【重賞回顧】第64回オールカマー(GⅡ)

ダービー馬の意地を見せろ。秋の大舞台に向け、4歳世代が躍動する。

2017年ダービー馬vs皐月賞馬の対決再び

 

西では神戸新聞杯のダービー馬・ワグネリアンと皐月賞馬・エポカドーロの再戦が盛り上がっている頃、東のオールカマーでは前年度のダービー馬・レイデオロと皐月賞馬・アルアインの対決だ。西も東もダービー馬の秋初戦とあって、どちらも注目は高く、いきなりライバル対決となった。

 

オールカマーは歴史ある重賞の中でも、中距離のエキスパートや夏の上がり馬、地方馬はもちろん海外の馬にも門戸を開き、2200mという距離もあって長距離馬もつかいやすい。その名の通りどんな馬でもこのレースをつかうことができる。また、天皇賞・秋のトライアルレースとしても機能していて、1着に優先出走権が与えられる。

中山巧者や夏の上がり馬の総決算、昨年のルージュバックのように実力がありながら活躍がもうひとつの馬たちの復活レースとしての側面もある。

しかし、今年は違う。有力馬同士のガチなトライアルとなった。

 

大注目はレイデオロ

2017年のダービー馬で同じ年のジャパンカップ2着。キタサンブラックが引退した今、日本競馬のエースと言っても過言ではない。しかし、古馬になってから、単勝1.6倍の断然人気だった京都記念を3着。初の海外遠征だったドバイシーマクラシックで4着と善戦レベル。古馬になってから勝利がなく、秋のG1連戦に向けてのステップとして、このレースはたたき台には違いないが、しっかり勝って格の違いをみせつけたいところだ。中山コースは2歳時ではあるがG1になる前のホープフルステークスと葉牡丹賞(どちらも中山2000m)を制していることから、コース適性については心配ない。久々がどう映るか、また、相手も強い。前哨戦とはいっても、同世代の強力なライバル馬が立ち塞がる。

 

目下、レイデオロのライバルに値するのはアルアイン

皐月賞を勝ち、ダービーは5着。古馬になって京都記念2着とはいえレイデオロに先着している。その後大阪杯では同世代のスワーヴリチャードペルシアンナイトに続いて3着。レイデオロがドバイならアルアインは香港に遠征している。結果はまずまずの5着。悪くはないが、レイデオロ同様白星に恵まれてはいない。皐月賞以来の勝ち星を好成績残る中山で挙げたいものだ。

 

ライバルは他にもいる。ダンビュライトだ。

春のクラシック戦線ではきさらぎ賞、弥生賞、皐月賞と連続3着と好走を続け、ダービー6着や菊花賞5着と地味に結果を残す。古馬と混じってからは12月のサンタクロースステークスをしっかり勝って、年明けのAJCCに積極的に挑み、2馬身差の快勝。中山芝の成績は1.0.2.0と相性がいい。勝ち星を挙げている得意のコースで同世代のG1馬に一泡吹かせたい。今回は武豊騎手を鞍上に迎え、一気に勢力図を塗り替えることになる可能性もある。

 

4歳勢に負けていられない。

先輩古馬の筆頭格は実績でいえばゴールドアクターだ。有馬記念を制し、日経賞を制し、2016年の当レースの勝ち馬でもある。中山は得意コースだ。最近ではめっきり元気がなくなってしまったが、得意コースだけに元気のあるところをみせてもらいたい。

また、面白いのはエアアンセム

7歳になった今年、函館記念を勝ち、重賞初勝利。どんな相手にも2着3着を繰り返す善戦マンを返上し、古豪となっていくのか注目だ。

そして、中山といえばこの馬を忘れてはいけない。ガンコだ。

年末の江坂特別(1000万)から始まった快進撃の集大成が日経賞。今回はあの時よりもさらにメンバーが強くなっているが、先行力ある走りをぜひ披露してもらいたい。時計がかかるようならば、勝機もある。

 

今年の4歳勢は有力馬が多く、非常に強い。

その中でも頂点を究めたダービー馬という冠がつくレイデオロの秋初戦。

前哨戦でいきなり同世代の皐月賞と対決となる。他のライバル馬の顔ぶれをみても簡単に勝てるメンバー構成ではないが、それでも、と期待に胸躍らされる。

今年のオールカマーはなんて贅沢な前哨戦だろうか。

 

 

レース回顧

 

スタートはバラついたスタート。若干立ち上がり気味のブライトバローズブラックバゴはダッシュがつかず、後方から。

1枠1番アルアインは好スタート。1週目の直線で難なく先頭に立とうとするが、押して押してのマイネルミラノが外から並んでくる。鞍上にぐいぐい押されるマイネルミラノとは正反対に涼しい顔をして先頭を譲るアルアイン

2番手以下はミライヘノツバサゴールドアクターが内に入る。

続いてガンコマイネルフロスト。中団にダンビュライトレイデオロがだいたい同じ位置につける。1馬身あとにエアアンセム。さらに1馬身差、後方グループでショウナンバッハブライトバローズ。出遅れたブラックバゴは懸命にポジションをあげていく。

