【重賞回顧】デイリー杯クイーンカップ(G3)

桜の舞台開幕まで残り55日。桜花賞、そしてその先まで展望できる出世レース・クイーンC

 

昨年はこのレースを4着に敗れたレーヌミノルが桜の大輪を咲かせ、2着アエロリットが春の3歳ベストマイラーに輝きました。その前年の勝ち馬メジャーエンブレムも同じくNHKマイルCを鮮やかに勝ちました。ミッキークイーンリトルアマポーラ……活躍馬を挙げればキリがありません。クイーンCは若き乙女たちの出世レースなのです。

 

また、総合力が問われる東京マイル戦は現時点の実力を如実に現します。桜花賞を展望する上でも見逃せないレースです。

 

今年は暮れの阪神JFで3着だったマウレアが参戦して注目を集めました。ポイントは、全姉が13年桜花賞馬アユサンという文句なしの血統背景だけではありません。東京マイルの赤松賞も勝っており、世代トップランクの実績をあげています。GⅠで3着に敗戦していることもあり、今後のためにも賞金の上積みをしておきたいところです。

 

続いて、牡馬相手のシンザン記念では牝馬アーモンドアイに敗れましたが、他の牡馬には先着していたツヅミモン。彼女の母・カタマチボタンは07年クイーンC2着、桜花賞3着。ツヅミモンがこのレースを走るのは必然であるかのようです。

 

そして、東京マイルで好時計勝ち(1分33秒9)を演じ、前走フェアリーSでは1番人気に支持されながらも中山マイルの大外枠で折り合いを欠いたテトラドラクマ、名門堀厩舎が送る無敗馬オハナ、フェアリーS3着のレッドベルローズなど、好メンバーが集結しました。

 

出走権利が明確なトライアルレースとは異なり、いかに2月時点で賞金加算ができるか、各陣営狙いは同じでしょう。牝馬クラシックもまた過酷な勝ち残り戦なのです。

 

 

先手をとるテトラドラクマ、人気馬たちは虎視眈々と好位に

 

スタートでブエナビスタの娘ソシアルクラブマルターズルーメンが出負け。

 

好スタートを決めたのは田辺裕信騎手に乗り替わったテトラドラクマとC.ルメール騎手騎乗のアルーシャでした。フェアリーSで出遅れを挽回そうとして折り合いを欠いたテトラドラクマは、無理に抑えようとせずにハナに立とうとします。外からアルーシャが絡み、楽には行かせまいとルメール騎手も引きません。インのテトラドラクマも突っ張って引きません。

 

2頭の後ろ、外にはツヅミモン、シンザン記念同様に強気な競馬で前を射程圏内に入れながら進みます。そのインにはマウレアが。こちらは阪神JFよりも前で競馬を進めます。戸崎騎手らしく無理に下げずに馬に任せています。中団の外にオハナ、インにステファノスの全妹フィニフティが続き、出遅れたソシアルクラブは後方2番手に構えました。

 

先頭2番手の2頭が譲らない流れは、11秒台前半のラップタイムを刻む厳しいものに。前半800M46秒0、1000M通過は57秒8と、3歳春の牝馬には過酷なものでした。

 

4コーナーまでインを守ったテトラドラクマがコーナーワークを利して先頭に立ちます。食い下がるアルーシャ、その外にツヅミモンマウレアは手応えがやや怪しい。坂下から一気に突き放しにかかるテトラドラクマが抜け出します。ツヅミモンマウレアは苦しくなり、アルーシャテトラドラクマから離されます。

 

かわって中団から外に出したフィニフティが川田将雅騎手のアクションに応えて伸びて、2番手からテトラドラクマを追います。馬群から抜け出すのに手間取ったオハナも前との差を詰めにいきます。しかし、テトラドラクマを追い詰める馬はいませんでした。

 

圧巻の押し切り勝ちです。勝ちタイム1分33秒7(良)。2着にフィニフティ、3着はアルーシャオハナの追撃をクビ差凌ぎました。以下、オハナマウレアと続いています。 

 

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全着順 

デイリー杯クイーンカップ(G3)3歳オープン・牝馬(芝1600m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
テトラドラクマ
牝3
田辺
 1:33.7
2
フィニフティ
牝3
川田
3/4
3
アルーシャ
牝3
ルメール
1.3/4
4
オハナ
牝3
石橋脩
クビ
5
マウレア
牝3
戸崎圭
1/2
6
ハトホル
牝3
吉田隼
クビ
7
ソシアルクラブ
牝3
岩田
クビ
8
モデレイト
牝3
武豊
アタマ
9
ロフティフレーズ
牝3
内田博
ハナ
10
レッドベルローズ
牝3
福永
1/2
11
ライレローズ
牝3
北村宏
クビ
12
ツヅミモン
牝3
Mデムーロ
アタマ
13
キャッチミーアップ
牝3
柴田大
1/2
14
アトムアストレア
牝3
横山典
1/2
15
ナラトゥリス
牝3
菱田
5
16
マルターズルーメン
牝3
柴田善
7

 

 

1~3着馬コメント

1着・3番人気 テトラドラクマ

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外からアルーシャに絡まれながらの先行策でしたが、4角から直線入り口で突き放します。ロゴタイプの安田記念が重なるような、田辺裕信騎手の好騎乗でした。しかしながらラップタイムを考えれば、押し切り勝ちは底力の証。前半飛ばしたので、全体時計はやや遅いですが、内容的には将来が展望できるものでした。父ルーラーシップの大物出現かもしれません。

 

2着・5番人気 フィニフティ

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全兄ステファノスに似たしっかりした末脚を披露しました。やや流れに恵まれた面はありますが、新馬勝ちから休み明けという臨戦過程で2着と賞金を確保したのは大きいです。本番へ向けてゆったりとローテーションが組めます。キャリアを考えれば、まだまだ上積みは大きいです。

 

3着・7番人気 アルーシャ

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インのテトラドラクマをマークした分、その外を走らされました。こちらもペースと位置を考えれば、好内容といっていいでしょう。飲み込まれてもおかしくない展開で3着確保は驚かされます。こちらもキャリア2戦目。順調なら上積み十分です。

 

 

総評

 

好スタートから先手を取りに行った2頭が作ったペースは予想以上に厳しいものでした。流れに反して差し馬勢が及ばなかったのは前に位置した馬たちのレベルの高さでしょう。勝ったテトラドラクマ田辺裕信騎手は、ロゴタイプモーリスを封じた安田記念を彷彿させる騎乗でした。滅多に逃げ戦法を取らない印象の騎手ですが、逃げた時の巧みさは唸らされます。このレースも1000M通過は57秒8ですが、3、4角で僅かながらペースを落としています。後ろの馬が動きにくい地点でペースを調整するあたりは見事です。

 

ルーラーシップ、母は短距離で活躍したリビングプルーフ、その母父ファルブラヴファルブラヴと言えば、代表産駒にワンカラットアイムユアーズなど3歳春に活躍した牝馬が並びます。テトラドラクマファルブラヴの血が色濃く反映されているのかもしれません。

 

今年のクイーンCも、桜花賞だけはでなくその先まで展望できそうな、内容の濃いレースでした。

 

 

(勝木淳)

(写真:かぼす)

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