【重賞回顧】第66回日経新春杯(GⅡ)

年の初めの伝統の一戦。最強世代から目が離せない

 

正月京都の古馬名物レースは京都金杯、万葉ステークス、淀短距離ステークス、そして日経新春杯。京都競馬場芝外回り2400mで施行されるハンデキャップ重賞。今年で66回目を迎える伝統の一戦。

過去の勝ち馬にはメジロブライトステイゴールドルーラーシップなどが名を連ねている。

 

昨年のJCと有馬記念を明け4歳世代が勝ったことで、2019年注目を集める4歳馬。このレースにも複数エントリーしてきた。

 

筆頭は菊花賞5着以来のグローリーヴェイズ。その菊花賞は大外枠からスローペースのなか、外を走らされながら5着。インで立ち回った勝ち馬フィエールマンとは力差がないのではといわれるほどの内容だった。ハンデ55キロは恵まれたかもしれない。

 

同じく菊花賞以来のアフリカンゴールドは菊花賞では力が足りなかった印象も、こちらは古馬になって強くなるステイゴールド産駒。しかもハンデはグローリーヴェイズよりさらに軽い52キロ。軽量でいえば、4歳牝馬サラスは準オープン3着からの参戦で49キロ。この斤量でも乗れる松若風馬騎手が継続騎乗するのも心強い。ここにクラシックを先行力で戦ってきたメイショウテッコン56キロ、アイトーン54キロも加わる強力布陣。

 

古馬では日経賞勝ちのガンコがトップハンデ57キロ。アルゼンチン共和国杯2着のムイトオブリガード56キロ、オリオンステークスを勝ち、オープン入りを果たしたシュペルミエール55キロ、同じく準オープンから昇級してきたルックトゥワイス55キロなどが4歳勢を迎撃する。

 

メイショウテッコンアイトーンウインテンダネス56キロ、ロードヴァンドール56キロなど先行型が複数揃い、逃げ争いに注目が集まったが、スタートでメイショウテッコンが遅れ、武豊騎手は前に行く素振りを見せず、慎重に馬群に入らないよう外をずっと走らせた。軽量のサラスが行く構えを見せるが、それを上回る気迫でハナを奪いに行ったのがアイトーン。ここ数回行き切れないレースが続いていたので、今度こそはというところだろう。さらに外からロードヴァンドールアフリカンゴールドらが続く。スタート直後の正面直線を目一杯使う先行争いは、1角の入り口まで手綱を押して主張したアイトーンがハナに行くことで決着をみた。

2番手に控えたサラス、3番手ロードヴァンドール、直後にエーティーサンダー51キロ、ガンコが並び、控えたアフリカンゴールドシュペルミエールウインテンダネスが続く。アイトーンの逃げに対して好位勢は離されずに追走する形になり、ペースは落ちない。

中団のインに外枠から潜り込んだムイトオブリガード、直後のインにグローリーヴェイズ、外にノーブルマーズがいる。

前半1000m通過は58秒3。久々に逃げたアイトーンが速い流れを作る。この速い流れにも関わらず、後方にいたルックトゥワイスがポジションをあげたときに直後からメイシウョテッコンが前へ進出していく。一気にまくったメイショウテッコンは3角の坂の上りから4角下りにかけてアイトーンからハナを奪う。当然、ここで勢いがついたメイショウテッコンは残り800mで先頭に立つばかりか、アイトーン以下を引き離しにいく。

 

これを合図にレースは動く。アイトーンの手応えがなくなり、サラスが2番手を懸命にキープ。エーティーサンダーロードヴァンドールガンコも動き、ムイトオブリガードシュペルミエールらが外から追走。この動きの最中、インでじっとしていたグローリーヴェイズが下がる馬を捌きつつ、巧みに空いたスペースからポジションをあげた。

 

直線に入り、先頭にいるメイショウテッコンが思うように伸びないなか、インから一気に抜け出してきたのがグローリーヴェイズ。コーナーまで内のスペースを突き、抜けてからは馬場のいいところへコントロールされ、真一文字にまっすぐ走ってくる。外からルックトゥワイスシュペルミエール、その間に入ったノーブルマーズグローリーヴェイズを追いかける。

しかし、グローリーヴェイズが先頭を譲ることはなかった。2着争いは大外のルックトゥワイス、3着はシュペルミエールノーブルマーズに競り勝った。時計は2分26秒2(良)

 

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全着順

第66回日経新春杯(GⅡ)4歳以上オープン(京都・芝2400m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
グローリーヴェイズ
牡4
M.デムーロ
 2:26.2
2
ルックトゥワイス
牡6
岩田康誠
1/2
3
シュペルミエール
牡6
北村宏司
1/2
4
ノーブルマーズ
牡6
高倉稜
クビ
5
エーティーサンダー
牡6
酒井学
クビ
6
ムイトオブリガード
牡5
川田将雅
1/2
7
ケントオー
牡7
和田竜二
クビ
8
◯外ダッシングブレイズ
牡7
福永祐一
3
9
メイショウテッコン
牡4
武豊
クビ
10
サラス
牝4
松若風馬
6
11
ウインテンダネス
牡6
内田博幸
2
12
マサハヤドリーム
牡7
北村友一
2.1/2
13
ロードヴァンドール
牡6
横山典弘
1.3/4
14
アイトーン
牡4
国分恭介
1/2
15
アフリカンゴールド
牡4
F.ミナリク
クビ
16
ガンコ
牡6
藤岡佑介
5

 

 

1~3着馬コメント

1着グローリーヴェイズ(1番人気)

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4歳世代代表として堂々1番人気の支持に応えた。ハイペースを枠順を活かして中団後ろのインでじっと追走。勝負どころもインに拘りながら、最短距離で前と差を詰めて、直線では抜け出すという危なげない競馬だった。ハイペースの持久力戦でこそ末脚を活かせるタイプなのだろう。ミルコ・デムーロ騎手はインから直線で抜け出すときに右ムチを使って馬を馬場がいい外へ持ち出し、進路を確保すると、左ムチに持ち替えて必要以上に外に流れていかないように矯正、馬を巧みに真っ直ぐ走らせる技術も光った。

 

2着ルックトゥワイス(5番人気)

こちらは外を追走。このペースでも道中は懸命に折り合う形。行きたがって少しポジションをあげたところでレースが動き、結果的にその動きに釣られる形になり、外を終始走ったためにインにいたグローリーヴェイズとの差を詰められなかった。流れに応じて競馬ができる自在型だけに今後も中距離戦線でも楽しみだ。

 

3着シュペルミエール(3番人気)

こちらもルックトゥワイス同様に堅実派。6歳でもキャリア12戦目。じっくり使われてきた成果が出てきたようで、本格化気配。父ステイゴールドらしく軽いレースより持久力戦向きな印象で、タフな流れが味方した。

 

 

総評

レース全体を通してやはり主役は4歳世代だった。先行争いを制したアイトーンが作った流れは1000m通過58秒3のハイラップ。かなり馬に勢いをつけてハナを叩き、サラスに背後を脅かされる流れは厳しいものになった。そして、このハイペースを動いたのがメイショウテッコン。出遅れはプラン通りだったのか、アクシデントだったのかは分からないが、気性的に馬群で競馬ができないハンデがあるにしろ、京都の3角でこのペースを動いて下りの4角で先頭に立つという強引な競馬だった。武豊騎手のプランはどんなものだったのか分からないが、この馬の弱点がさらにレースを厳しいものへ変容させた。

強い世代ではあるだけではなく、個性派も揃っている4歳世代。今後もやはり目が離せない。

 

 

(勝木淳)

(写真・かぼす)

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