【週末の競馬】ホープフルステークスが残っているけれど、2017年の2歳馬動向から朝日杯フューチュリティステークスを読み解く

先日、武豊騎手が2017年のロンジンIFHA(International Award of Merit)国際功労賞にて、騎手として初めての受賞者に輝きました。

 

この賞は2013年にIFHA国際競馬統括機関連盟が時計メーカーのロンジン社とオフィシャルパートナー契約を結んだことを受け、国際競馬において顕著な功績を残し、競馬発展のために多大な貢献をもたらした競馬関係者に贈られる賞です。

 

世界の競馬に貢献した人物が受賞した賞に日本人として、騎手を代表して武豊騎手が受賞した事は大変な栄誉です。同時に「Yutaka Take」の名前を競馬の歴史に残す事になります。

 

その武豊騎手が勝っていない国内G1レースの1つ、朝日杯フューチュリティステークスが日曜日にあります。土曜日は3歳以上牝馬限定の重賞、ターコイズステークスが行われます。

 

なお、今週の注目レースは朝日杯フューチュリティステークス、ターコイズステークス、日曜中山メインのディセンバーステークスの3レースのみとさせていただきます。メイクデビュー戦の注目馬は下記にまとめさせていただきました。予めご了承下さい。

 

土曜中山5R(芝1800m)16頭立て 発走:12:10

アルキミア(牡2 父オルフェーヴル 母シーエスシルク 美浦・大和田厩舎 川田騎手騎乗)

シーエスシルクは2011年の米国G1 ジャストアゲームステークス(芝約1800m)優勝馬

 

日曜阪神5R(芝1800m)10頭立て 発走:12:25

ギベオン(牡2 父ディープインパクト 母コンテスティッド 栗東・藤原英厩舎 C・デムーロ騎手騎乗)

 母コンテスティッドは2012年の米国G1エイコーンステークス(ダート約1600m)など米国G1レース2勝

 

イシュトヴァーン(父ルーラーシップ 母ドナウブルー 栗東・石坂厩舎 福永騎手騎乗)

 母ドナウブルーは関屋記念など重賞2勝。母の全妹にジェンティルドンナ(牝馬三冠を含むG1レース7勝)

 

 

土曜中山11R 第3回 ターコイズステークス(G3)3歳以上牝馬限定・ハンデ戦(芝1600m)発走15:25

 

重賞昇格後の過去2回を振り返ると、第1回の一昨年は11番人気のシングウィズジョイが優勝。3連単が259万4680円と大波乱。

一方で昨年は1番人気のマジックタイムが優勝。3連単は1万7140円と堅い決着。

両極端な結果になりました。

 

ただ、勝った2頭に共通して言える事は「その年に重賞を制覇した馬」である事。

シングウィズジョイはフローラステークス(G2)を、マジックタイムはダービー卿チャレンジトロフィー(G3)を制しています。

となると、今年のメンバーで該当する馬はただ1頭です。

 

ラビットラン(牝3 栗東・角居厩舎 55㎏ C・デムーロ騎手騎乗)

 

ローズステークスを制したラビットラン。続く秋華賞でも見せ場十分の4着と好走。その後はエリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップに出走しなかった辺り、ここに目標を絞ったのではないでしょうか。

 

芝1600mは今年7月の中京での500万下で経験済み。それまでダートでしか走っていなかったラビットランですが、芝に転向した初戦で最後方から上がり3ハロン33.0秒の瞬発力を見せ快勝。続くローズステークスも直線一気に追い込んで快勝。

 

不安点を挙げるとすれば、後方からの競馬で結果を残したので、スローペースになった時の対応力。そして、初めての中山芝1600mに対応できるかといった点が気になります。

 

リエノテソーロ(牝3 美浦・武井厩舎 55㎏ 吉田隼騎手騎乗)

 

昨年の全日本2歳優駿を制したリエノテソーロ。しかし、NHKマイルカップ2着後は結果が出ていないのが現状です。ユニコーンステークス7着、統一重賞のオーバルスプリント5着、前走の信越ステークス7着。2歳時には4戦4勝とパーフェクトな成績を挙げた馬なので、「早熟型のスプリンター」の印象を持つ方もいると思います。

 

