【大阪杯展望】豪華メンバーが揃った大阪杯。復権なるか?サトノダイヤモンド、悲願のG1取りか?スワーヴリチャード、三浦皇成も悲願のJRAG1レース制覇か?注目馬10頭を紹介

 

1枠1番 ミッキースワロー(牡4 美浦・菊沢厩舎 57㎏ 横山典騎手騎乗)

 

ミッキースワローの長所と言えば、上がり3ハロン(最後の600m)のタイムです。

特に皐月賞馬アルアインを破ったセントライト記念では33.4秒を披露しました。

それも、レースでの200mごとのラップが11.7秒 - 11.3秒 - 11.0秒と最後の200mが最も速い中での勝利です(通常は残り400m-200mのタイムが速い)。

さらに、直線に急坂のある中山競馬場の芝コースで披露したものです。

 

前走のAJCCの2着は、スローペースで流れた割には縦長の展開になってしまった事で、悲観する内容ではありません。

 

50歳を迎えた横山典弘騎手。先週は武豊騎手、岡部幸雄元騎手に次ぐ通算2700勝を達成しました。

50代でG1レースを制したのは岡部氏、安藤勝己元騎手の2人のみです。

果たして、3人目の50代でG1レース制覇の偉業を達成するのでしょうか?

 

 

1枠2番 サトノダイヤモンド(牡5 栗東・池江厩舎 57㎏ 戸崎騎手騎手騎乗)

 

金鯱賞のレース前、サトノダイヤモンドのファンは期待と不安があったと思います。

有馬記念でキタサンブラックを差し切った豪脚を期待する思いと、フランス遠征で惨敗、調整過程が上手く進めなかったという報道を耳にしての不安。

 

しかし、サトノダイヤモンド自身がファンの不安を消し、次への希望を持たせる走りを見せました。

結果は3着でしたが、残り200mの地点から見せた豪脚には、キタサンブラックを破った時のことが思い起こされました。

 

阪神芝2000mは2歳時に走ったコース。その時は上がり3ハロンを33.9秒で駆け抜けました。

 

ルメール騎手のピンチヒッターの戸崎騎手。リーディングジョッキーで苦戦を強いられていますが、ここで結果を出し、意地を見せて欲しいものです。

 

 

2枠4番 シュヴァルグラン(牡6 栗東・友道厩舎 57㎏ 三浦騎手騎乗)

 

昨年のジャパンカップでキタサンブラックレイデオロを下し悲願のG1ホースになったシュヴァルグランの2018年は、大阪杯から始動します。

 

芝2000mのレースに出走するのは2015年8月30日の札幌競馬以来です。この時は2着に敗れ、勝ったのは後にステイヤーズステークス3連覇を達成したアルバートでした。

 

今回は芝2000mへの対応が大きなポイントとなります。

芝2200mで行われている宝塚記念には2回出走していますが、17頭立ての9着、11頭立ての8着と大敗しています。

 

ただ、宝塚記念が得意とする3200mの天皇賞・春の後である事、開催時期が6月の梅雨時で考えると、気にする必要はないと思います。

むしろ、スタートの出方が上手くなった今であれば、克服できる可能性もあります。

 

ピンチヒッターの三浦騎手は今年のG1レースでは好調です。フェブラリーステークス、高松宮記念で共に3着、特に先週の高松宮記念では波乱を起こしました。

 「ポスト武豊」から様々な試練が襲い、一昨年は騎手生命が危機になる位の大怪我。

献身に支えた妻のほしのあきさんに自身初のJRAG1レース制覇という恩返しができる最大のチャンスです。

 

 

3枠5番 ペルシアンナイト(牡4 栗東・池江厩舎 57㎏ 福永騎手騎乗)

 

池江厩舎は今回4頭の馬を大阪杯に送り出します。

サトノダイヤモンドアルアインといった馬に隠れていますが、ペルシアンナイトも昨年のマイルチャンピオンシップを制したG1ホースです。

 

1600mのG1レースを制したので、2000mは苦しいのでは?という意見もあると思います。

しかし、この馬は昨年の皐月賞(2000m)で勝ったアルアインと同タイムの1分57秒8で走りました。

 

