【今週の重賞情報】G1ホースが7頭も集結!天皇賞(秋)を歴史から振り返る

 

 

10月28日 東京11R 第158回 天皇賞(秋)(芝2000m・G1)

どんなレース?

 

天皇賞(秋)は、東京競馬場・芝2000メートルを舞台に古馬最高の栄誉をかけて争われる、長い歴史と伝統を誇る競走です。1905年に横浜の日本レースクラブが、明治天皇から「菊花御紋付銀製花盛器」を下賜されたことにより創設した「エンペラーズカップ」が天皇賞の前身です。

 

その後、東京、阪神、福島、札幌、函館、小倉の計7つの競馬倶楽部で「帝室御賞典競走」として行われていましたが、1936年に「日本競馬会」(JRAの前身)が設立されたのち、翌1937年に各競馬倶楽部が「日本競馬会」に統合されたのを機に、「帝室御賞典競走」は春が阪神、秋が東京と、東西で年2回開催されることとなり、同年の秋季のレースが第1回の天皇賞とみなされました。第3回の1938年秋からは、「4歳以上、芝3200メートル」の競走条件となり、能力検定競走として非公開で開催された1944年の春まで「帝室御賞典競走」の名称で行われていました。

 

太平洋戦争による中断を挟んだ1947年春に『平和賞』の名で復活すると、同年秋から現在の名称である天皇賞となり、以後春は京都、秋は東京で施行されることとなりました。また、勝ち抜き制というシステムが導入され、一度天皇賞を制した馬は出走できないシステムが1980年の秋まで続きました。

 

しかし、1981年にはジャパンカップが創設されると、11月下旬開催の天皇賞(秋)が10月下旬に移行。さらに、世界の競馬がスピード重視に重用されると、1984年から天皇賞(秋)は距離が3200mから2000mへと一気に距離が短縮されました。1987年からは天皇賞(秋)の出走条件がそれまでの「4歳馬以上」から「3歳馬以上」と3歳馬の出走が可能となりました。1996年にはバブルガムフェローが3歳馬として初めて天皇賞(秋)を制しました。

 

長い間、出走資格を内国産の牡馬・牝馬のみに限定してきましたが、2000年春に初めて外国産馬に門戸が開かれ、2001年の天皇賞(秋)ではアグネスデジタルが外国産馬として天皇賞を制覇。また、2000年の秋からは、秋の古馬三冠制度が創設。天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念を同一年度で制した馬には報奨金が与えられる事となり、これまでテイエムオペラオー(2000年)とゼンノロブロイ(2004年)の2頭が達成しています。

 

天皇賞春秋連覇を達成した馬はどんな馬?

 

1981年から天皇賞を制した馬の再度の出走が認められるようになりましたが、これまでに6頭の馬が天皇賞春秋連覇を達成しました。

 

1988年の天皇賞春秋連覇を果たしたタマモクロス。1989年には天皇賞(秋)を、翌1990年には天皇賞(春)を制したスーパークリーク。この2頭の天皇賞(秋)の2着馬はいずれもオグリキャップでした。

 

1999年にはスペシャルウィークが天皇賞春秋連覇を達成。翌2000年にはテイエムオペラオーが天皇賞春秋連覇を達成しました。この年のテイエムオペラオーは8戦して無敗「世紀末覇者」というニックネームが付けられました。

 

2007年にはメイショウサムソンが天皇賞春秋連覇を達成しました。当初は凱旋門賞に出走する予定でしたが、当時流行した馬インフルエンザの影響で遠征を断念。凱旋門賞遠征の悔しさを天皇賞(秋)で晴らしました。

 

そして、記憶に新しい所では昨年のキタサンブラックです。前年は天皇賞(春)を制したものの、天皇賞(秋)を回避。昨年は天皇賞(春)を制したのですが、宝塚記念で大敗し、凱旋門賞出走を断念。ぶっつけ本番で挑んだ天皇賞(秋)は台風の影響で土砂降りの中で行われ、スタートで遅れながらも、武豊騎手の好判断で見事天皇賞春秋連覇を達成しました。

 

今年の天皇賞(春)を制したレインボーラインは故障のため引退。もし、レインボーラインが出走したら、どんな結末が待っていたのでしょうか?

 

天覧競馬について

 

今年でもって平成時代の天皇賞(秋)は最後となります。現在の天皇陛下は皇太子時代の1987年に観覧。2005年には「エンペラーズカップ100年記念」として天皇賞(秋)をご観戦になられました。実に106年ぶり、天皇賞では史上初の「天覧競馬」が実現。優勝したヘヴンリーロマンスの松永幹夫騎手(現・調教師)が馬上から脱帽し、最敬礼を行いました。

 

2012年には「近代競馬150周年記念」と副題がつけられ、7年ぶりに天覧競馬が実施されました。優勝したエイシンフラッシュのミルコ・デムーロ騎手はコース内でいったん下馬して最敬礼を行いました。本来、レース確定までの間は、コース内で下馬する事は騎乗馬が故障した場合を除き禁止する規則に触れていますが、制裁対象ではないとの結論に至りました。

 

今年の出走馬について

 