しかし、血統的に見ますと、父のスパイツタウンは6歳でブリーダーズカップ・スプリント(ダート約1200m)を制覇。母の父のラングフールは父としてアポロケンタッキー(東京大賞典)を出すなど晩成型の血統です。

 

今回のレースで例え凡走しても、これから多くなるダートの短距離オープン戦等では走る可能性がありますので、見限るのは早計だと思います。

 

デンコウアンジュ(牝4 栗東・荒川厩舎 55㎏ 蛯名騎手騎乗)

 

今年はヴィクトリアマイル(G1)で2着に入るなどの活躍。しかし、基本的に左回りのコースが得意な馬。中山競馬場で走るのも初めてである事。父のメイショウサムソン、母の父のマリエンバードはパワーが必要なこの時期の中山の芝に適合していますが、果たしてデンコウアンジュは久々の勝利を挙げる事ができるのでしょうか。

 

他の馬にも十分逆転の可能性があります。特に過去2年の勝ち馬は前走G1レースに出走していたデータを見ると、エリザベス女王杯に出走したエテルナミノル(牝4 栗東・本田厩舎 54㎏ 和田騎手騎乗)の巻き返しも十分あります。また、一昨年はキャピタルステークスで大敗した馬が2着、3着となった結果を見ると、キャピタルステークス17着のオートクレール(牝6 美浦・中野厩舎 53㎏ 黛騎手)にも注意が必要です。

 

ワンブレスアウェイ(牝4 美浦・古賀慎厩舎 54㎏ 戸崎騎手騎乗)は血統面で注目です。母のストレイキャットには重賞レースを制した産駒が3頭います。ここでワンブレスアウェイが勝つと、グレード制(G1,G2,G3)が導入した1984年以降では初となる、4姉妹での重賞制覇が掛かっています。

 

前走の府中牝馬ステークスでは10着と敗れていますが、それまでは8戦連続2着以内をキープ。乗り慣れた戸崎騎手が騎乗する事もあって、巻き返しも十分あります。

 

その他では、国枝厩舎所属の2頭。フロンテアクイーン(牝4 53㎏ 北村宏騎手騎乗)は重賞レースで2度2着がある実績馬。もう1頭のディープジュエリー(牝5 51㎏ 内田騎手騎乗)は51㎏のハンデに注意が必要です。3歳馬では2戦目のチューリップ賞で2着に入り、リスグラシュー(3着)に先着したミスパンテール(牝3 栗東・昆厩舎 53㎏)にも注目です。

 

 

日曜中山11R ディセンバーステークス 3歳以上オープン 別定戦(芝1800m)12頭立て 発走15:20

 

このレースの注目馬はグレーターロンドン(牡5 美浦・大竹厩舎 57㎏ 田辺騎手)。

 

安田記念4着、毎日王冠3着の実績を持っている馬です。ハンデも57㎏と恵まれました。ここは絶対に勝たなければならないレースです。

 

興味はむしろ、2、3着馬候補。アンドロメダステークス2着のストロングタイタン(牡4 栗東・池江厩舎 56㎏ M・デムーロ騎手騎乗)。オクトーバーステークスと続けて2着。重賞では苦戦していますが、オープンレースなら通用できる事は着順で証明されています。

 

マイネルハニー(牡4 美浦・栗田博憲厩舎 56㎏ 柴田大騎手騎乗)はカシオペアステークス5着、キャピタルステークス6着と惜敗続きです。が、芝1800mは昨年のチャレンジカップ(G3)を制し、スプリングステークスでも2着と好走する等、得意な距離ですので注意が必要です。

 

その他では、長期休養明け3戦目で変わり目が期待されるウインフルブルーム(牡6 栗東・宮本厩舎 57㎏ 松岡騎手騎乗)、中山芝1800mとの相性がいいゲッカコウ(牝4 美浦・高橋博厩舎 54㎏ 戸崎騎手騎乗)。また、一昨年のホープフルステークスの勝ち馬で1年10か月ぶりに出走するハートレー(セン4 美浦・手塚厩舎 56㎏ ボウマン騎手騎乗)の走りにも注目です。

 

 

日曜阪神11R 第69回 朝日杯フューチュリティステークス(G1)2歳牡・牝(芝1600m)16頭立て 発走15:40

 

