【重賞回顧】第13回阪神カップ(GⅡ)

暮れの阪神重賞の最後は大駆け!好メンバーを軒並み退ける逃走劇

G1馬5頭の競演、他にも有力馬揃い踏み

 

まるでG1である。

翌日に有馬記念を控え、有馬一色となるなか、阪神最後の重賞である阪神カップが阪神競馬場、芝1400mで開催される。

格付けでいえばG2ではあるが、好メンバーが揃った。

1400mという距離はマイルとスプリント、どちらの有力馬も出やすいようで必然的にメンバーが揃うようだが、それにしても顔触れが豪華だ。

 

今年のヴィクトリアマイルを勝ったジュールポレール

16、17年スプリンターズステークスを連覇したレッドファルクスは今回が引退レース。

16年朝日杯を勝った、サトノアレス

17年桜花賞を勝った、レーヌミノル

今年のNHKマイルカップを勝ったケイアイノーテック

 

しかし、栄光は長く続かない。

 

ジュールポレールは府中牝馬ステークスでディアドラに完敗。マイルCSでは3歳馬ステルヴィオの6着に敗れた。相手が悪かったとはいえ、今回はスプリント路線から強豪が集まり、改めて地力が問われる。

 

レッドファルクスはスプリントのチャンピオンだったが、今年は往年の勢いがなく、凡走を続けている。ただ唯一、春の阪急杯で3着に入っている。その阪急杯こそが今回と同じ舞台。最後に一駆け出来るか、期待したい面はある。

 

サトノアレスは、朝日杯後は巴賞を勝ったのを最後に勝ち星がない。とはいえ、安田記念4着などマイル重賞では好走を続けている。今回のような1400mは京王杯の3着のみだ。悪くはないが勝ち切れるか。

 

レーヌミノルは厳しい走りが続いている。強い相手ばかりと戦ってきたという面もあるが、昨年の阪神カップも勝ち馬から0.6秒差の7着。近走から考えても、いいイメージがなく、このあたりで復調の兆しが見せられないと今後も厳しい。

 

3歳のケイアイノーテックはNHKマイルカップ勝利後、秋は毎日王冠で古馬に挑み、5着。上位はレイデオロキセキといった強いメンバーなので、これは好走とはいえるだろう。しかし、マイルCSでは逃げたアエロリットと一緒に潰れてしまい、同じ3歳馬のステルヴィオに水をあけられてしまった。今回はどうだろう。1400mは初めての経験となる。ここをこなすようなら、来年の活躍も期待できそうだ。

 

ご覧のとおり、G1を勝った馬とはいえ盤石ではない。

ファンから見ても検討材料が多すぎて、これぞとはならない。

その結果、10倍台のオッズが7頭と混迷を極めている。

 

春に京王杯SCを勝ったムーンクエイク。秋には結果が出ていないが、絶好調ルメール騎手騎乗、京王杯と同じ1400mで、今回は期待できると人気上位に押し出される。

 

関屋記念、京成杯AH、富士Sと3走連続の2着のワントゥワン。新潟、中山、東京と各競馬場を跨いでいても2着に来ることから今回も好走できると思った方も多いだろう。1400mも3勝しているが阪神1400ははじめて。最近はマイルが多いのでどのように立ち回るかが注目だ。

 

3歳馬で人気になったのは実はケイアイノーテックではなく、ミスターメロディだ。ミスターメロディは春のニュージーランドトロフィーを勝ったあと、NHKマイルカップ4着。秋は11月の東京から始動でオープンのオーロカップ(芝1400m)で5着。ケイアイノーテックと差が出ているようにみえるが、ローテーション的には余裕がある。

 

一昨年の当レース勝ち馬、シュウジも忘れてはいけないだろう。近走もうひとつの走りが続いているが、かつてのパフォーマンスを思い出してもらいたいところだ。

 

同じ様な話がもう1頭、ダイアナヘイローだ。今年の春の阪急杯を勝っている。阪急杯はこの阪神カップと同じコースで施行される。条件は一緒だ。11月の京阪杯で3着に入っており、復調気味。得意の条件で巻き返したい。

 

先行する馬が多そうなメンバーであり、また、後方からの馬も大いにいる。

展開面でもどの馬が行き、どの馬が控えるのか。そのあたりも注目してみていきたい。

 

 

レース回顧

 

