【重賞回顧】第49回読売マイラーズカップ(GⅡ)

マイル路線の頂点目指し、京都巧者を撃破した4歳馬 

開幕週で叩きだしたコースレコード

 

正式には読売マイラーズカップと言う。かつては阪神開催の最終週が舞台だった。

5年前から当時より開催が1週遅くなり、京都の開幕週に舞台を移している。

ダービー卿チャレンジトロフィーと並んで、春のマイルGⅠ安田記念やヴィクトリアマイルの前哨戦として位置づけられている。

 

マイラーズカップというだけあって、今年もマイル路線を中心に活躍している実力派が揃った。

安定感抜群、掲示板から外れたことがないエアスピネル。京都のマイルは4戦2勝(シンザン記念、京都金杯)で2着2回(マイルCS、昨年のマイラーズカップ)と文句無しの成績。

エプソムカップ勝ちのダッシングブレイズ、今年の京都金杯を勝ったブラックムーン、マイル重賞を3つ勝っているヤングマンパワー。クラシックを期待されながら故障のため、1年遅れの快進撃を続けているロジクライ

評判の高い現4歳世代も実績では負けていない。モズアスコットは暮れの阪神カップ4着から阪急杯で2着と確実に上昇。サングレーザーはスワンSを勝ち、マイルCSを3着、阪神カップも3着と短距離路線のもはや常連だ。近走不振だが、弥生賞を勝っているカデナだっていつ浮上してくるかわからない。

誰にだってチャンスがある、マイラーたちの凌ぎあい。

 

人気は安定感ある京都巧者エアスピネルを筆頭に、好調なロジクライを挟み、4歳馬のモズアスコットサングレーザーが続いた。

明らかな逃げ馬不在で、直線勝負になるのか、レース前にはそういう見方もあった。だが、開幕週の高速馬場も相まってフタをあけてみれば、マイラーたちの競演がタフなレースになった。

勝ち時計は1.31.1のコースレコード。昨年よりも約1秒早い。

混戦ムードから一歩抜け出したのは、4歳馬、サングレーザーだった。

 

 

レース回顧

 

京都の外回りコース、2コーナーの引き込み線にゲートがある。

向こう正面の直線をまっすぐ走り、特徴的な3コーナーの坂を駆け上り、4コーナーへ向かって勢いをつけて下る。直線は平坦で、京都ならではのコース形態。

スタートはほぼ揃い⑪ピークトラムがやや好ダッシュ。⑧ロジクライ、⑨モズアスコット、③ベルキャニオン、⑥ムーンクレスト、⑭グァンチャーレと先頭グループを形成し、我先にと前をうかがう。

向こう正面半ばで③ベルキャニオン、⑧ロジクライの2頭が引っ張る展開になり、つづいて⑥ムーンクレスト、⑨モズアスコットと続き、①ヤングマンパワーがインからぐいぐいとあがっていく。⑭グァンチャーレがその後ろ、中団に⑬カデナ、④エアスピネルがつけた。あっという間に600mを踏破し、33.9のハイラップ。

坂を駆け上っていくところで後方の⑤サングレーザー、⑫テイエムイナズマ、②ガリバルディ、⑦ダッシングブレイズ、⑩ブラックムーン、⑪ピークトラムが徐々にペースアップ。

先頭はロジクライに代わっていた。

馬群は一団となりながら、4コーナーへ突入する。1番人気のエアスピネル武豊は外を回った。

直線に向いて、先頭が⑨モズアスコットに変わる。

1馬身ほど突き離し、単独で先頭を走っていた。

対して外から④エアスピネルがじわじわと上がってくる。

残り200m、一気に差を詰めたのは④エアスピネルではなかった。

わずかに外にいた⑤サングレーザー

並ぶまもなくかわしていき、ゴール前で先頭を走る⑨モズアスコットを一気に差し切った。

その差は1馬身1/4、あっという間の出来事だった。上がりは最速の33.2。

また1頭、楽しみな馬が強さを見せた。

2着には直線早めに抜け出した⑧モズアスコット。3着は④エアスピネル、4着に11番人気の②ガリバルディ、5着には粘った10番人気③ベルキャニオンが入った。

 

 

