【重賞回顧】第25回青葉賞(GⅡ)

それでもダービーを目指すために挑む。第25回青葉賞

 

夏を思わせる爽やかな空。

これ以上はないぐらい青葉賞に相応しい天気だった。

 

青葉賞

 

このレース名を聞けば、すぐそこにダービーがやって来ているのだと緊張してしまう。そして、青葉賞はダービーを目指すためのチャンスでもあり、勝っても本番は?と思われてしまう切ないレースだ。昨年、ついに青葉賞馬がダービーを勝つのではないかと言われたアドミラブルは青葉賞2分23秒6、圧勝だった。それでもダービーは3着。今年も青葉賞は希望と一抹の切なさを漂わせるレースのままだ。なぜ、同じ舞台の青葉賞が本番に直結しないのか。競馬ファンには未だに答えられない問いの一つだろう。

 

スーパーフェザーは青葉賞に強いディープインパクト産駒。前走阪神の2400mで500万勝ち。年明けの若駒ステークスから思惑通り走れず、小倉遠征を経て500万下を勝ちあがったのは3月31日。ようやくクラシック路線の表舞台にたどり着いた。

 

オブセッションも同じくディープインパクト産駒。デビューから2連勝と狙い通りに勝ち進んだが、弥生賞で4角を回りきれずに大きく外に膨らんでしまった。このアクシデントから皐月賞はパスしてダービー路線へ。弥生賞のミスを青葉賞で取りかえし、再びクラシックの舞台を目指す。

 

サトノソルタスもディープインパクト産駒。新馬勝ちから間隔をとって共同通信杯へ出走。2着敗退後はじっくり立て直してダービーを目指す道へ進む。堀宣行厩舎らしいローテーション。昨年のアドミラブルと同じミルコ・デムーロ騎手が乗る。

 

以下、トライアル敗退のカフジバンガードゴーフォザサミットトラストケンシン、500万下を勝って再度クラシック路線を目論むマイネルサリューエミッキーポジションダノンマジェスティクレディブル。みんなこのレースからダービーへ向かう道は険しいことを知りながら、それでもダービーを目指す。ダービーはそういうレースだ。

 

 

胸締めつけられる青葉賞、最後の直線

 

日本ダービーと同じ東京芝2400mは1角の入り口が難しい。大混雑だった昔はダービーポジションがあった。初角10番手以内でないと勝てないと言われた。1角での位置取りがレースを占めるのは今も同じだ。

 

スタートを決めた最内カフジバンガードを制してハナに立ったのはディープインラヴ。兄はダービー馬ディープブリランテ、岩田康誠騎手、矢作芳人調教師は兄と同じ組み合わせだ。トラストケンシンモンテグロッソなど外枠勢が番手を奪いにいき、エタリオウゴーフォザサミットスーパーフェザーなどが10番手以内を何とか確保した。1角ではダノンマジェスティがやや首を上げて走りにくさを見せる。サトノソルタスは後方になった。ディープインラヴが作り出したペースはゆったりで、馬群はひと塊で向正面へ出る。デムーロ騎手はこういう流れなら必ず動く。動かずに負けるより動いて負ける方がいいと彼は考えているにちがいない。サトノソルタスを促して位置を上げに行くが、他の馬も応戦しているようだ。サトノソルタスは思うように位置を上げられない。

 

一縷の望みにかけたデムーロ騎手の思惑に応えようとするサトノソルタスが必死に走る姿。

 

直線で抜け出そうとするトラストケンシンが思うように走れなくても懸命に走り切ろうとする姿。

 

そんな内の馬を後ろなんて気にせずにエタリオウが一気に抜くも、坂上で脚があがりかける姿。

 

その外を一気に抜いていくゴーフォザサミットを懸命に追い立てる蛯名正義騎手の姿。

 

それに追いすがるように走るスーパーフェザーの姿。

 

どの姿からもダービーしか見えない。いや、どの馬もダービーしか見ていない。青葉賞の直線は毎年、胸締めつけられるシーンばかりだ。

 