スタートはきれいに揃った、かに見えたが、ムーンクエイクが完全に出遅れ。

3馬身ほどいきなり差が出来てしまったが、なんとか詰めようとダッシュをかける。

先頭争いは内枠を活かしてぐいぐいと出てくるのがダイアナヘイロー

2番手にラインスピリットがゆるやかに追いかける。3番手外からレーヌミノル、内にややかかり気味のミスターメロディ

1馬身あとに、内にダイメイフジ、外にベステンダンク、間に芦毛の馬体のレッドファルクス

その後ろに4頭並ぶ、シュウジケイアイノーテックカルヴァリオスターオブペルシャ

後方集団はサトノアレスジュールポレールが並んで前の様子をうかがう。

その2馬身後ろに出遅れたムーンクエイクワントゥワンが控えている。最後方はそれからさらに5馬身離れてぽつんとヒルノデイバロー

600mを34.8秒で通過。3コーナーから4コーナーにかかって、馬群は一団となる。

先頭はダイアナヘイロー、リードは1馬身。2番手はラインスピリットレーヌミノルミスターメロディと変わらず。

ダイアナヘイローのリード変わらず直線へ。後続が差を詰めてくる。

直線に入ってダイアナヘイローの手ごたえはゆるまない。ミスターメロディが抜け出して、ダイアナヘイローを追いかける。3番手以降は多数の馬が並んだ。

残り200mで差が出る。

先頭のダイアナヘイローはバテることなく、ミスターメロディと叩きあう。

横一線に並んでいた馬群からダイメイフジスターオブペルシャががんばっている。

レッドファルクスが一瞬、抜け出すかと思いきや、脚が止まってしまう。

最後の100mを切ったところ、ようやくジュールポレールが突っ込んでくるが間に合わない。

ケイアイノーテックワントゥワンという有力どころたちがレッドファルクスを交わすが、先頭まではまだ距離がある。大勢決したか。

ダイアナヘイローがハナを譲らない。

ミスターメロディは半馬身差を詰められず、ゴールイン。

菱田騎手が自身2勝目の重賞勝利を11番人気で逃げ切った。

 

 

全着順 

第13回阪神カップ(GⅡ)3歳以上オープン(阪神・芝1400m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
ダイアナヘイロー
牝5
菱田裕二
 1:21.1
2
◯外ミスターメロディ
牡3
C.デムーロ
1/2
3
スターオブペルシャ
セ5
杉原誠人
1.3/4
4
ダイメイフジ
牡4
酒井学
1.1/4
5
ジュールポレール
牝5
川田将雅
ハナ
6
ケイアイノーテック
牡3
M.デムーロ
1.1/4
7
ワントゥワン
牝5
藤岡佑介
1.1/2
8
レッドファルクス
牡7
福永祐一
クビ
9
ベステンダンク
牡6
H.ボウマン
1/2
10
ラインスピリット
牡7
松山弘平
1.1/4
11
カルヴァリオ
セ5
武豊
クビ
12
シュウジ
牡5
岩田康誠
1/2
13
レーヌミノル
牝4
和田竜二
1.3/4
14
ムーンクエイク
セ5
C.ルメール
1.1/4
15
サトノアレス
牡4
川田将雅
3
16
◯地ヒルノデイバロー
牡7
四位洋文
大差

 

 

1~3着馬コメント

1着 ダイアナヘイロー

春の阪急杯を勝っているのに、11番人気。展開の利もあると思うが、得意のコースで見事逃げ切った。先行して、どの馬からも絡まれなかったのがよかったのだろう。当レースは連覇する馬が多いので、得意な馬が好走するケースなのかもしれない。春の阪急杯に出走するようなら注目だ。その時も菱田騎手がうまく逃げてくれるかも楽しみたい。

 

2着 ミスターメロディ

こちらは逆に、ニュージーランドトロフィーを勝ったのみで古馬には勝ったことがなかった。それなのに、2番人気に支持され、2着。結果はファンの見方が正しかったわけだが、このメンバー相手にこれだけの走りをするのだから、来年のスプリント~マイル路線をかきまわしてくれることを十分に期待ができる。

 

3着 スターオブペルシャ

実は半兄のロサギガンティア(父フジキセキ)は2015年の当レース勝ち馬だ。そんなことも関係あるのだろうか。12番人気という低評価ながら、3着に食い込んだ。阪神1400mにも勝ち星があるし、得意のコースだったのかもしれない。前の2頭が1着、2着なのに対して、後方から追い込んだ馬での最先着をもぎとるなど、メンバーがメンバーだけに実力面でも評価できそうだ。今後も1400m戦では注意したい。

 

 

総括

人気が低いからといって実力が伴っていないわけではない。

自分の走りを貫き、それが結果をともなっただけだ。

直線、ダイアナヘイローを最後まで追い詰めたのは3歳馬のミスターメロディ。じりじりと追い詰めるも差し切ることはできなかったが、充分に今年の強い3歳馬の一員であることをアピールできた。後続は人気薄のスターオブペルシャダイメイフジ。そしてジュールポレールケイアイノーテックワントゥワンといった有力どころが最後の最後で差を詰めたが、上りがほとんど同じでは追いつけない。

ダイアナヘイローと菱田騎手の見事なペース配分もそうだが、前に行く馬としてもう少し評価されてもよかったのではないかと思えてくる。

また、ムーンクエイクが完全に出遅れてしまったのが、もったいないところ。どんなに有力な馬でもこれでは厳しい。

それにしても、ダイアナヘイロー

大駆けというには失礼な気がする。

春に阪急杯を勝っているのに、この人気薄。

逆にそれが菱田騎手への追い風になったのかもしれない。

外国人騎手が勝ちまくる昨今、うれしい重賞2勝目のタイトルだ。

 

 

(みすてー)

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