先週の阪神ジュベナイルフィリーズは1番人気のロックディスタウンは9着に敗れました。しかし、今年の2歳重賞レースは、11レース中、1番人気馬が4勝、2着2回【勝率36.4%、連対率(2着まで入った確率)54.5%】の成績を残しています。

 

そして、朝日杯フューチュリティステークスが現在の阪神競馬場で行われた過去3年、1番人気の成績は1着と2着がそれぞれ1回ずつ(昨年は4着)。一方で、11番人気以下の馬が毎年3着以内に入っています。

 

今年は関東、関西から強豪馬が参戦。果たして、1番人気になった馬の結果は?そして、2桁人気の馬の台頭はあるのでしょうか?

 

タワーオブロンドン(牡2 美浦・藤沢和厩舎 55㎏ ルメール騎手騎乗)

 

京王杯2歳ステークスを制したタワーオブロンドンを始め、今年の藤澤和雄調教師が管理している2歳馬は出走した15頭のうち8頭が勝ち上がり、2歳戦の勝利数も1位タイです。

 

8頭のうち、最も勝ち星をあげているのがタワーオブロンドンの3勝。関西の遠征もききょうステークスで経験済み。1600mのレースを走った事はありませんが、札幌で1500mを経験しているので、100mの距離延長もこなしてくれるはずです。

 

藤澤厩舎は昨年のサトノアレスに続いての連覇が期待されます。

 

ダノンプレミアム(牡2 栗東・中内田厩舎 55㎏ 川田騎手騎乗)

 

今年の2歳戦で注目点の1つに、中内田充正調教師が管理する馬が2歳重賞レースを3勝した事に注目が集まります。ファンタジーステークスを制したベルーガは骨折により阪神ジュベナイルフィリーズには出走できませんでしたが、朝日杯には2頭の重賞馬を送り出し、打倒タワーオブロンドンに臨みます。

 

筆頭格はサウジアラビアロイヤルカップを制したダノンプレミアム。6月の阪神芝1800mのデビュー戦を2着に4馬身差を付ける圧勝。サウジアラビアロイヤルカップでは東京芝1600mの2歳レコードタイムとなる1分33秒0をマーク。2戦2勝で朝日杯に挑みます。

 

ディープインパクト産駒の強豪馬がホープフルステークス(12月28日 中山芝2000m)へ進む中、敢えて朝日杯を選択。過去3年で2勝のディープインパクト産駒に注目です。 

 

フロンティア(牡2 栗東・中内田厩舎 55㎏ 岩田騎手騎乗)

 

中内田調教師が放つもう一本の矢は新潟2歳ステークスを制したフロンティア。デイリー杯2歳ステークスで4着に敗退した事で人気が落ちると思います。しかし、レース中に故障した馬が下がった際に、一番の不利を受けたのは隣の枠にいたフロンティアでした。その為、最後の直線の伸びも欠いてしまいました。

 

血統的に見ますと、父のダイワメジャーは1600mがベストの種牡馬。半兄には神戸新聞杯を制し、ジャパンカップ、皐月賞等のG1レースで2着のドリームパスポート。さらに母親の一族にはステイゴールドサッカーボーイをはじめとする数多くの活躍馬を出しています。

 

デビュー戦、新潟2歳ステークスで見せた鋭い切れ味。前走の結果だけで見限るのにはまだ早いと思います。

 

ステルヴィオ(牡2 美浦・木村厩舎 55㎏ C・デムーロ騎手騎乗)

ダノンスマッシュ(牡2 栗東・安田厩舎 55㎏ 福永騎手騎乗)

 

2017年の2歳戦は、オルフェーヴルロードカナロアノヴェリストを始めとした競走馬時代に優秀な成績を挙げた馬の子供がデビューしたことを外しては語れません。特に、オルフェーヴルロードカナロアに注目が集まりました。

 

先週の阪神ジュベナイルフィリーズはオルフェーヴル産駒のラッキーライラックが優勝。しかし、オルフェーヴル産駒の戦績は74頭出走し7頭(約9.5%)しか勝っていません。一方、ロードカナロア産駒の戦績は76頭出走し27頭(約35.5%)勝っています。その為、2歳のJRAリーディングサイヤーではディープインパクトに続いて2位がロードカナロア。今年デビューした種牡馬では断トツの1位です。(数字は12月11日現在)

