【重賞回顧】第35回ホープフルステークス(GⅠ)

アフター有馬は希望への旅立ち。つなげ栄光の春へ

 

祭りのあと、襲ってくる寂寥感はたまらない。有馬記念から4日が経った中山競馬場には余韻と寂しさを忘れさせる熱い戦いがある。

それがホープフルステークス。2歳GⅠ。それは来春クラシックへの旅の途中駅。その名の通り希望に満ちた明日への戦いだ。

 

新馬、萩ステークスと2連勝中のサートゥルナーリアは母シーザリオ、父ロードカナロアの超良血馬。オープンの萩ステークスをほぼ馬なりで完勝。兄にリオンディーズエピファネイア、レース内容、血統背景ともに申し分ない。

 

未勝利、500万下連勝中のアドマイヤジャスタは新種牡馬ジャスタウェイが送る1頭。母アドマイヤテレサ、兄にダイヤモンドステークスを勝ち、豪州GⅠコーフィールドカップを制したアドマイヤラクティがいる。こちらも良血だ。

 

2歳実績でいえば、札幌2歳ステークス、東京スポーツ杯2歳ステークスと重賞2勝をあげたニシノデイジーが最上位。父は有馬記念を勝ったブラストワンピースと同じハービンジャー。中山適性は間違いなく高い。

 

サートゥルナーリアが快勝した萩ステークスで放馬取消となったブレイキングドーンは次走京都2歳ステークス2着と確かな実力を証明。サートゥルナーリアとの対戦に挑む。

 

クラシックにはなくてはならない父ディープインパクトの子どもは唯一ヴァンドギャルドが出走してきた。東京スポーツ杯2歳ステークスはニシノデイジーの3着。まだまだ可能性を感じる。

 

来春の栄光を夢見る13頭が12月28日、2018年JRA開催最終日の中山へ集結した。

 

スタートで逃げると思われたキングリスティアが後手を踏み、サートゥルナーリアは好スタートからハナへ立つような勢いをみせる。最内枠のニシノデイジーもまずまずのスタートから先行態勢をとり、外からアドマイヤジャスタが迫って牽制しあうところに外からコスモカレンドゥラがハナを奪い、1角に入っていく。明らかに落ち着いたスローペース。2番手のサートゥルナーリアはやや折り合いを欠くような姿で走る。直後のインにニシノデイジー、外にアドマイヤジャスタの2頭がマークする形だ。直後の外にタニノドラマ、間に入ったブレイキングドーンも折り合いを欠き気味に若さを見せる。この2頭に追いつくようにヒルノダカールが追いあげる。中団も塊になり、ハクサンタイヨウジャストアジゴロミッキーブラックマードレヴォイスがひしめき、後方2番手にヴァンドギャルド、後方は出遅れたキングリスティアがいる。

 

前半1000m62秒5の超スローペース。4角手前からアドマイヤジャスタサートゥルナーリアの前に仕掛けながら進出。サートゥルナーリアはこの仕掛けに応じず、一旦3番手のインに下がる。外からブレイキングドーンヒルノダカールジャストアジゴロらも進出し、インにいたニシノデイジーは自然と順位を下げる形になってしまう。大外を回ったジャストアジゴロが4角で弾かれるような形になる。

直線先頭はコスモカレンドゥラだが、すぐにアドマイヤジャスタブレイキングドーンが襲いかかる。最後の急坂でブレイキングドーンの脚色が鈍り、アドマイヤジャスタとの間にスペースが生まれた。インにいたサートゥルナーリアはこのときを待っていた。そこを突いてアドマイヤジャスタに猛然と迫る。直後に同じスペースからニシノデイジーも追ってくる。アドマイヤジャスタを競り落としたサートゥルナーリアが先頭でゴール板を駆け抜けた。時計は2分1秒6(良)。

 

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全着順

第35回ホープフルステークス(GⅠ)2歳オープン(中山・芝2000m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
サートゥルナーリア
牡2
M.デムーロ
 2:01.6
2
アドマイヤジャスタ
牡2
C.ルメール
1.1/2
3
ニシノデイジー
牡2
勝浦正樹
3/4
4
コスモカレンドゥラ
牡2
戸崎圭太
1.1/2
5
ブレイキングドーン
牡2
福永祐一
ハナ
6
ヴァンドギャルド
牡2
C.デムーロ
アタマ
7
ヒルノダカール
牡2
松田大作
1/2
8
キングリスティア
牡2
内田博幸
ハナ
9
ミッキーブラック
牡2
O.マーフィー
2.1/2
10
マードレヴォイス
牡2
三浦皇成
1.1/2
11
ジャストアジゴロ
牡2
田辺裕信
1.1/4
12
ハクサンタイヨウ
牡2
松岡正海
2.1/2
13
タニノドラマ
牡2
池添謙一
大差

 

 

1~3着馬コメント

1着サートゥルナーリア(1番人気)

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スタート直後からやや気性的な難しさを出したものの、すっと2番手のストレスの少ないポジションをとり、馬を納得させ、4角では後ろの仕掛けに応じずに我慢させ、直線は一瞬開いたスペースへ滑り込む。馬のポテンシャルを引き出すミルコ・デムーロ騎手の手綱が冴えた。まだ時折若さを見せる馬だが、直線が短く、急坂がある中山で一瞬できたスペースからアドマヤジャスタを捕らえた瞬発力は母シーザリオを思い起こす。

 

2着アドマイヤジャスタ(2番人気)

スローペースを早めに動き、残り400m地点の最速ラップ11秒5を作った。積極策から一旦先頭に立ったが、最後はサートゥルナーリアの決め手に屈した印象。こちらは好位に取りつき、外から早めに動いて最後まできっちり走る立ち回りの上手さをみせた。

 

3着ニシノデイジー(3番人気)

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最内枠からスタートを決め、好位に行くも、道中、3角あたりからは外から馬に入られ、順位を下げながらも直線はインからしぶとく伸び、サートゥルナーリアを追うように伸びてきた。上がり3ハロンはサートゥルナーリアと同じ最速の35秒3と実績最上位の力は見せた。スローペースの内枠で揉まれたことが結果的に着順を左右した。

 

総評

前半1000m62秒5に対し、後半1000mは59秒1とかなりの後傾ラップだったことは忘れない方がいい。位置取りも前の馬ばかりが上位を占めるような展開で、後方で力を出し切れなかった馬も多かった。ただし、こうした瞬発力勝負になったことでサートゥルナーリアの血の力は引き出され、アドマイヤジャスタの器用さ、ニシノデイジーの地力も証明されることになった。残り400~200mは11秒5の最速ラップは春への実力査定のポイントになった。伸びを欠いたブレイキングドーンヒルノダカール、そこで弾かれたジャストアジゴロなどは翌春に向けてさらなるパワーアップが求められる結果となった。

しかし、春はまだまだ先。現時点での力の差は決してこのままではない。それぞれがまだまだ尽きない希望を胸にクラシックへ向かっていく。

 

 

(勝木淳)

(写真・かぼす)

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