血統的に見れば、父のハービンジャーはキングジョージ(芝2400m)を制した馬です。

子供もエリザベス女王杯(芝2200m)を制したモズカッチャン、秋華賞(芝2000m)を制したディアドラがいます。

母親の血統から見ても、ダートの種牡馬で活躍のゴールドアリュールが叔父にいます。

1600mもこなすしますが、ベストは2000m前後の血統構成です。

 

前走の中山記念はスローペースの中で後方から9番手の競馬、更に開幕週でインコースが有利の中で大外から回ったため5着と敗れましたが、参考外のレースと言ってもいいでしょう。

 

 

3枠6番 スマートレイアー(牝8 栗東・大久保龍厩舎 55㎏ 四位騎手騎乗)

 

昨年の冬、「スマートレイアー 香港カップで引退」のニュースが入ると、「母親になるのか、お疲れ様」と思ったファンも多かったはずです。

それが、大阪杯の最終登録に「スマートレイアー」の名前があると、「え?」という驚きもあったはずです。

 

「サラブレッドの1年は人間で言えば4~5年に該当する」と言われています。

つまり、ミッキースワローペルシアンナイトが高校3年生とすれば、唯一の牝馬のスマートレイヤーは30代後半のお姉さんに当たります。

当然、若い馬が有利になると思うでしょう。

 

しかし、昨年の10月に行われた京都大賞典(G2 芝2400m)ではシュヴァルグラン(3着)を破っています。

エリザベス女王杯は武豊騎手のケガでピンチヒッターとなった川田騎手が騎乗し5着と健闘。

香港カップでも5着と健闘しています。

 

すっかり白くなった馬体に黒い覆面。「8歳の牝馬だから」と舐めてかかったら、直線で白い馬体が躍動するかも知れません。

 

 

4枠7番 ゴールドアクター(牡7 美浦・中川厩舎 57㎏ 吉田隼人騎手騎乗)

 

ゴールドアクターのファンにとって喜ばしいことは、今回は吉田隼人騎手とのゴールデンコンビが復活する事でしょう。

 

天皇賞・春は7着、宝塚記念では2着に終わったゴールドアクター

しかし、昨年の秋は体調が上がらないまま再度放牧に出されるなど、馬の調子が上がらず、有馬記念を回避しました。

やっとの事で出走したAJCCは武豊騎手とのコンビで出走。しかし11頭中11着の最下位に終わりました。

 

ゴールドアクターの父スクリーンヒーローロベルトという種牡馬の子孫にあたります。ロベルトを祖先に持つ馬はナリタブライアンシルクジャスティスがいます。ロベルトの子孫は強い時は強いレースを見せる一方、一度スランプに陥ると、スランプ脱出に時間が掛かります。

 

ゴールドアクターがゴールデンコンビで復活するのか?

それとも、ロベルトの血をもつ馬の宿命で敗れるのか?

ある意味、「背水の陣」で大阪杯に挑みます。

 

 

4枠8番 アルアイン(牡4 栗東・池江厩舎 57㎏ 川田騎手騎乗)

 

ディープインパクトの子供はスラっとした馬体の馬が多く、そのような馬体の馬が活躍する傾向があります。

しかし、アルアインは筋肉量の豊富な馬体で、体重も520㎏台と大柄な馬です。

なぜ、アルアインは筋肉量が豊富な馬になったのでしょうか?

 

アルアインの母、ドバイマジェスティはアメリカのG1レース「ブリーダーズカップ・フィリー&メアスプリント」(ダート約1400m)を勝った馬です。

アメリカの競馬の特徴は、スピードと粘り強さが求められます。

よって、活躍した馬の多くは筋肉が隆々としたマッチョなタイプの馬です。

 

アルアインの様な筋肉量が豊富な馬は瞬発力よりもスピードの持続力をセールスポイントにしているタイプが多いものです。

皐月賞を勝った時は前半1000mが59.0秒というハイペースでスピードの持続性が求められました。

一方で、ミッキースワローに敗れたセントライト記念では前半1000mが61.8秒とスローペースで流れ、瞬発力勝負が求められるレースとなりました。

 