今年のダービー馬ワグネリアン、昨年の秋華賞馬ディアドラの回避は残念ですが、G1ホースが7頭も集う豪華なメンバーで行われます。さらに、前年の皐月賞馬、ダービー馬、菊花賞馬が出走する事もあって、メンバーの厚みも増した感がします。

 

レイデオロ(牡4 美浦・藤沢和厩舎 58㎏ ルメール騎手騎乗)

 

昨年のダービー馬のレイデオロ。4歳を迎えた今年は京都記念から始動し、断然の1番人気に支持されたものの、瞬発力のそがれる重馬場の3着。前々走のドバイシーマクラシックも4着と敗れました。

 

 約6か月の休養を挟み、帰国初戦となった前走のオールカマーでは、中団馬群で折り合いに専念。直線はアルアインの直後から虎視眈々と迫り、鮮やかな差し切り勝ちを飾り、昨年のダービー以来の勝利を挙げました。

 

1週前の調教でアクシデントがありましたが、その後の日曜日の調教、さらに本調教でリカバリーができての出走。デビュー戦で勝った東京2000mがベストの舞台と思うので、ルメール騎手の3週連続G1レース制覇にも期待したいところです。

 

 

アルアイン(牡4 栗東・池江厩舎 58㎏ 北村友騎手騎乗)

 

昨年の皐月賞を1分57秒8のレースレコードで優勝したアルアイン。その後は勝ち星に恵まれていませんが、国内の中距離では安定した走りを見せています。

 

京都記念では2着に入りレイデオロに先着。続く大阪杯ではスローペースを好位で進み、向正面でスワーヴリチャードが一気にポジションを上げると、その動きに合わせて進出を開始。直線半ばで1度は2番手に浮上して見せ場を作りました。結果は3着でしたが、内容のあるレースでした。

 

その後遠征した香港G1クイーンエリザベスⅡ世カップは5着に敗れたものの、前走のオールカマーではレイデオロに敗れはしましたが、内容のある2着でした。

 

こちらも休養明けのレースを使っての良化が見込めます。東京コースはダービーの5着のみですが、前走より200mの距離短縮は魅力的です。瞬発力勝負に脆さが見えますが、ハイペースになれば皐月賞以来の勝利、騎乗する北村友一騎手に初のG1レース制覇も期待できます。

 

 

キセキ(牡4 栗東・中竹厩舎 58㎏ 川田騎手騎乗)

 

昨年の菊花賞を制したキセキ。勝ちタイムが3分18秒9と菊花賞史上でも過酷なレースを勝った反動が大きかったのか、春の日経賞9着、宝塚記念8着と振るいませんでした。

 

前走の毎日王冠は6番人気の低評価でしたが、終始2番手を進め、勝ったアエロリットとは0.2秒差の3着と復活の狼煙をあげました。距離が200m延長する事はプラスだと思います。

 

最も強い馬が勝つ、と言われる菊花賞を制したキセキ。今年の秋のG1で好調の川田騎手で完全復活をアピールできるのでしょうか。

 

 

スワーヴリチャード(牡4 栗東・庄野厩舎 58㎏ デムーロ騎手騎乗)

 

今年になって急成長したのが昨年のダービー2着馬のスワーヴリチャード。今年は金鯱賞ではサトノダイヤモンドを破り、苦手の右回りで行われた大阪杯では後方から一気に捲り上げるデムーロ騎手の策がハマり、初のG1タイトルを獲得。前走の安田記念は初めての1600mでしたが、勝ったモズアスコットとは0.1秒差の3着と健闘しました。

 

休養明け初戦がいきなりG1レースというハンデがありますが、得意の東京コースの芝2000mで行われるので不安はないと思います。ルメール騎手の活躍で隠れていますが、デムーロ騎手の存在も不気味です。

 

 

マカヒキ(牡5 栗東・友道厩舎 58㎏ 武豊騎手騎乗)

 

もちろん、4歳馬のG1ホースばかりが主役ではありません。一昨年のダービー馬マカヒキの復活も十分考えられます。

 

2016年のニエル賞(フランスG2)以来勝っていませんが、昨年の天皇賞(秋)は5着、ジャパンカップは4着と健在をアピールしていく中での骨折。宝塚記念にも出走できるくらいの程度でしたが、札幌記念まで休養。それが功を奏したのか、札幌の短い直線で後方から追い込んでハナ差なら十分な結果と言えると思います。

 

ダービーで死闘を演じたサトノダイヤモンドは京都大賞典で復活。おそらくジャパンカップで対決すると思いますが、マカヒキもここで完全復活をアピールしたいところです。

 

 

その他G1ホース組では宝塚記念を制したミッキーロケット(牡5 栗東・音無厩舎 58㎏ 和田騎手騎乗)、ドバイターフを制したヴィブロス(牝5 栗東・友道厩舎 56㎏ 福永騎手騎乗)が出走します。また、札幌記念でマカヒキを負かしたサングレーザー(牡4 栗東・浅見厩舎 58㎏ モレイラ騎手騎乗)、オールカマー3着のダンビュライト(栗東・音無厩舎 58㎏ 戸崎騎手騎乗)が出走します。

 

10年前の天皇賞(秋)はウオッカダイワスカーレットディープスカイの名勝負がありました。少数精鋭の13頭立てで行われる今年の天皇賞(秋)。どんな結末が待っているのでしょうか?

 

 

(おかのひろのぶ)

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