【重賞回顧】第56回アルゼンチン共和国杯(GⅡ)

府中の坂で抜群の切れ味しめす、オドノヒュー騎手重賞初勝利

上がり調子の東京巧者に人気が集まる 、重賞勝ち馬の復権はあるのか

 

実にクセのあるレースだ。

東京競馬場の2500mというのが他に施行されるのは、ダービーの週の目黒記念しかない。

距離は半端なれど、この時期に開催されるには意味がある。

年末の有馬記念に向けて、競馬場は違うが同じ距離を走れる唯一のレースなのだ。

地味なレースだと思われていた方に伝えたいのは、過去3年の勝ち馬はスワーヴリチャードシュヴァルグランゴールドアクター

ここを勝ち、有馬記念に勝利するか、翌春以降にG1を勝って活躍している。

実力を試し、賞金を上積みして、一流への道を歩んでいる。

また、目黒記念とアルゼンチン共和国杯というレースのみを勝つ、リピーターのような馬もいた。

 

今回のメンバーはどうだろうか。

実はこれがまた興味深いメンバー構成だ。

目黒記念勝ち馬のウインテンダネスに人気が集まるかと思えば、そうではなく。

準オープン上がりのムイトオブリガード、準オープンで2着続きのルックトゥワイス、日経新春杯勝ちのあるパフォーマプロミスの3頭が人気を集めた。

同コースで開催される目黒記念を勝ったウインテンダネスはその次の4番人気。また、ウインテンダネスの2着だったノーブルマーズは宝塚記念で3着という結果を残しながらも、5番人気。さらに春の日経賞を勝ち、天皇賞春では3番人気にも推されたガンコは6番人気、ステイヤーズステークス3連覇を成し遂げたアルバートに至っては7番人気という評価。アルバートは58.5キロというトップハンデがかなり重くのしかかるとしても、ミスターステイヤーとして、一定以上の成績は残したいところだ。

 

人気が集まった、ムイトオブリガードルックトゥワイス。調子についてはとりあえず置いておいて、どちらも東京2400mのレースで勝ち負けが続き、安定した走りをする地の利的な実績が評価された面がある。

ここらで初重賞戴冠として、箔をつけ、今後のステップアップ、大レースへの布石となるか、試金石だ。

 

新興勢力の台頭か、実績馬の意地か、レースの展開次第ではどの馬にもチャンスがある。

 

また、勝った馬が今後、煌びやかな一線級に踊りでるかも注目していきたい。

 

 

レース回顧

 

少しばらついたスタート。外枠のルックトゥワイスアルバートホウオウドリームがワンテンポ遅れている。

先頭争いは外からウインテンダネスがぐいぐいおされて、ハナへ向かう。内枠の馬たちがかたまり、逆にウインテンダネスは様子をみるように追いかける。ノーブルマーズエンジニアノーブルマーズが外からくるウインテンダネスの様子をうかがいながら先頭へ。

パフォーマプロミスがその後ろに続き、外からヴォージュもおいついて、先頭集団を形成する。1コーナーをカーブして、コーナーワークで今度はウインテンダネスが先頭へ。ノーブルマーズも無理していかない。1馬身差でヴォージュノーブルマーズ。2馬身離れてエンジニアマコトガラハッド。さらに2馬身離れて、隊列のちょうど真ん中にパフォーマプロミス。1馬身ずつ離れてガンコムイトオブリガードトウシンモンステラルックトゥワイスアルバートホウオウドリーム