 

そのロードカナロア産駒から2頭出走します。サウジアラビアロイヤルカップ2着のステルヴィオともみじステークスを制したダノンスマッシュです。

 

サウジアラビアロイヤルカップのステルヴィオ。道中はほぼ最後方に近い所でのレース。スタート後のスピードが乗れず、競馬をしたのは直線だけ。開幕週の馬場では直線一気の差しは決まらない馬場を考えると、負けて強しのレース内容でした。

 

一方のダノンスマッシュ。もみじステークスでは好スタートを決めましたが、離れた3番手に下げての競馬。直線では楽々と抜け出しての圧勝。レースセンスの高さを感じました。

血統面で注目したいのは母の兄には米国G1ブリーダーズカップ・マイル(ダート約1600m)のウォーチャントがいる事。祖母のハリウッドワイルドキャットはブリーダーズカップ・ディスタフなど米国G1レース2勝を挙げている超良血です。

 

短距離に強い安田厩舎。朝日杯を3勝している福永騎手が騎乗。ロードカナロア産駒初めての重賞がG1レースになるかも知れません。

 

カシアス(牡2 栗東・清水久厩舎 55㎏ 浜中騎手騎乗)

 

2歳重賞は中内田厩舎の馬が3勝挙げていますが、JRAの2歳戦の調教師別勝利数を見ますと、キタサンブラックでお馴染みの清水久詞調教師と藤澤和雄調教師の12勝がトップです。

 

また、馬主別で見ますと、カナヤマ・ホールディングスが所有する馬の活躍も目立ちます。今年のカナヤマ・ホールディングスが馬主の馬は20勝挙げていますが、半分の10勝は2歳戦で挙げています。重賞レースもカシアスの函館2歳ステークスとグレイルの京都2歳ステークスと2勝しています(数字は12月11日現在)

 

2歳戦調教師部門1位の清水久詞厩舎と今年2歳戦で活躍したカナヤマ・ホールディングスが送り出すのが函館2歳ステークスを制したカシアスです。前走の京王杯2歳ステークス。3番手でレースを進めましたが、最後はタワーオブロンドンに交わされて2着。それでも上がり3ハロンのタイムが33.8秒はメンバー中4番目に速いタイムでした。

 

函館2歳ステークス優勝、父がキンシャサノキセキという事で1600mに伸びてどうか?の不安があります。レースを走ってみないと分からないものですが、カシアスの母方の血統を見ると1600mまでであれば持つと思います。母方の曾祖母のピュアグレインはアイルランドオークス、ヨークシャーオークスと中距離で活躍。母の父ディラントーマスも凱旋門賞を始め、欧州の芝2400m前後のG1レースで6勝を挙げていますので、距離に関しては大丈夫だと思います。

 

また、清水久厩舎からは万両賞を勝ったヒシコスマー(牡2 55㎏ 松山騎手騎乗)も出走。一方の藤澤和厩舎からはファストアプローチ(牡2 55㎏ シュミノ―騎手騎乗)も出走します。

 

その他では小倉2歳ステークスを制したアサクサゲンキ(牡2 栗東・音無厩舎 55㎏ 武豊騎手騎乗)が参戦。姉にはターコイズステークスの最有力馬ラビットランがいますので、週末の重賞をこの姉弟で席巻する可能性もあります。

 

また、朝日杯を2勝している手塚厩舎からはムスコローソ(牡2 55㎏ 池添騎手騎乗)が出走。タワーオブロンドンに唯一土を付けたダブルシャープ(牡2 栗東・渡辺厩舎 55㎏ 和田騎手騎乗)はホッカイドウ競馬から中央競馬に転厩して出走します。

 

果たして、タワーオブロンドンダノンプレミアムが強さを見せるのか?

それとも、ロードカナロア産駒の2頭が父に初重賞をプレゼントするのか?

他にも虎視眈々と狙う馬もいて、ホープフルステークスに負けないメンバー構成となった朝日杯フューチュリティステークス。

発走は日曜日の15:40です。

 

 

(おかのひろのぶ)

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