【重賞回顧】第23回東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)

次のダービー馬を目指せ! クラシックに希望つなぐ

将来を期待された素質ある1勝馬たちへの試練

 

時期的な都合もあり、つかいやすいステップレースなのであろう。

ここ10年で当レースを勝ち、のちにクラシックで活躍したか、G1ホースになったのは6頭。

昨年の勝ち馬はワグネリアン、そう、今年のダービー馬だ。

今年はどんな素質馬たちの競演がみられるのだろうか。

 

このレースに挑むメンバーは当たり前の話だが、ここまでのキャリアはまだまだ浅い。

13頭立てのメンバーで1戦1勝がなんと6頭と約半分を占める。

2勝しているのはカテドラル(野路菊ステークス・OP)、ニシノデイジー(札幌2歳ステークス・G3)、トーラスジェミニ(百日草特別・500万下)の3頭だけ。

 

しかし、人気はキャリアだけでは語れない。1勝馬たちの新馬戦のパフォーマンスが優れており、ここのところ絶好調の外国人ジョッキーが跨ると知れば食指はそちらに動くもの。

特に、ディープインパクト産駒のルヴォルグは新馬戦では当レースと同じコースをルメール騎手騎乗で最速の33.6秒で4馬身の差をつけ、快勝。今回はR.ムーア騎手に乗り替わりとはいえ、名手に違いはない。ここは通過点だと考えた人は多かっただろう。

 

今回エントリーのある1戦1勝馬はそのすべてが新馬戦で33秒台の脚であがっている。その中でも、ホウオウサーベル(父ハーツクライ)は新潟のマイル戦で3馬身半の差をつけ、勝利。2着のマイネルエキサイトは未勝利を勝ちあがり、芙蓉ステークスに挑むなど相手としても悪くなかった。デビュー戦と同じくM.デムーロ騎手の鞍上も心強い。

重馬場の阪神マイルを約2馬身差つけて差し切ったヴァンドギャルド(父ディープインパクト)もC.デムーロ騎手騎乗で注目が集まっている。この時の3着メイショウショウブはデイリー杯で2着と健闘し、これを物差しとするならば上位評価でも悪くない。

 

新種牡馬ジャスタウェイの素質馬ヴェロックスも期待された1頭だ。野路菊ステークスで半馬身差をつけられたカテドラルに一矢報いたい。

カテドラルの方は兄にジェベルムーサ(エルムS)を持ち、ここも通過点としてクラシックに駒を進めたいところ。2歳戦から実績を残し、成長力あるハーツクライ産駒らしく息の長い活躍を見せてほしい。

 

札幌2歳ステークスの1着ニシノデイジー(父ハービンジャー)、2着(地)ナイママ(父ダノンバラード)にも注目したい。

ニシノデイジーは函館で新馬を勝ち、札幌で2歳ステークスに挑み、連勝した。時計のかかる馬場から高速馬場に移り、秋の府中の坂への対応がカギだ。ナイママも地方馬といえど、コスモス賞を中央の馬相手に勝ち、札幌2歳ステークスで2着。このまま上位争いを続けられるか、試金石だ。こう見えて父ダノンバラードの初年度産駒として現在トップの成績なのだ。

また、ナイママが勝ったコスモス賞2着のアガラス(父ブラックタイド)も新馬戦時に当コースを勝っており、今回侮れない存在だ。

 

このように、実力が抜けた1頭がいない混戦模様に、素質馬たちがどのような走りを見せるのか、今後を占う上でチェックしておきたい。

 

 

レース回顧

スタートは1番人気ルヴォルグが一歩出遅れ。そのまま最後方に位置付ける。

先頭は1枠1番のハクサンタイヨウが飛び出していく。外からトーラスジェミニが追いかけて、並んで、追い越していく。そのすぐ後ろにクリノガウディーがつけ、先頭の3頭がペースを握る。

インコースからカテドラル、外にナイママが先頭の3頭の様子を窺い、1馬身離れて中団グループ。ヴェロックスメイスンハナフブキが並び、インコースすぐ後ろにニシノデイジー、外にはゴータイミング。その後ろも固まって、ヴァンドギャルドトーセンギムレットアドマイヤスコール、そしてアガラスがほぼ横並び。

