしれません。

 

しかし、オルフェーヴル産駒の有力馬はまだいます。

 

ラッキーライラック(父オルフェーヴル 母ライラックスアンドレース 栗東・松永幹厩舎 石橋騎手騎乗)

 

東京のアルテミスステークスを勝ったラッキーライラック。スタートして暫く走った後に行きたがる面を石橋騎手が必死になだめる所はありました。しかし、残り400m地点で石橋騎手がチラッと横を見て追い出しにかかると、馬が鋭く反応し、最後は逃げ粘るサヤカチャンをきっちりと差し切る競馬。良馬場とは言え、前週の雨で荒れた馬場での勝ちタイムの1分34秒9は高評価を与えてもいいタイムです。

 

血統面で見ますと、母のライラックアンドレースはケンタッキーオークスの前哨戦の1つアッシュランドステークス(ダート約1700m)を2011年に制覇。ライラックアンドレースの父Flower Alleyはフォーティーナイナー系の種牡馬で代表産駒は日本でも種牡馬として活躍しているアイルハヴアナザーがいます。また、天皇賞・秋馬スピルバーグ、マイルチャンピオンシップを制したトーセンラーの兄にあたります。

 

ライラックアンドレースの祖母のステラマリッドは競走馬時代にはアメリカ3歳牝馬のG1レースでも格式が高いレースの1つエイコーンステークス(ダート約1600m)を制しました。娘のダイヤモンドビコーは阪神牝馬ステークス、ローズステークスなどの日本の重賞を制覇。ひ孫にはミッキーアイル(マイルチャンピオンシップ)やアエロリット(NHKマイルカップ)など近年の日本のマイル路線で活躍した馬の血統に入っている血です。

 

一つ気になるのは、アルテミスステークスの勝ち馬が阪神ジュベナイルフィリーズを制した事がない事。昨年はリスグラシューが制しましたが、本番ではソウルスターリングの2着。一昨年は逃げ粘るメジャーエンブレムを差し切ったデンコウアンジュが本番では返り討ちに遭い7着。過去5年で連勝した馬はいません。

 

とはいえ、騎手時代は「牝馬のミキオ」と言われた松永幹夫調教師が送り出す期待の馬。騎乗する石橋騎手も2012年の天皇賞・春にてビートブラックで波乱を起こして以来のG1制覇に期待したい所です。

 

マウレア(父ディープインパクト 母バイザキャット 美浦・手塚厩舎 戸崎騎手騎乗)

 

重賞勝ちはないものの、2戦2勝のディープインパクト産駒。全姉に2013年の桜花賞を制覇したアユサンがいる良血馬です。

 

特に前走の赤松賞のレース内容が光ります。前半の800mが50秒4の超スローペース。騎手との折り合いが欠いた馬がいる中、中団で待機。最後の直線では内から抜け出すと加速力が一気に付き先頭に。最後は外から来たミュージアムヒルの追撃をクビ差凌ぎゴール。上がり3ハロンの33.5秒はメンバー中3位ですが、急激なペースの変化に対応できる点が強みです。

 

450kgと牝馬にしては標準的な馬体です。ただ、脚元が細く見えるなど成長の余地がある中での2戦2勝は光るものがあります。それだけに、今回は関西への長距離遠征に伴う大幅な体重減少の可能性もあります。

 

姉のアユサンはアルテミスステークス2着から阪神ジュベナイルフィリーズに挑むも7着に敗退。姉が果たせなかった2歳牝馬女王の座を妹が獲って欲しいものです。

 

その他では、新潟2歳ステークス、ファンタジーステークスと連続して2着のコーディエライト(父ダイワメジャー 母ダークサファイア 栗東・佐々木晶厩舎 和田騎手騎乗)、アルテミスステークス2着のサヤカチャン(父リーチザクラウン 母アップルトウショウ 栗東・田所厩舎 松岡騎手騎乗)。中1週が気になりますが、白菊賞を制したリリーノーブル(父ルーラーシップ 母ピュアチャブレット 栗東・藤岡厩舎 川田騎手騎乗)、九州産馬初のG1レース制覇を狙うレグルドール(父アドマイヤマックス 母コスモパルムドール 栗東・杉山厩舎 高倉騎手騎乗)など伏兵陣も多才です。

 

果たして、ソシアルクラブが親子3代同一G1レース制覇の快挙を達成するのか?

オルフェーヴル産駒の2頭がいきなりG1を制するのか?

混戦が予想される今年の阪神ジュベナイルフィリーズ、スタートは15:40です。

 

 

(おかのひろのぶ)

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