ベストの2000mで戦える舞台。ヤマカツライデンという逃げ馬がいるのでペースは遅くはならないと思います。

1年振りの勝利が2つ目のG1レースの期待もできます。

 

 

5枠9番 トリオンフ(セン4 栗東・須貝厩舎 57㎏ 田辺騎手騎乗)

 

3歳の春に去勢手術を施したトリオンフ

8月の小倉競馬の500万下からは4勝2着2回、3着以下なしの安定した結果を残しています。

 

1000万下、1600万下とクラスが上がると、2着馬との差が縮まるものですが、トリオンフは3連勝を飾っている近3走はすべて完勝と言える内容でした。

 

トリオンフの母親であるメジロトンキニーズの血統を辿っていくと、アサマユリという牝馬に辿り着きます。

アサマユリからはメジロマックイーンなど多くの名馬が輩出されました。

しかし、現在ではショウナンカンプが僅かにアサマユリの血を受け継いでいます。

 

アサマユリは閉場した名門・メジロ牧場の基礎を作った牝馬です。

トリオンフはセン馬なので、後継の馬を作る事はできませんが、淘汰が激しくなった牝馬の系統に未だに残るアサマユリの底力をレースで発揮して欲しいものです。

 

 

6枠11番 ウインブライト(牡4 美浦・畠山吉厩舎 57㎏ 松岡騎手騎乗)

 

中山記念を制したウインブライト

今回が初めての関西遠征となります。

 

既に重賞レースを制したウインブライトは菊花賞に進んでもおかしくはない馬でした。

ところが、秋初戦に選んだのは毎日王冠でした。

10着と大敗はしましたが、リアルスティールをはじめとする強豪相手に0.6秒差と善戦しました。

その後は福島記念1着、中山金杯2着、中山記念1着と中距離で安定した戦績を残しています。

 

菊花賞を断念したのは、畠山調教師が夏場を完全に休養に充てた事です。

皐月賞、日本ダービー、菊花賞といったクラシックレースは世代の頂点を決めるレースである一方で、レース後のダメージも大きく残るレースです。

特に、ダービーから菊花賞の間には日本独特の湿った夏があります。

ここでトレーニングを施しても、体調を崩す馬もいます。

 

畠山調教師の決断が吉に出たのか、ウインブライトは安定した成績を収めています。

それでも、まだ成長過程のウインブライト。

完成された時、どれ位の馬になるのか、楽しみである一方、初めての関西遠征をどう克服するかの課題もあります。

 

 

8枠15番 スワ―ヴリチャード(牡4 栗東・庄野厩舎 57㎏ デムーロ騎手騎乗)

 

ステップレースの中で最も重要視されると思われる金鯱賞を制したスワ―ヴリチャード

しかし、大阪杯のレース前から盛んに言われているのは「スワ―ヴリチャードは右回りが苦手ではないか」ということ。

 

確かに、東京、中京、新潟の左回りでは5戦3勝、2着2回のパーフェクトな戦績を収める一方で、阪神、中山をはじめとする右回りでは4戦1勝2着1回。

G1レースでは皐月賞6着、有馬記念4着と振るいません。

ですが、皐月賞は1枠2番という皐月賞では不利な枠を引いて、四位騎手が外へ出すのに手間取っていた事と内側が有利な馬場であった事が敗因だと思います。

有馬記念の4着はキタサンブラックのスローペースな逃げに馬が戸惑った事が敗因ではないでしょうか。

 

右回りで2着以内に入ったのは共に今回と同じ阪神芝2000mです。

前走の金鯱賞は勝ちましたが、サトノノブレスがスローペースで逃げたため、行きたがる素振りを見せました。

今回はヤマカツライデンという逃げ馬がいるので、スローペースにはならないはずです。

 

庄野靖志調教師の大叔父はカツラノハイセイコ(1979年の日本ダービー馬)やアラホウトク(1988年の桜花賞馬)を育てた庄野穂積元調教師です。

天国にいる大叔父に向けてJRAG1レース初獲得の吉報を届けられれば、といった思いもあります。

 

 

(おかのひろのぶ)

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