【重賞回顧】第36回ローズステークス(GⅡ)

ルメール騎手の好騎乗、 混戦に浮かんだ前途有望な自在性!

オークス上位組不在の秋華賞トライアル

 

牝馬クラシック3冠最終レース、秋華賞

先般、中山で行われた紫苑ステークスに続き、阪神1800mが舞台のこのローズステークスがトライアル第2戦となる。

オークス馬アーモンドアイに挑むため、ここで3着以内に入って権利を取りたいところだ。

 

出走メンバーを見ると、重賞勝ち馬のいなかった紫苑ステークスほどではないが、なかなかの混戦模様を呈している。

 

実績からみると最上位は、フローラステークスを勝ち、オークス6着のサトノワルキューレ

末脚自慢のディープインパクト産駒。オークスでこそ掲示板には届かなかったが、強烈な末脚はこのメンバー相手なら実力上位と評価され、鞍上はデムーロ騎手で信頼感抜群。1番人気としてレースの中心的存在だ。

 

春の重賞実績ならカンタービレだって負けていない。フラワーカップを制し、紫苑ステークスを勝ったノームコアを2馬身離している。鞍上はルメール騎手で態勢万全。しかし、オークス13着が珠に傷とでもいうのか、大勝負での凡走が響き、5番人気まで評価を落としていた。

同じようにフラワーカップでカンタービレの2着だったトーセンブレスはその後、桜花賞4着と順調だったが、オークスを直前で出走取り消しというアクシデントがあった。とはいえ、7番人気という位置づけなのは春の実績があまり評価されていないようだ。

 

代わって、ここに向けて成長してきた馬が人気上位を占めた。

サラキアはチューリップ賞、フローラステークスをどちらも4着、その後白百合ステークスで2着と惜しい競馬。降級となった小倉の青島特別(500万)では3馬身半ちぎり、格の違いをみせる。

どのレースでもトップ3に入るほどの上がりをみせており、末脚には自信がある。

センテリュオは500万クラスで2着2回なれども、逆に言えば1着と2着しか経験していない連対率100%の馬。

忘れな草賞(OP)を勝ったオールフォーラヴも仮にもオークスに挑んだ馬だけにここでは存在感を現したい。

ここまで紹介してきたのはすべてディープインパクト産駒。人気上位馬のほとんどを占めているが、他の血統もいるのでご紹介したい。

ルーラーシップ産駒のウラヌスチャーム。新潟の三面川特別(1000万)で古馬相手に上がり最速33秒2の末脚でハナ差2着と堂々の競馬をしている。同年代のディープの子にだって負けられない。

 

他にもフィリーズレビュー2着のアンコールプリュ、フェアリーステークス2着のスカーレットカラー、クイーンカップ2着のフィニフティと春の重賞で2着だった馬たちも巻き返したい。

 

このようにどの馬にも一歩、二歩踏み出す力がある。混戦模様だけにどの馬が浮上してくるか、予想するのは難しいが、秋華賞に向けてどんな挑戦者があらわれるのか、楽しみでもある。

 

 

レース回顧

 

スタートはサラキアがやや出遅れ。サトノワルキューレもあえて下げて、後方待機の構え。

先頭はオールフォーラヴ。外からゴージャスランチが競り掛け、オールフォーラヴが前を譲る格好となる。インをするするとウスベニノキミが上がってきて2番手。オールフォーラヴを挟んで外にトーセンブレス、並んでセンテリュオ。入れ替わるようにラテュロス。ここで、カンタービレが中団から外を上がって先頭勢に追いつこうとする。ペースを考えての鞍上の導きだろう。

中団は固まって、フィニフティレッドランディーニサラキア。出遅れたサラキアはここまであがっていた。レオコックブルースカーレットカラーと、所狭しと固まっている。

それから1馬身離れてアンコールプリュウラヌスチャーム。最後方がサトノワルキューレ。残り800mを切って、先頭はゴージャスランチ、外にカンタービレと2頭並んでいる。

