【地方重賞回顧】第20回ジャパンダートダービー(大井・JpnⅠ)
ジャパンダートダービー(JDD) 〜3歳砂の王者決定戦!!〜
レース概要
1999年に現3歳の大井競馬場の2000m戦で統一グレード競走として創設。
2009年には中央出走馬が5頭から6頭へ、2016年からは6頭から7頭へ変更されています。
南関東3冠の最終戦です。
レース回顧
3歳ダート決定戦のJDDの日がやってきましたね。夏が来たという感じです。
今年は中央からの出走馬のレベルが高いです。
まず、ダート2歳チャンピオンでパーフェクト連対中のルヴァンスレーヴ、そしてこちらもパーフェクト連対中で北海道2歳優駿の勝ち馬ドンフォルティスのライバル2頭を筆頭に、前走のユニコーンS2着で尚且つダートの女傑ミラクルレジェンドを母にもつグレートタイム、雷神カネヒキリの忘れ形見の兵庫チャンピオンシップ勝ち馬で親子制覇を狙うテーオーエナジー、前走の加古川特別で古馬を一蹴したオメガパフューム、鳳雛S勝ち馬ハーベストムーン、端午S勝ち馬のバイラが出走です。
対して地方出走馬はというと、東京ダービー馬のハセノパイロ、東京ダービー2着のクリスタルシルバー、東京ダービー3着のクロスケを筆頭に、地方ダービー2勝のこちらも雷神カネヒキリの忘れ形見スーパージェット等が出走します。昨年は東京ダービーを勝利したヒガシウィルウィンが勝利しましたが、今年はハセノパイロが中央馬に一矢報いるのでしょうか?!
1番人気は4連敗中ですが、今年はどうなるでしょうか?
スタンドは大歓声、天気も良く馬場コンディションは良とまさに3歳王者決定戦に相応しい舞台が整いました。
ゲートが開くと1番ルヴァンスレーヴが出遅れ、9番テーオーエナジーがダッシュ良くハナへ。それを追い掛けて行くのが10番リコーワルサー、内から2番クリスタルシルバー、11番ハセノパイロ、12番ハーベストムーン、14番オメガパフュームも先行勢に外から加わりに行き1コーナーへ。
向こう正面出る頃には隊列も決まり、9番テーオーエナジーが先頭、2番手に10番リコーワルサー、3番手集団はやや離れて2番クリスタルシルバー、促されて12番ハーベストムーン、11番ハセノパイロ、14番オメガパフューム、3番グレートタイムもズブいのか手が動き、8番ドンフォルティス徐々に進出、内に4番クロスケと続き、1番ルヴァンスレーヴは進路を内から外に変え前の8番ドンフォルティスを見るような格好に。
3コーナーでは先頭9番テーオーエナジーがまだリードを保ち、続いて10番リコーワルサーが単独2番手。 徐々に各馬も追い出しにかかり、内から2番クリスタルシルバーが追い出し3番手、後ろは団子状態の中外から8番ドンフォルティスが動く!それを見計らったかのように1番ルヴァンスレーヴも外を回して動く!
直線に入ると9番テーオーエナジーが逃げ込みの体勢、2番手で10番リコーワルサーも粘る。
後ろは2番クリスタルシルバー、内から4番クロスケ、3番グレートタイム外めに14番オメガパフューム、外から8番ドンフォルティス、大外1番ルヴァンスレーヴが襲いかかる!
残りラスト200mでは依然として9番テーオーエナジーが先頭でまだリードを保っているが、大外から極上の切れ味で1番ルヴァンスレーヴが2番手集団を飲み込みグングン迫る!
1番ルヴァンスレーヴが9番テーオーエナジーを飲み込み先頭へ! そのままゴールイン!
