【今週の重賞情報】アーモンドアイが牝馬三冠を達成するのか?新星登場か?牝馬三冠最終戦・秋華賞

10月14日 京都11R 第23回秋華賞(GⅠ)芝2000m・3歳牝馬定量戦

どんなレース?

1996年に創設された3歳牝馬限定のG1競走です。従来、桜花賞・オークスに続く牝馬三冠レースとしてエリザベス女王杯が設けられていましたが、1996年にエリザベス女王杯が古馬に開放され3歳以上牝馬による競走となったため、新たな4歳(現3歳)牝馬限定のG1競走として設立されました。

 

「秋華」は、中国の詩人である杜甫や張衡が文字通り「あきのはな」として詩のなかで用いた言葉です。「秋」は大きな実りを表し、「華」には名誉・盛り・容姿が美しいという意味が込められています。

 

 

牝馬三冠を達成した馬は? 

エリザベス女王杯が牝馬三冠に含まれた時は1986年のメジロラモーヌが達成しました。

 

秋華賞が牝馬三冠レースになってからは、2003年のスティルインラブ、2010年のアパパネ、2012年のジェンティルドンナが達成しました。

 

 

今年の出走馬 

アーモンドアイ(牝3 美浦・国枝厩舎 55㎏ ルメール騎手騎乗)

 

最大の注目はアーモンドアイの牝馬三冠達成に尽きると思います。

 

前記の三冠牝馬を達成した馬以上のパフォーマンスを桜花賞やオークスで披露した馬です。ローズステークス、紫苑ステークスといったトライアルレースを使わず、いきなり本番という不安があります。が、シンザン記念から3か月間をおいた桜花賞でラッキーライラックを子供扱いにした強さで休養明けの不安はないと思います。

 

ただし、秋華賞はオークスからの直行組は2007年以降3着以内に来た馬がいないレースでもあります。また、他の美浦トレセンの馬、つまり、関東馬は秋華賞との相性が悪く、2011年以降50頭が出走し2着と3着が1回ずつという鬼門のレースでもあります。昨年も1番人気に支持された関東馬のアエロリットは7着に敗れています。

 

とは言え、桜花賞やオークスで見せたパフォーマンスから見ると、嫌なジンクスを吹き飛ばし、牝馬三冠を達成する可能性は十分高いと思います。

 

 

ラッキーライラック(牝3 栗東・松永幹厩舎 55㎏ 北村友一騎手騎乗)

 

もちろん、昨年の2歳女王ラッキーライラックも黙っておりません。桜花賞、オークスともに完璧なレースをしたのに2着、3着と惜敗続きです。ただ、打倒アーモンドアイを果たすには2つのポイントがあります。

 

1つ目は放牧先で右後脚に腫れの症状が見られたため、ローズステークスが使えなかった事です。アーモンドアイは最初から秋華賞一本に絞ったのに対し、ラッキーライラックはローズステークス経由で向かうはずが、それができなかった事。これがどう影響するかがポイントの一つです。

 

2つ目は急遽の北村友一騎手への乗り替わり。デビュー以来コンビを組んでいた石橋脩騎手が先週の月曜日のレース中に落馬。脱臼骨折の大怪我となり、北村友一騎手の急遽の騎乗となりました。大一番での初めて乗る騎手の乗り替わりは非常に悩ましいものです。

 

しかし、今回出走しているメンバーで先着を許しているのはアーモンドアイのみ。加えて、先行力のあるこの馬にとって、京都内回り2000mはベストと言って良いコース。様々なポイントを乗り越え、「3度目の正直」でアーモンドアイを下してほしいものです。

 

 

プリモシーン(牝3 美浦・木村厩舎 55㎏ 北村宏司騎手騎乗)

 

北村は北村でも、関東の北村宏司騎手が騎乗するのは関屋記念を制したプリモシーンです。

 

1600mの関屋記念で強いレースを披露したので、2000mの距離が持つのかというイメージもあるかもしれませんが、血統的背景を見る限りでは大丈夫だと思います。母のモシーンはオーストラリアのG1レースVRCオークス(芝2500m)を制した名馬です。