1000m通過は59秒8。

4コーナーへ向かうが先頭は変わらず、3番手オールフォーラヴ以降押し上げていこうとするが大勢は変化なし。

直線に入ると、先頭代わってカンタービレ

最後方のサトノワルキューレはインコースに入るが、馬群の壁に立ち塞がられる。

2番手はオールフォーラヴかと思われたが、ゴージャスランチが二の脚をつかい、食い下がる。

内からするっとラテュロスが脚を伸ばす。

外からは一気に同じ赤い帽子のサラキアが伸びてくる。

さらに外、先頭とは10馬身ぐらいあるが、馬群を捌いて進路を確保したサトノワルキューレのエンジンが火を噴く。ウラヌスチャームと馬体を合わせて坂を駆け上がってくる。

しかし、先頭はカンタービレ。2番手には伸びてきたサラキア。その差は3、4馬身のリードがある。

大外からサトノワルキューレウラヌスチャームが脚色よく追い込んでくるが、間に合わない。

先頭はカンタービレ、馬場の真ん中にサラキア、内にはラテュロス、その後ろにゴージャスランチも粘りこみ、大勢は決する。

カンタービレは後続に1馬身半差のまま、悠々とゴールイン。

スローペースと見るや、道中、先頭まで脚を伸ばしたルメール騎手の好判断がそのまま最後まで影響が出た。

 

 

全着順

第36回関西テレビ放送賞ローズステークス(GⅡ)3歳オープン・牝(阪神・芝1800m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
カンタービレ
牝3
C.ルメール
 1:45.7
2
サラキア
牝3
池添謙一
1.1/4
3
ラテュロス
牝3
秋山真一郎
1/2
4
ゴージャスランチ
牝3
横山典弘
クビ
5
ウラヌスチャーム
牝3
藤岡佑介
クビ
6
サトノワルキューレ
牝3
M.デムーロ
3/4
7
センテリュオ
牝3
北村友一
1.1/4
8
レッドランディーニ
牝3
松山弘平
3/4
9
オールフォーラヴ
牝3
川田将雅
2.1/2
10
アンコールプリュ
牝3
藤岡康太
1.1/4
11
ウスベニノキミ
牝3
和田竜二
クビ
12
フィニフティ
牡3
福永祐一
クビ
13
スカーレットカラー
牝3
太宰啓介
アタマ
14
レオコックブルー
牝3
浜中俊
クビ
15
トーセンブレス
牝3
柴田善臣
2

 

 

1~5着馬コメント

1着 カンタービレ 3歳牝 C.ルメール騎手 5番人気

一歩二歩でも前に出るかと思ったら、1馬身半の差がついた。

まずなによりもルメール騎手の好騎乗、好判断があっての勝利。そして、それに応えた馬の自在性も見事なものだった。最後の上がり3Fも33秒6と悪くなく、秋華賞の有力馬に堂々と名を連ねることになる。ルメール騎手は本番ではアーモンドアイに騎乗するだろうから、騎手が替わってもその自在性ある能力をいかんなく発揮してもらいたい。

 

2着 サラキア 3歳牝 池添謙一騎手 2番人気

スタートで出遅れたにも関わらず、道中、頑張って追いついて、さらに最後はしっかりと勝ち馬より速い33秒4の上がりを見せながら2着。実力を発揮できたとは思うが、ゲートをすんなりで出たらどんな競馬を見せてくれるのか、次のレースが楽しみだ。

 

3着 ラテュロス 3歳牝 秋山真一郎騎手 13番人気

低人気といえども、勝ち馬と遜色ない上がりを見せて3着確保。直線でインをすいすいと駆け上がってくる様子は大波乱!を感じさせるものではあったが、残念ながら半馬身差届かなかった。前に行く競馬続きだったが、ここで新しい競馬を覚えて、もうワンステップ駆け上がれれば、オープン、重賞で活躍できるかもしれない。

 

4着 ゴージャスランチ 3歳牝 横山典弘騎手 8番人気

積極的に逃げて、最後も粘って掲示板に残った。カンタービレが上がってきたのは想定外だったかもしれない。実はこう見えて、まだ掲示板を外したことがない。今後も期待が出来そうだ。

 

5着 ウラヌスチャーム 3歳牝 藤岡祐介騎手 6番人気

1番人気のサトノワルキューレを競り落としての5着。タイムでいえば、サトノワルキューレの方が上がりは0.1速かったが、道中サトノワルキューレより位置取りが前だっただけに最後は優勢となった。末脚には自信がある。これを確信にして今後のレースでも活躍したい。

 

 

総括

紫苑ステークスに続いてローズステークスもルメール騎手の勝利となり、これで秋華賞本番をアーモンドアイが勝ったら、本番も前哨戦もすべてルメール騎手が勝つことになってしまう。

ノームコアも優れた馬のようであり、また今回勝ち上がったカンタービレも春はフラワーカップを勝ち、秋はローズステークスでより良いパフォーマンスをみせて勝ち切っている。

秋華賞ではルメール騎手の手から離れるが、しかし、乗り替わりとなった騎手のチャンスでもある。

また、このレースでの上位入線組もあなどれない。

前哨戦で勝った馬、また惜しかった馬たちも秋華賞での健闘を期待したい。

 

 

(みすてー)

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