1000m通過が62秒8。

ゆっくりとしたペースの中、先頭のウインテンダネスのリードが3馬身ほどとなっている。

3コーナーを前にして2番手追走のノーブルマーズヴォージュが徐々に差を詰める。

3コーナーから4コーナーへ。

少しずつペースがあがって、隊列は変わらず、差は詰まる。

600mを切って、直線へ。

ウインテンダネスはまだ持ったままで先頭。

馬場の真ん中から、ぐいぐい押されて徐々に進出してくるのは黄色い帽子の2頭。

パフォーマプロミスマコトガラハッド

後方からいい脚で伸びてくるのがムイトオブリガード

残り200mでウインテンダネスのリードは1馬身半ほど。どれだけ粘れるか。

2番手だったヴォージュノーブルマーズは後退していく。

脚色が衰えない黄色い帽子の2頭。特にパフォーマプロミスは鞍上の鞭に応え、もう一段階ギアが上がっていく。ウインテンダネスをとらえる。

マコトガラハッドはついていくのがようやくで1馬身の差がつく。

外からムイトオブリガードが追いこんでくるがマコトガラハッドとの2番手争い。

パフォーマプロミスが堂々ゴールイン。

日経新春杯に引き続き、重賞2勝目を飾り、オドノヒュー騎手は来日して重賞初勝利となった。

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全着順 

第56回アルゼンチン共和国杯(GⅡ)3歳以上・オープン(東京・芝2500m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
パフォーマプロミス
牡6
C.オドノヒュー
 2:33.7
2
ムイトオブリガード
牡4
四位洋文
3/4
3
◯地マコトガラハッド
セ5
石川裕紀人
1/2
4
ウインテンダネス
牡5
松岡正海
1/2
5
エンジニア
牡5
北村宏司
1.1/4
6
ガンコ
牡5
三浦皇成
ハナ
7
ヴォージュ
牡5
藤岡康太
アタマ
8
ルックトゥワイス
牡5
北村友一
ハナ
9
ノーブルマーズ
牡5
高倉稜
1
10
アルバート
牡7
田辺裕信
3/4
11
ホウオウドリーム
牡4
蛯名正義
3/4
12
トウシンモンステラ
牡8
柴田大知
1.3/4

 

 

 1~5着馬コメント

1着 パフォーマプロミス

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切れ味ある末脚で重賞2勝目を飾り、オドノヒュー騎手に重賞初勝利をもたらした。逃げ切りを企むウインテンダネスの粘りを横目に、32秒台の脚は強烈。得意の脚を思い切りつかえる馬場状態、展開に恵まれた。

 

2着 ムイトオブリガード

ゴール前、勝ち馬にわずかに迫ったが、届かず。勝ち馬とほとんど同じ脚をつかったが、位置取りの差がそのまま着順に出た。準オープン勝ちからの昇級戦での重賞挑戦で2着まで到達。結果を出している東京コースの長距離で重賞レベルの力があることを証明した。

 

3着 マコトガラハッド

11番人気という低評価であったが、先行勢の中ではよくがんばった。最後ではあわやの場面もあり、今後のレースに期待が持てそうだ。前回も3着で今回も3着。スローペースのもたらした上がり勝負がよかったのか、あるいはもしかしたら東京コースが合うのかもしれない。

 

4着 ウインテンダネス

ゆったりと逃げたのはいいが、瞬発力勝負となった、逆に分が悪くなった。もうちょっとペース配分に工夫が必要だったかもしれない。

力のある馬ではあるので、また好走の機会があるだろう。

 

5着 エンジニア

重賞勝ちのあるガンコとハナ差で5着をもぎとる。この馬なりにがんばった。上記4頭とは少々差があるので、もう一息レベルアップが必要になり、このレースでの好走をきっかけにしたい。

 

総括

ウインテンダネスのペースがもっと流れたら、おそらく変わっていただろう。

あのスローペースでは、瞬発力のある馬が圧倒的に有利になる。

2500mという長めの距離を勝ったということになるが、上がり勝負だったという注文付きでの勝ち星だ。

だとしても、パフォーマプロミスの切れ味は抜群だった。

勝った馬が強い。それはもちろんだ。

しかし、競馬はペースや展開において、向き不向きが如実に表れる。

今回はそれぞれの馬がそれぞれの分野で活躍している一方で、実際のレースが始まったときにこういう場合では何が得意なのか、教えてくれたような、趣き深いレースだった。

 

 

(みすてー)

(写真・かぼす)

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