【レース回顧】若葉ステークス(OP)

きらめく若葉のごとく伸び盛りの3歳馬たち。集うは皐月賞トライアルのオープン特別・若葉ステークス

 

東京でも桜の開花が発表され、いよいよ春の足音が近づいてきました。

 

競馬ファンとしては、桜花賞の舞台・阪神競馬場にある桜の開花状況が気になる時期ですね。そんな阪神競馬場で行われたのが、皐月賞トライアル第2戦である若葉ステークスです。2着までに皐月賞への優先出走権が与えられます。

 

今年の注目は、何と言っても昨年末のホープフルステークス勝者であるタイムフライヤーでしょう。

 

GⅠ馬であるタイムフライヤーが、重賞ではなくあえてオープン特別から始動するということで、自然と圧勝への期待も高まります。そんなファンの想いは、1.2倍の圧倒的1番人気へとタイムフライヤーを押し上げました。

 

無敗で皐月賞制覇に挑むダノンプレミアムと2歳王者同士の直接対決を果たすためにも、ここは勝って、堂々と本番の大舞台へと進みたいところです。

 

2番人気に推されたダノンフォーチュンは、新馬戦でエピファネイア、リオンディーズの妹である良血馬シーリアに3馬身半差をつけ快勝。続くシクラメン賞も2着に入っていますが、その時の勝ち馬であるオブセッションが弥生賞で7着に敗れているのが気になります。しかし、血統表に目を移せば「父ディープインパクト×母父ストームキャット」の人気配合です。この配合からは、キズナラキシスサトノアラジンリアルスティールといった活躍馬が輩出されています。

 

ホッカイドウ競馬から中央に転厩し、今回が中央馬として3戦目となるダブルシャープからも目が離せません。昨年8月に札幌で行われたクローバー賞では地方馬として出走し、JRA勢を破って見事優勝。地方馬の勝利は2008年モエレエキスパート以来9年ぶりのことでした。中央転厩後は朝日杯FS(9着)、京成杯(7着)と着順を落としていますが、このクラスであれば上位も十分狙えるはずです。

 

その他にも、名牝ウオッカの仔で今まで掲示板を外していないタニノフランケル、出世レースの黄菊賞を制したジュンヴァルロ、三冠馬オルフェーヴルの初年度産駒であるビービーデフィ、過去2勝とも逃げ切り勝ちを決めているアイトーンなど、各馬が皐月賞への切符を狙います。

 

桜の開花前に繰り広げられる、芽吹いた若葉たちの熱き戦いの結末は、果たして?

 

 

「何が何でもハナを切る」アイトーンの理想的な逃げ

 

大外枠12番のタイムフライヤーがゲートに入って態勢が整い、スタートが切られます。好スタートはロードアクシスでしたが、今まで逃げ切りで2勝を上げているアイトーンが出鞭を入れて先頭へ。「何が何でもハナを切るんだ」といった国分恭介騎手の気迫を感じます。

 

後続は、タニノフランケルがいつでも先頭を狙える射程圏内の2番手に。さらに1馬身差でビービーデフィがやや外めを追走しています。次いでロードアクシスシエラネバダジュンヴァルロ、そして中団の内側にダブルシャープ。その外にはダノンフォーチュンが続きます。タイムフライヤーは中団後方、後ろから2番手の位置につけました。

 

アイトーンの軽快な逃げでレースは淀みなく流れ、馬群は最終コーナーへ。ここでタイムフライヤーが大外へ回り、後方一気の末脚勝負に出ます。徐々に加速し、勢いよく駆け抜けていくタイムフライヤー。しかし、前を行くアイトーンタニノフランケルダブルシャープロードアクシスには届きそうにありません。

 

その前を行く4頭に目を向けると、逃げるアイトーンタニノフランケルが並びかけます。そのままタニノフランケルが抜け出すかと思われましたが、残り200mを過ぎたあたりで再びアイトーンが力強く引き離します。