全着順

第49回 読売マイラーズカップ(GⅡ)4歳以上オープン(京都・芝1600m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
サングレーザー
牡4
福永祐一
R 1:31.3
2
◯外モズアスコット
牡4
C.ルメール
1.1/4
3
エアスピネル
牡5
武豊
1/2
4
ガリバルディ
牡7
和田竜二
3
5
ベルキャニオン
牡7
藤岡佑介
クビ
6
グァンチャーレ
牡6
古川吉洋
3/4
7
ロジクライ
牡5
川田将雅
クビ
8
◯外ダッシングブレイズ
牡6
浜中俊
1.1/4
9
ブラックムーン
牡6
秋山真一郎
1/2
10
ムーンクレスト
牡6
松田大作
1.1/4
11
□地ピークトラム
牡7
小牧太
アタマ
12
ヤングマンパワー
牡6
岩田康誠
3/4
13
テイエムイナズマ
牡8
四位洋文
3
14
カデナ
牡4
幸英明
アタマ

 

 

 

1~5着馬コメント 

 

1着 ⑤サングレーザー 4歳牡 福永祐一騎手 4番人気

1400mのスワンステークスを重馬場で勝ち、マイラーズカップは開幕週の1600mでレコード決着。条件の異なる重賞を2勝した。次の舞台はGⅠ安田記念。未経験の府中の直線でどんな走りを見せてくれるのか、楽しみな1頭だ。

 

2着 ⑨モズアスコット 4歳牡 C.ルメール騎手 2番人気

この馬も4歳。マイルで活躍する先輩古馬たちよりも先着。まだ重賞未勝利なれど、着実に実力をつけてきている。父フランケルの名がついて回るだけに今後も注目の1頭だ。

 

3着 ④エアスピネル 5歳牡 武豊騎手 1番人気

直線先頭を走っていたモズアスコット目掛けてじわりじわり追走し、3着を確保。外からきたサングレーザーには差されてしまったものの3着という結果は得意舞台での面目躍如といったところ。安田記念での巻き返しをはかりたい。

 

4着 ②ガリバルディ 7歳牡 和田竜二騎手 11番人気

上がり3Fがサングレーザーにつぐ2位。テレビでは映らず、ラジオでは着順だけという不遇の扱いに関わらず、能力は示している。伊達に中京記念を制していない。道中の位置取りが勝ち馬より後ろだったことが災いしたが、後ろにいたからこそこの脚がつかえたとも考えられる。その差は3馬身。展開次第では今後にチャンスがあるのではないだろうか。

 

5着 ③ベルキャニオン 7歳牡 藤岡祐介騎手 10番人気

先行馬が軒並み着順を下げた中、この馬は5着に残った。ゴール前は同い年のガリバルディと並んでゴールイン。兄弟にはマウントシャスタ、弥生賞勝ちのカミノタサハラ、現4歳世代のクリアザトラックとオープンで活躍している馬たちがいる。まだまだ若い者には負けんという意気込みは伝わった。

 

 

レース総括 

 

出走馬14頭中、重賞勝ち馬が10頭、その中でも京都マイルで実績のあるエアスピネルブラックムーンらを抑えて強い勝ち方をしたサングレーザー

早めに抜け出したモズアスコットは勝ってもおかしくない王道の勝ちパターンだった。

 

昨年、マイル路線で活躍していた古馬たちのなかに現4歳世代として割って入ったのはペルシアンナイトだ。マイルチャンピオンシップではサングレーザーレーヌミノルとともに掲示板を賑わせた。この春も、当レースでサングレーザーがレコード勝ちという結果を出し、世代のレベルの高さを証明してくれた。

1か月後の安田記念、舞台は東京競馬場。

エアスピネルだって、よいステップレースになったはずだ。GⅠに近くて遠い馬なんて呼ばせない、悲願の初GⅠを目指し最高の調整をしてくるだろう。

秋のマイルチャンピオンであり、大阪杯2着のペルシアンナイトにどこまで肉薄できるか。

勝った馬も負けた馬も、次は府中のマイル、あの長い直線でマイラーたちの新しいチャンピオンを狙ってほしい。

 

 

(みすてー)

競馬の楽しさを、すべての人へ。
ウマフリとは?
ウマフリ本誌はこちら。
ウマフリブログ
コラボ企画・ご寄稿も大歓迎!
お問い合わせ