 

また、母の父のFastnet Rockは名種牡馬デインヒルの産駒ですが、父ディープインパクト、母の系統にデインヒルの血がある馬は活躍馬を多く出しています。日本ではミッキーアイル(マイルチャンピオンシップ)、サトノアレスダノンプレミアム(朝日杯フューチュリティステークス)、海外ではサクソンウォリアー(英国2000ギニー)と活躍馬を出しています。

 

ポイントは初めての関西遠征となった桜花賞で、パドックでテンションの高い面を見せていた事です。馬体重は4㎏しか減っていませんでしたが、テンションが高く、レース前に体力を消耗してしまいました。パドックでいかに落ち着いて歩けているかがポイントとなりそうです。

 

 

カンタービレ(牝3 栗東・中竹厩舎 55㎏ 武豊騎手騎乗)

 

ローズステークスを制したカンタービレ。春先にはフラワーカップも制しており、実績では十分通用します。ローズステークスを制した馬が秋華賞に出走した場合、過去10年で5頭が3着以内に来ている実績があります。

 

特にローズステークスでは4コーナーで早めに先頭に立つ競馬をして、上がり3ハロン(最後の600m)を33.6秒というタイムでまとめた辺り、直線が短い京都競馬場の内回りで行われる秋華賞では有利になると思います。切れ味が鋭い馬を多く出すディープインパクト産駒では珍しいスピードの持続性で勝負する馬です。

 

ラッキーライラックらがアーモンドアイを警戒していく中で、武豊騎手の「ユタカマジック」が炸裂するかもしれません。

 

 

サラキア(牝3 栗東・池添学厩舎 55㎏ 池添騎手騎乗)

 

ここまで上げた馬たちは既にアーモンドアイと対決して、敗れた馬です。未知の魅力という点ではアーモンドアイと初対決の馬が波乱を起こすのではないかと思われます。特に2012年から5年連続2着以内に入っているディープインパクト産駒がアーモンドアイの牝馬三冠を阻止できるのではないでしょうか。

 

その意味ではローズステークス2着のサラキアが不気味な存在になるのではないでしょうか。春は馬体重が430㎏台と小柄な馬でしたが、夏の小倉競馬で446㎏と増加。前走も450㎏と体重が増えています。

 

また、プリモシーンの際に述べた「父ディープインパクト、母の血統にデインヒルが入ると活躍馬が多い」説はサラキアにも当てはまります。サラキアの母の母の父タイガーヒルデインヒルの息子です。

 

当初はモレイラ騎手とのコンビで出走する予定でしたが、モレイラ騎手の騎乗停止により池添謙一騎手とのコンビ。しかし、ローズステークスで2着に入ったのも池添騎手。むしろ、コンビ続投はいい方向になります。

 

池添謙一騎手と池添学調教師は兄弟です。弟が管理する馬に兄が乗ってアーモンドアイの牝馬三冠を阻止する、これも競馬のドラマの1つではないでしょうか?

 

 

ミッキーチャーム(牝3 栗東・中内田厩舎 55㎏ 川田騎手騎乗)

 

夏の北海道開催で3連勝を挙げたミッキーチャームも捨てがたい馬です。ディープインパクト産駒で母の血統にデインヒルの血が入っているのもサラキアと同じです。

 

ミッキーチャームの魅力と言えば母の父のダンジリの存在です。ダンジリの産駒の種牡馬ハービンジャーが、昨年の秋華賞(ディアドラ)、エリザベス女王杯(モズカッチャン)、マイルチャンピオンシップ(ペルシアンナイト)と秋の京都G1レースを3勝しています。

 

今回は初めて背負う55㎏のハンデがどう出るのかがポイントですが、それよりも川田騎手への乗り代わりが魅力です。ファインニードルでスプリンターズステークスを制し、先週も京都大賞典でサトノダイヤモンドを復活。毎日王冠ではキセキを3着にし、復活の狼煙を上げた騎手。勢いでミッキーチャームを秋の女王へ導かせる事も十分にあると思います。

 

 

(おかのひろのぶ)

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