後方はダノンラスターホウオウサーベル、一番後ろにルヴォルグ

先頭はトーラスジェミニ。1000mを60秒3で通過していく。

3コーナーから4コーナーへ馬群はぎゅっと詰まってくる。

ピンクの帽子、ゴータイミングの勢いがありそうだ。

ルヴォルグも最後方で手綱を追われている。

馬群の中団は大混雑、進路を外目にとる馬が多く、横長になる。

クリノガウディーが先頭で粘っているトーラスジェミニを競り落とす。

馬群の中からじわじわ伸びてくるのはカテドラル

外から切れる脚をみせるヴァンドギャルドが迫ってくる。ニシノデイジーと併せ馬になり、2頭揃って一気に先頭に迫る。

さらに外からはアガラスヴェロックスが2頭で競り合いながら突っ込んでくる。

ゴール前は大混戦。

4頭が横に広がって、ニシノデイジーが一歩抜け出したところがゴール。

出遅れた1番人気ルヴォルグは掲示板にも載ることができなかった。

 

 

全着順

第23回東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)2歳オープン(東京・芝1800m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
ニシノデイジー
牡2
勝浦正樹
 1:46.6
2
アガラス
牡2
W.ビュイック
ハナ
3
ヴァンドギャルド
牡2
C.デムーロ
アタマ
4
ヴェロックス
牡2
C.ルメール
ハナ
5
ダノンラスター
牡2
J.モレイラ
1.3/4
6
ホウオウサーベル
牡2
M.デムーロ
1.1/4
7
クリノガウディー
牡2
戸崎圭太
クビ
8
アドマイヤスコール
牡2
田辺裕信
1/2
9
ルヴォルグ
牡2
R.ムーア
3/4
10
ハクサンタイヨウ
牡2
松岡正海
1.1/4
11
カテドラル
牡2
福永祐一
クビ
12
トーラスジェミニ
牡2
木幡育也
3/4
13
□地ナイママ
牡2
柴田大知
1.1/4
14
トーセンギムレット
牡2
三浦皇成
ハナ
15
ゴータイミング
牡2
武豊
2.1/2
16
メイスンハナフブキ
牝2
石川裕紀人
大差

 

 

1~5着馬コメント

1着 ニシノデイジー

ゴール前、ヴァンドギャルドとの競り合いにも負けず、そのまま勢い衰えず、接戦をものにした。ヴァンドギャルドに競り掛けられてから、もう一伸びしており、勝負強さがうかがえる。札幌で勝った実績を証明し、東京の馬場にも対応できることを実践した。今後の伸び白に大いに期待できそうだ。3代前がニシノフラワーというのもおもしろい。

 

2着 アガラス

下馬評では低評価だったが、上がり最速をマークし、実力を示した。最後方にいたのにもかかわらず、最後の伸びはなかなかのもの。似たような位置にいたルヴォルグが9着なので、この馬の健闘ぶりがよくわかる。コスモス賞では負けたナイママと立ち位置が逆転する内容だ。

 

3着 ヴァンドギャルド

1戦1勝の馬の中ではトップの着順。勝ち馬とはタイム差なしのハナ、アタマ差。いい脚をつかって伸びてきたが、ニシノデイジーに併せ馬になり、競り負けた。運悪く、外から突っ込んできた2頭ときわどい勝負になった。自身の武器を存分につかえたレースではあったので、今後にも期待がもてる1頭だ

 

4着 ヴェロックス

ここまでがタイム差なし。混戦で競り負けた。いい脚をつかっているが、最後の最後が甘かった。賞金を加算できなかったのが手痛いが、自己条件に戻れば勝ち負けの実力はある。

 

5着 ダノンラスター

5着以下は上位陣から2馬身近く離されているが、6着ホウオウサーベルとともに最後方からいい上がりで飛び込んできている。決め手はあるのであとは展開と位置取りが今後の課題か。

 

 

総括

 

ゴール前、一挙に押し寄せて、ニシノデイジーが競り勝った。

直線で先に仕掛けた馬たちと着順が入れ替わったかたちだ。

結局、1、2着は2戦目でいい走りをみせた2頭だった。

2着から6着まですべて外国人騎手の中で勝浦騎手は勝利をもぎ取った。

混戦をズバッと切れて圧巻のパフォーマンスとはならなかったが、逆に言えば実力伯仲でまだまだ幼い2歳馬だ、ここから巻き返してくることも充分に考えられる。

 

そして、勝ったニシノデイジーの母系を辿れば、祖母はセイウンスカイニシノフラワーの子。

クラシックで活躍したニシノフラワーも札幌3歳ステークス(現・札幌2歳S)、デイリー杯、阪神3歳牝馬S(現・阪神JF)へと進んだ。

ニシノデイジーも順調にいけば朝日杯に進むだろう。

クラシックにニシノの名を再び刻めるだろうか、今後へと希望をつなぐ勝利となった。

まだまだ2歳。勝った馬、惜しくも敗れた馬たちの今後の活躍に期待したい。

 

 

(みすてー)

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