 

伸びきれなかったタニノフランケルダブルシャープロードアクシスが襲いかかり、タニノフランケルは4番手に。ダブルシャープも最後までアイトーンを追い詰めようとしましたが、1.1/4馬身差の2着、一緒に上がってきた人気薄のロードアクシスが3着。圧倒的1番人気のタイムフライヤーは5着という結果でした。

 

今年の若葉ステークスは、アイトーンの見事な逃走劇で幕を下ろしました。

 

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全着順 

若葉ステークス 3歳オープン(芝2000m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
アイトーン
牡3
国分恭介
 2:00.0
2
○地ダブルシャープ
牡3
和田竜二
1.1/4
3
ロードアクシス
牡3
酒井学
1/2
4
○外タニノフランケル
牡3
幸英明
アタマ
5
タイムフライヤー
牡3
C.ルメール
1
6
メイショウテッコン
牡3
古川吉洋
3
7
ジュンヴァルロ
牡3
D.バルジュー
1/2
8
ダノンフォーチュン
牡3
浜中俊
3/4
9
クリノカポネ
牡3
佐藤友則
5
10
シエラネバダ
牡3
松山弘平
1
11
ビービーデフィ
牡3
藤岡佑介
2
12
テイエムリボー
牡3
四位洋文
大差

 

 

1~3着馬コメント 

1着アイトーン(8番人気)

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惚れ惚れするようなラップを刻み、お手本のような逃げ切り勝ちを決めました。

 

これで福寿草特別(500万下)から2連勝となり、皐月賞への優先出走権を獲得。スタートが遅めなのですが、自身が逃げられる展開になるとしぶとい強さを発揮してくれる馬です。国分恭介騎手の手腕も光っていました。皐月賞本番では何としてでもハナを切りたいところでしょう。

 

2着ダブルシャープ(3番人気)

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2着に入り、皐月賞への切符を手にしました。スタートは出遅れましたが、インコースでロスなく競馬を運べたのが大きかったです。ホッカイドウ競馬出身の皐月賞馬といえば1989年のドクタースパート。果たして、ダブルシャープドクタースパート以来の『ホッカイドウ競馬出身の皐月賞馬』となることが出来るでしょうか。

 

3着ロードアクシス(11番人気)

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12頭中11番人気といった人気薄でしたが、好スタートを切るとそのまま好位につけ、最後もよく伸びていました。前走ホープフルS(9着)からの若葉Sは、タイムフライヤーと同じローテーション。GⅠ馬タイムフライヤーに先着したことで、その成長ぶりを見せ付けてくれました。賞金が届かず皐月賞への出走は難しいですが、今後が楽しみな1頭です。

 

総評

 

GⅠ馬タイムフライヤーが敗れ、波乱の結果となりました。賞金順で皐月賞に出走出来るものの、ここでタイムフライヤーが敗れたことにより、ダノンプレミアムの一強ムードがさらに高まりました。しかしそれを逆手に取り、プレッシャーに押し潰されることなく、タイムフライヤーの力が発揮されるかもしれません。

 

アイトーンの逃げは、見ていて美しさすら感じました。絵に描いたような逃げ戦法がきっちりとハマり、鞍上も陣営もしてやったりといった所でしょうか。重賞クラスでも十分にやっていける能力のある馬だと思います。

 

そして、ホッカイドウ競馬出身のダブルシャープ。優先出走権を獲得したことで、ますます人気に火が付きそうですね。地方競馬の星として、生粋の中央勢に一矢報いることが出来るでしょうか。

 

勝ったアイトーンの逃げについていったタニノフランケルは、直線伸び切れず4着。しかし、ウオッカの仔がクラシックの舞台に立てるのでは、と一瞬でも夢を見せてくれました。皐月賞出走は叶いませんでしたが、母の勝利した次の大舞台で、その姿を見ることが出来たらと思います。

 

 

(笠原小百合)

(写真:ゆーすけ)

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