先頭を駆け抜けたゴーフォザサミットの歓喜の後ろ、最後の1枚の切符を争ったエタリオウスーパーフェザーは同じ友道康夫厩舎。切符は1枚、同じ厩舎は関係ない。ダービーの出走権はどちらかにしか与えられない。ゴール前、先にハナを伸ばすスーパーフェザー、あとからハナを伸ばそうとするエタリオウ。そこにゴールラインはあった。

 

写真判定は2頭の明暗を分けた。ダービーへの切符はエタリオウに与えられた。

 

勝ち時計は2分24秒4(良)

 

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全着順

第25回 テレビ東京杯青葉賞(GⅡ)3歳オープン(東京・芝2400m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
ゴーフォザサミット
牡3
蛯名正義
 2:24.4
2
エタリオウ
牡3
石橋脩
2
3
スーパーフェザー
牡3
福永祐一
ハナ
4
モンテグロッソ
牡3
北村宏司
1.3/4
5
トラストケンシン
牡3
柴田大知
ハナ
6
サトノソルタス
牡3
M.デムーロ
ハナ
7
ミッキーポジション
牡3
横山典弘
1/2
8
ダノンマジェスティ
牡3
内田博幸
クビ
9
カフジバンガード
牡3
古川吉洋
クビ
10
ディープインラヴ
牡3
岩田康誠
1.3/4
11
オブセッション
牡3
C.ルメール
1.3/4
12
ノストラダムス
牡3
和田竜二
3/4
13
スズカテイオー
牡3
田辺裕信
2.1/2
14
ユウセイフラッシュ
牡3
三浦皇成
1.3/4
15
テトラルキア
牡3
柴田善臣
クビ
16
マイネルサリューエ
牡3
松岡正海
6
17
クレディブル
牡3
大野拓弥
クビ
18
ダブルフラット
牡3
戸崎圭太
3

 

 

1~3着馬コメント

1着ゴーフォザサミット

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2歳の出世レース百日草特別を勝ちオープン入りした後は、共同通信杯4着、スプリングステークス7着と賞金加算と権利獲得に失敗してしまったが、青葉賞に矛先を向けて一発回答を出した。ハーツクライ産駒らしいタフな馬。3歳前半で培った経験が実った結果だ。中位から上がり最速34秒1はストロングポイントだ。蛯名騎手、藤沢和雄厩舎ともに青葉賞は4勝目。思い返せば、青葉賞の勝ち方を知るコンビだった。藤沢和雄調教師は昨年レイデオロでダービーを勝ったが、蛯名騎手はまだ勝っていない。青葉賞からダービーへの道を切り開いて欲しい。

 

2着エタリオウ

この馬が抜け出した地点が最速ラップの11秒1。ゴール前は苦しくなりながらも3着スーパーフェザーを振り切った執念は父ステイゴールドらしい勝負強さの表れだろう。500万下で2000mから2400mで2着を繰り返す堅実派。前走ゆきやなぎ賞の勝ち馬はサトノワルキューレ、高いレベルでの経験が活きた形でもある。

 

3着スーパーフェザー

直線で狭くなりそうなところから抜け出し、2着とハナ差の接戦。悔しい敗戦だが、坂上からの伸び切れない部分は未完の証でもある。小倉のあすなろ賞はエポカドーロの2着、力は十分にある。

 

 

総評

今年から青葉賞で用意されたダービーへの出走権は2着以内に変更された。皮肉にもその変更が最後のハナ差のドラマを生んだ。しかも同じ友道厩舎の2頭だったのが切ない。厩舎は同じでも担当者や騎手、馬主は違うので、ダービーにかける想いがそれぞれ違う。

青葉賞過去3勝(ハイアーゲームフェノーメノヒラボクディープ)の蛯名騎手はこのレース4勝目。ゴール後の背中からは確かな手応えを感じた。誰よりも伝わるダービーへの執念を抱き続けている騎手だけに今度こその思いがある。

 

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(勝木淳)

(写真・かぼす)

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