【地方重賞回顧】第64回東京ダービー(大井・SⅠ)

第64回東京ダービー 〜2冠達成か?!それとも夢が叶うのか?!〜

 

レース概要

 

東京ダービーは1955年に「春の鞍」距離は2000mとして創設され、1964年に「東京都ダービー」と名称変更を経て1966年より現在の『東京ダービー』となりました。1967年からは距離が2400mに変更されましたが、1999年には2000mに戻されました。理由としては、南関東クラシックのアメリカンスタイルへの移行による距離見直しの為とのこと。

2011年からはスタリオンシリーズに指定され、優勝馬主には副賞としてハービンジャーの次年度の種付権利が与えられます。

 

過去10年を見ると騎手としては戸崎圭太騎手が連覇を達成。父は様々ですが、母父としてブライアンズタイムが3勝と抜けています。

 

 

レース回顧

 

ダービーと名が付くものはみんなが熱くなる。

サッカー然り、競馬も。

今年は日本ダービーで福永騎手が初勝利を挙げ、東京ダービーでは的場騎手が初勝利なるかと期待が掛かります。もちろんヤマノファイトハッピースプリント以来の2冠達成も期待されます。

 

出走メンバーは、羽田盃覇者のヤマノファイトを筆頭に、2着のリコーワルサー、3着ハセノパイロ、連勝がストップしたものの羽田盃4着のモジアナフレイバー、牝馬戦線からは浦和桜花賞馬のプロミストリープが参戦。東京ダービーの初勝利が待たれている的場騎手はクリスタルシルバーで参戦です。

東京ダービートライアル勝ち馬のキングオブポップは吉原騎手から石崎騎手に乗り替わりとなっています。

 

雨が降り止まない中の大歓声。

次第に馬場は悪くなっていき重発表となりました。

 

スタートは1番ナムラバンザイが好スタート。外枠16番ユニバーサルライトあたりもスタートが良い。人気の一角2番プロミストリープは出遅れ気味にスタート。

1番ナムラバンザイがハナを切り、馬群を引っ張る形で続いて16番ユニバーサルライト、内に12番クリスタルシルバー、15番ワグナーコーヴ、14番ハセノパイロ、13番ドンビーが先頭集団を形成。

2番手集団は6番リコーワルサー、5番1番人気ヤマノファイト、10番マースインディ。4番モジアナフレイバー、8番クロスケ、出遅れた2番プロミストリープは後方待機。

この形ですんなり隊列は決まり、向正面流しへ。 1番ナムラバンザイが依然として先頭で隊列には動きなし。後方では2番プロミストリープが外に出して追い出しにかかり。8番クロスケは内に入れて押し上げる。4番モジアナフレイバーは持ったままで仕掛けどころをはかっている。

3コーナーでも隊列は変わらず徐々に後方集団が詰めて馬群が固まっていくものの1番ナムラバンザイが逃げて引っ張る。

レースが動き出したのは3、4コーナー中間付近。

外から14番ハセノパイロが持ったまま1番ナムラバンザイに並びかけ、内から12番クリスタルシルバーも追い出し並びかける。

14番ハセノパイロの外には内から外に出した6番リコーワルサーも迫る。

1番人気のヤマノファイトは追い出すも反応が悪いなかその外から4番モジアナフレイバーが大外に出していきながら羽田盃で見せた捲りを見せる。

直線に入ると14番ハセノパイロ、12番クリスタルシルバーがレースを引っ張った1番ナムラバンザイに並ぶ!

内1番ナムラバンザイは後退していく。

12番クリスタルシルバー、外に14番ハセノパイロの先頭争いに外から6番リコーワルサーも加わりに行くも詰まらない!

さらにその外からロングスパートを仕掛けていた4番モジアナフレイバーがグングンと後方から先頭争いに加わり、1番内から1番ナムラバンザイを捌いて伸びてきた8番クロスケも伸びてきて4頭の先頭争いへ。

しかし14番ハセノパイロ、12番クリスタルシルバーの激しい追い比べに大外4番モジアナフレイバーが、内の8番クロスケが突っ込んでくる。

が、徐々に差は詰まるものの14番ハセノパイロ、12番クリスタルシルバーの激しい追い比べが続く。

そしてクビの上げ下げからグッと最後抜け出した14番ハセノパイロが先頭でゴールイン!

2着には的場騎手の物凄い気迫の追いを見せた12番クリスタルシルバー、3着には写真判定の結果、内から突っ込んできた8番クロスケ。4着には大外から素晴らしいロングスパートで追い上げたモジアナフレイバー。5着には離されて6番リコーワルサー。 人気の2番プロミストリープは6着。1番人気で2冠のかかった5番ヤマノファイトは7着で決着。

 

 

全着順

第64回東京ダービー(SⅠ)3歳・オープン重賞(大井・ダート2000m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
ハセノパイロ
牡3
矢野貴之
 2:06.7
2
クリスタルシルバー
牡3
的場文男
クビ
3
クロスケ
牡3
笹川翼
クビ
4
モジアナフレイバー
牡3
繁田健一
ハナ
5
リコーワルサー
牡3
今野忠成
2.1/2
6
プロミストリープ
牝3
御神本訓史
1.1/2
7
ヤマノファイト
牡3
 本橋孝太
ハナ
8
トーセンブル
牡3
本田正重
2
9
キングオブポップ
牡3
石崎駿
6
10
フレアリングダイヤ
牡3
真島大輔
1/2
11
ナムラバンザイ
牡3
張田昴
3.1/2
12
マースインディ
牡3
達城龍次
3/4
13
ユニバーサルライト
牡3
瀧川寿希也
1.1/2
14
ワグナーコーヴ
牡3
赤岡修次
2
15
スプリングマン
牡3
左海誠二
1.1/2
16
ドンビー
牡3
和田譲治
3/4