2コーナーを過ぎてマイネルミラノが2番手のアルアインに3馬身差つけて悠々と一人旅。

縦長になってきた馬群の先頭にアルアイン、これも並ぶものがいない。単独で馬群をひっぱる。

1~2馬身差で内と外にミライヘノツバサゴールドアクター

そのあとは内から順番にガンコダンビュライトレイデオロと続き、外をまわってマイネルフロスト

後方グループはほとんど変わらず。

1000m通過は1分0秒5、やや遅め。

先頭のマイネルミラノは3馬身をつけた逃げ。3コーナーから4コーナーへ。縦長だった馬群が固まり、2番手のアルアインも先頭に1馬身ほど差を詰めていることから、徐々にペースアップしているのがわかる。

4コーナーでぐぐっと差が縮まる。

アルアインマイネルミラノを詰め、リードは1馬身半になっていた。

外に持ち出すのはエアアンセムレイデオロ。ここから勝負の分かれ目。

4コーナーから直線、アルアインが動き出す。マイネルミラノをかわして先頭へ。

外からエアアンセムガンコがくる。

しかし、内から抜け出してくる馬がいる。

レイデオロだ。

坂をあがりながら、アルアインを追い詰める。あっという間に単独の2番手から、先頭に並びかける。外からやってくるのはダンビュライト、3番手争いの主導権を握る。

残り100m、アルアインレイデオロの一騎打ち。

並んでいるが脚色がいいのはレイデオロだ。アルアインは差し返す脚がない。

半馬身抜け出して、そのままゴールイン。

ダービー馬と皐月賞馬の一騎打ちはダービー馬に軍配が上がった。

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全着順

第64回産経賞オールカマー(GⅡ)3歳以上オープン(中山・芝2200m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
レイデオロ
牡4
C.ルメール
 2:11.2
2
アルアイン
牡4
北村友一
クビ
3
ダンビュライト
牡4
武豊
3
4
エアアンセム
牡7
田辺裕信
クビ
5
◯地ショウナンバッハ
牡7
三浦皇成
アタマ
6
ブラックバゴ
牡6
池添謙一
1/2
7
ガンコ
牡5
藤岡佑介
3/4
8
ブライトバローズ
牡6
石橋脩
1.1/4
9
マイネルフロスト
牡7
柴田大知
3
10
ミライヘノツバサ
牡5
北村宏司
3.1/2
11
ゴールドアクター
牡7
吉田隼人
クビ
12
マイネルミラノ
牡8
丹内祐次
2

 

 

1~5着馬コメント

1着 レイデオロ

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ゴール前100mでアルアインに並び、競り落とした。昨年の神戸新聞杯以来、一年振りの勝利だ。流石はダービー馬と言える強い勝ち方をみせ、天皇賞やジャパンカップへ向けた幸先のいいステップになった。本調子ではないとレース後のインタビューで鞍上が答えていた。

 

2着 アルアイン

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楽々2番手追走で早目に抜け出し、勝ちパターンかと思いきや……ゴール前でレイデオロに競りかけられ、一瞬は勝負根性をみせるも、最後は脚色が鈍ってしまい惜敗。実力差を見せつけられたが、展開次第では逆転もありうる。次はチャンスをモノにして、逆転を図りたい。

 

3着 ダンビュライト

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力は示したものの、前の二頭が強すぎた。得意コースでの完敗になるが、能力ある馬だけに今後の中距離路線では忘れてはならない存在だ。

 

4着 エアアンセム

相手なりにがんばっているが、今回は相手が悪かった。小回りの中距離路線でまだまだ活躍が期待されるだけに今後も年齢を感じさせない走りを見せてもらいたい。

 

5着 ショウナンバッハ

比べるのは酷だがキタサンブラックの兄である。地味に好走を続けているが、こと、このレースだけは堅実に走る。16年は6着、17年は5着、そして今回も5着だ。何気にこれはこれですごい。きっと得意コースなのだろう。今回は相手が悪かったが、まだまだ好走できる余地があるだけにこれからも応援していきたい。

 

総括

終わってみれば、レイデオロアルアインのレースだったというような印象が強く残る。

ラスト100mからの叩き合いは一騎討ちにふさわしい。

勝ち切ったレイデオロの今後のレース選択が気になるところだが、もしかしたら、ワグネリアンマカヒキといった各世代のダービー馬同士がぶつかるレースもあるかもしれない。

前哨戦とはいえ、アルアインだって負けっぱなしではいられない。同じ世代にはスワーヴリチャードペルシアンナイトもいる。先輩古馬のサトノダイヤモンドシュヴァルグランといったビッグネームとも対決は避けられない。

レイデオロはスペイン語で黄金の王という意味らしいが、その名のとおりになるにはまだまだ多くの強敵が立ち塞がる。

前哨戦を快勝し、意気揚々とG1連戦へ向かうのだろうか。

秋はまだ始まったばかりだ。

楽しみは尽きない。

 

 

(みすてー)

(写真・よしフォト)

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