【重賞回顧】第32回セントウルステークス(GⅡ)

夏の終わりに、春の王者が始動する

雨降る阪神、1番人気に支持されたのは…

 

重要なレースだ。

スプリンターズステークスの前哨戦にして、サマースプリントシリーズの最終戦。

開幕週の阪神で夏の終わりが告げられ、秋の戦いが本格化する。

 

出走馬を見ると、より顕著にその傾向が感じられる。

大注目は、なんといっても、春、高松宮記念を制し、そのまま香港遠征をしたファインニードルだ。香港遠征の結果は残念だったが、しっかりと夏を休み、ここで一叩きして秋の大一番に臨む、余裕ある王者のローテーションだ。

が、仕上がり途中だという報道もあり、調教過程に不安を残す。

そして、関西地方に雨が続き、馬場は重馬場発表と波乱の予感がする。

 

春の王者に不安要素があるならと、白羽の矢が立ったのはなんと、3歳牝馬の逃げ馬ラブカンプー。葵ステークス2着、アイビスサマーダッシュ2着、北九州記念3着と重賞3走連続して好成績を収めており、今回は51キロという斤量も後押しする。

しかし、先行馬でいえばネロという先輩逃げ馬がいる。ダートのレースを経由して秋への弾みとしたいネロ相手にどこまで自分の競馬で立ち向かえるか、まだまだ試金石の域を出ない。

同じく3歳勢でいえば、牡馬のアサクサゲンキが人気を背負いながらも、5、6着というレースが続いているので。ここらで頭角を現したい。

重賞勝ち馬でいえば、ダイアナヘイロー

好調時は前に行く競馬で連勝していたが、近走は控える競馬で結果が出ていない。道悪や展開面で注文がつく今回のレースだけに名手武豊騎手の手腕にも注目だ。

 

北九州記念から転戦組が6頭と半分近くが再戦となって、結果が変わるか、ここで変わらないようだと実力の違いがはっきりするところだろう。着順の違いなども見どころのひとつだ。

 

秋のはじまりは王者のステップか、波乱のはじまりか。

雨降る阪神の開幕週から物語は始まる。

 

 

レース回顧

 

内から2番ラブカンプーが好スタート。

絶好のスタートを決めたラブカンプーを外からかぶせるようにネロがぐいぐい押されてあがってくる。真ん中にはラインスピリットがいるが、ラブカンプーネロが競り合って、2頭でペースをつくっていく。

2番手集団はラインスピリットを先頭に、インにレジーナフォルテダイアナヘイローが1馬身ごとに差をつけ、外からファインニードルが大回りに走っている。

ファインニードルの内側にコウエイタケルと3歳馬アサクサゲンキ。このあたりかたまってウインソワレフミノムーンアドマイヤゴッドと馬群を形成している。2馬身あとにアンヴァルブラヴィッシモと並び、その後ろにグレイトチャーターが後方待機といった状況で、大きく離れて1頭マッチレスヒーローが追走している。

あっという間に600m通過し、タイムは33秒3。

この馬場にしては飛ばしすぎだと思われるハイラップ。

相変わらず2頭が競り合いながら4コーナーへ。

後続もペースを上げてくるが、ハイラップを刻みながら、直線に入ってもラブカンプーネロはまだ競り合いながら先頭を走っている。

馬場の真ん中からファインニードルがエンジンに火を点け、徐々に進出してくる。

残り200mを切って逃げ馬2頭の勢いが弱まり、まずはネロが徐々に下がっていく。ファインニードルは堂々と先頭を走るラブカンプーを追い詰める。

残り100m、ラブカンプー、先頭を譲り渡す。

気づけば1馬身半、差がついてファインニードルの余裕のゴールイン。

道悪に脚をとられたのか、後続の差し馬は届かなかったようだ。

 

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全着順 

第32回産経賞セントウルステークス(GⅡ)3歳以上オープン(阪神・芝1200m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
ファインニードル
牡5
川田将雅
 1:08.8
2
ラブカンプー
牝3
M.デムーロ
1.1/2
3
グレイトチャーター
牡6
幸英明
1/2
4
コウエイタケル
牡7
小牧太
1/2
5
ラインスピリット
牡7
森一馬
アタマ
6
ネロ
牡7
福永祐一
アタマ
7
ブラヴィッシモ
牡6
和田竜二
アタマ
8
アドマイヤゴッド
牡6
北村友一
クビ
9
フミノムーン
牡6
国分優作
1.1/4
10
アンヴァル
牝3
松若風馬
1.1/4
11
ダイアナヘイロー
牝5
武豊
クビ
12
◯外アサクサゲンキ
牡3
松山弘平
ハナ
13
レジーナフォルテ
牝4
杉原誠人
1.1/4
14
ウインソワレ
牝6
菱田裕二
3.1/2
15
マッチレスヒーロー
牡7
荻野極
クビ

 

 

1~5着馬コメント

1着 ファインニードル

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馬場の悪さもハイラップも難なくこなし、貫録勝ちで連覇達成。

レース後のインタビューにて鞍上は、まだ仕上がり途中でこれからまだよくなると明言した。スプリンターズステークスは仕上がって当然、そしてその先を見据えたローテーションを組んでいるだろう。サマースプリントシリーズを勝ちあがってきたアレスバローズとの対決も楽しみだ。

 

2着 ラブカンプー

今回もお疲れ様と声をかけたくなる。馬場で足元が悪い中、ネロにせりかけられながらハイラップを刻むというタフな競馬で2着に粘りこむ。バテなかったのは体力的なものか、軽ハンデか。夏はフル参戦で秋に挑むのはなかなかハードだがどのようなローテーションで臨むのか楽しみだ。3歳牝馬というハンデが消えたあとに真価が問われるだけに、年末までに重賞を勝っておきたい。

 

3着 グレイトチャーター

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後方にいた馬の中で唯一グレイトチャーターだけが掲示板を確保した。この重馬場とハイラップを味方にできた。得意の道悪で本領を発揮できたが、勝つまでにはいたらなかった。ちょっと相手が悪かったようだ。

 

4着 コウエイタケル

好走と惨敗を繰り返す馬ではあるが、今回は惜しい結果となった。人気を考えると大健闘と言える。人気の先行馬が崩れたところを見ると、この馬は馬場を味方にできたのではないだろうか。

 

5着 ラインスピリット

人気上位のネロを交わして掲示板確保と、この馬なりにはがんばった。京王杯スプリングカップ5着、函館スプリントステークス6着、アイビスサマーダッシュ5着、そして当レースでも5着。重賞制覇を虎視眈々と、それまで脇役としてのポジションは譲らないでほしい。

 

 

総括

終わってみればファインニードルの王者の貫録を垣間見る一戦となった。

3歳牝馬ラブカンプーの活躍が著しい。道悪だったこともあるが短距離重賞の常連馬ダイアナヘイローネロの成績がいまひとつなのが気になるところ。今回はG2という格の割に重賞勝ち馬の出走が少なかったかもしれない。

スプリンターズステークスは三連覇を狙うレッドファルクスが待ち受ける。

世代交代となるのか、はたまた壮大な記録の樹立か。注目したい。

 

 

(みすてー)

(写真・ゆーすけ)

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