 

 

1~3着馬コメント 

1着 ハセノパイロ

父 パイロ 母タイキアヴェ二ュー(母父ティンバーカントリー)

パイロの産駒にはJRAで鋭い差し脚を武器に活躍しているクイーンズサターン、北海道スプリントカップ勝ち馬のシゲルカガ、2年前の羽田盃勝ち馬で東京ダービー3着のタービランスがいます。

父父のpulbitからはパイロの他にtapitが種牡馬として活躍しています。またtapitからはフェブラリーS勝ち馬のテスタマッタ、そして2年前のUAEダービーを勝ちアメリカ3冠を全出走しプリークネスSでは5着、ベルモントSでは3着もさることながら話題性たっぷりのラニが出ています。

 

つい父パイロにビッグタイトルをもたらしタービランスの雪辱を晴らしました!

 

前走で復活の兆しを見せていたハセノパイロですが、2番手につけて直線入り、先頭に躍り出てクリスタルシルバーとの激闘の末、競り落としての勝利。距離が伸びて良かったのでしょうか。 今後は南関東の3歳牡馬筆頭として地方競馬界を牽引して中央馬とどういった勝負を繰り広げてくれるのか楽しみです。

 

2着 クリスタルシルバー

父サムライハート 母マルヨシロワイン(母父アジュディケーティング)

父の母は名牝でありオークス馬であり天皇賞秋も制したエアグルーヴ。近親にはエリザベス女王杯勝ち馬で産駒から2冠馬のドゥラメンテを輩出したアドマイヤグルーヴ、クイーンエリザベスC勝ち馬で菊花賞馬キセキ、AJCC勝ち馬のダンビュライト、今年の牝馬クラシック戦線を賑わせているリリーノーブルを輩出しているルーラーシップなどがいます。今やダイナカール一族として定着していますね。

 

2歳時にゴールドジュニアーを勝ち、人気薄ながら雲取賞3着とありますが、不振が続き東京ダービーでは人気薄。が、しかし大舞台に強い血統が目覚めたのか、鞍上的場騎手の気合というか魂が乗り移ったかのような激走! 前走とは打って変わって先頭集団につけた積極的な競馬をし、直線ではハセノパイロとデッドヒートを繰り広げたものの陣営にとって悔しいクビ差及ばすの2着。 的場騎手は2着でしたが、クリスタルシルバー本馬にとっては良い結果だと思います。クリスタルシルバーも距離が伸びて良いのか大舞台に強いのかはまだわかりませんが、前目につけ粘り強い競馬をすればこれくらいはやれる能力のある馬で、先々が楽しみです。

 

3着 クロスケ

父 キャプテントゥーレ 母フェニックスワン (母父ブライアンズタイム)

 

父の母の母は往年の名マイラー、ムーンランドロンシャン賞で武騎手が騎乗し日本人騎手海外G1初優勝を達成したスキーパラダイスです。父の母エアトゥーレは阪神牝馬S勝利、父キャプテントゥーレは皐月賞を勝ち父子2代制覇、川田騎手に初G1勝利をもたらしています。

 

クロスケは脚質的な部分もあるでしょうが善戦マン。今まで掲示板を外していません。

東京ダービーでは母父のブライアンズタイムの大舞台に強い血が目覚めかけたのか、外差しが効いている馬場の中を内に潜って押し上げていき、上手く直線で捌けていればもっと際どい結果になっていたような差し脚を披露。人気にはなっていませんでしたが3歳牡馬では差し脚は一級品。連を外したのは2回だけ。名前も相まってファンも多いと思います。

あとは久々の勝利が欲しいですね。陣営はダービーで美酒をと思っていたことでしょう。ただ、3歳の主役の一角を担える力があることがわかったので今後が楽しみです。

 

他の馬についても少しだけ。

4着のモジアナフレイバーは連勝でクラシックに名乗りを上げだのはやはり伊達ではなかったですね。3ハロン上がり最速を見せ羽田盃以上のロングスパートでした。

5着リコーワルサーも見せ場十分。距離が長かったように思いました。

6着牝馬ながら挑戦してきたプロミストリープは出遅れが全てではなかったでしょうか。なければどうなっていたやら。

7着の1番人気ヤマノファイトは2冠がかかっていましたが良いところがなくこの結果。距離が原因なのか、体調面で本調子ではなかったのか。 復調してもう一度強さを見せてほしいものです。

 

東京ダービーは暑いデッドヒートの末の決着。直線は見応え十分!

的場騎手の魂のこもった追いには、昔の日本ダービーの河内騎手が思い起こされ、どうしても的場騎手から目が離せませんでした。そして10回目のダービー2着。東京ダービーの64回のうち37回騎乗し、何の因果かわかりませんが的場騎手を引退させまいと競馬の神様が言っているよう思えてなりません。 そして矢野騎手にとっては初東京ダービー制覇。佐藤厩舎にとっては2連覇。

やはり色々ドラマがあるのがダービーという名を冠するレースなのだと改めて思いました。

来年も熱いダービーを観たいと思います!

 

ハセノパイロ、関係者の皆様おめでとうございます!矢野騎手東京ダービー初制覇ならびに佐藤厩舎東京ダービー連覇も重ねておめでとうございます!

 

 

(ysk.h08)

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