2番手争いは9番テーオーエナジーを交わした14番オメガパフューム、内に3番グレートタイム、2番クリスタルシルバーの争いへ。争いを制したのは14番オメガパフュームがやや抜けだしたところでゴールイン、首の上げ下げの追い比べを制したグレートタイムが3着。4着は2番クリスタルシルバー、9番テーオーエナジーが5着で決着。
全着順
第20回ジャパンダートダービー(JpnⅠ)3歳・重賞(大井・ダート2000m)
[J]ルヴァンスレーヴ | ||||
[J]オメガパフューム | ||||
[J]グレートタイム | ||||
クリスタルシルバー | ||||
[J]テーオーエナジー | ||||
[J]ドンフォルティス | ||||
クロスケ | ||||
リコーワルサー | ||||
[J]ハーベストムーン | ||||
[J]バイラ | ||||
ハセノパイロ | ||||
[金]アルファーティハ | ||||
[高]サンダベンポート | ||||
[佐]スーパージェット |
1~3着馬コメント
1着 ルヴァンスレーヴ
父シンボリクリスエス 母マエストラーレ(母父ネオユニヴァース)
強かったの一言。出遅れ癖は相変わらずで、外を回してと大味な競馬でしたが、一頭だけ別次元の末脚でした。文句なしの3歳ダート王者です。
次の相手は歴戦の古馬となるわけですが、そちらも楽しみですね。
父シンボリクリスエスの産駒はサクセスブロッケンに続きJDD2勝目、そして昨年JDD2着のサンライズソアがいます。 過去にはマチカネニホンバレ、ソロル、ランフォルセ、ダノンカモンとダートに良績が多く、地方の馬場も合います。ここに来て大物が出てきて息子同士がライバル関係になるのは父親として嬉しい悲鳴でしょうね。
また母系の先祖にはダイナフェアリーの名が。ローゼンカバリーやサマーサスピションがいる血脈ですが、この馬が昨年末にこの系統の悲願G1勝利を達成していますね。
2着 オメガパフューム
父スウェプトオーヴァーボード 母オメガフレグランス(母父ゴールドアリュール)
古馬を一蹴した強さを見せてくれましたね。コーナーから直線入り口では反応がイマイチかと思っていましたが、ラストで伸びてきての2着。 少し反応が鈍いのでしょうか。しかし、本賞金もしっかり積み上げ、今後どういった路線を歩むのかわかりませんが4月生まれですし、今後の成長が非常に楽しみです。
父スウェプトオーヴァーボードはレッドファルクスのイメージが強いですが、リッジマンが長距離で活躍していますので母系の良さが出るように思います。母系はリアルシャダイが入っているのでスタミナが補完されているのかもしれません。
3着 グレートタイム
父キングカメハメハ 母ミラクルレジェンド(母父フジキセキ)
クリスタルシルバーとの追い比べを制しての3着。直線の進路取りがスムーズであれば2着はあったかもしれなかったですね。しかしルヴァンスレーヴとの差は展開のアヤもあるでしょうが縮めました。そして母より上の着順と親孝行な息子です。
父キングカメハメハ産駒は息の長い活躍しますし、母ミラクルレジェンドも息の長い活躍でした。強い同年代がいるのがついて回りますが、血統的にも期待が大きいですし母に追いつき追い越せで今後を見守りたい1頭です。
父キングカメハメハは芝ダート距離不問の日本を代表する種牡馬です。ダートに関してはダート王者であったホッコータルマエやベルシャザール、ソリタリーキングなどを輩出。現役ではグレイトパール、センチュリオンなどがいます。
また母のミラクルレジェンドは活躍期間が長くJBCレディスクラシック2連覇、牡馬に混じって帝王賞5着、ジャパンCダート6着などトランセンドやワンダーアキュート、エスポワールシチーなどと凌ぎを削ってきた女傑。フジキセキ産駒ではカネヒキリに次ぐダート馬です。近親には東京大賞典勝ち馬のローマンレジェンドがいます。
人気だったドンフォルティスは直線入るところまではよかったのですが、直線でパタリと脚が止まったように見えたので、距離の壁があったのではないでしょうか。まだまだ見限るのは早計ですね。
地方馬についても少しだけ。
4着のクリスタルシルバーには殊勲賞を! 3番手から粘りに粘って大健闘の地方最先着の4着。東京ダービー2着は本物だったと言えるのではないでしょうか。的場騎手とも手が合うのでしょうね。
7着クロスケは相手なりに走りますね。進路が……と思ってしまいます。クリスタルシルバーとはそこまで差はないと思いますので巻き返しに期待したいです。
8着リコーワルサーは夏負けが出てきてるとあった中、直線入るところまでは見所十分。距離を縮めてきたら面白いとおもいます。
東京ダービー馬のハセノパイロは掴み所がないですね……疲れもあったのでしょうがまた立て直して強いところがみたいと思います。
ルヴァンスレーヴ、並びに関係者の皆様優勝おめでとうございます!!
(ysk.h08)
(写真・よしフォト)