【重賞回顧】第36回東海ステークス(GⅡ)

もしかしたら伝説の1ページ? 2019年中京の開幕週で圧巻の走り

5連勝のインティに立ちふさがるツワモノたち

 

2019年中京競馬場、最初の重賞はダートの1800m東海ステークス。

2月東京開催でおこなわれるダートのG1フェブラリーステークスへの前哨戦という位置づけで、1着に優先出走権が与えられる。

翌週の根岸ステークス、また1月末の川崎記念と両にらみをきかせていた陣営が多く、ギリギリまで登録メンバーが入れ替わっていた。

新聞が発行されるころにはなんと13頭とやや少ない構成に。

しかし、今回のレースには大きな目玉となるような馬が1頭いた。

インティである。

2017年4月に未勝利でデビューし、9着と平凡な成績だったが、2走目では7馬身差の圧勝。続く小倉での500万下のレースでも4馬身。しかし、体質の弱さからここで1年間が空く。とはいえ、レースに帰ってきてからも圧勝街道をひた走る。降級後の500万下でも4馬身、1000万下では10馬身、前走1600万下の観月橋ステークスでも単勝1.1倍の支持をあつめる。それでも難なく余裕の手応えで7馬身差。武豊騎手を背にここでも圧倒的な走りで、ダート界の新しいヒーローとなり得るか、まさに試金石の初重賞挑戦だ。

 

インティに立ちふさがる壁もなかなか手ごわい。

明け4歳馬からはチュウワウィザードスマハマ

中でもチュウワウィザードは好調ぶりが成績にあらわれている。まだ3着以下を外したことがない。これだけでもすごいのに、インティの成績を見ると霞んでしまうのが残念だ。

さらに地方とはいえ、名古屋グランプリ(Jpn2・ダート2500m)を制している。ただ、前走、中山でのオープン特別師走ステークスで休み明けとはいえ2着に敗れている。重賞路線に入っても、力負けしない実力を身に着けているのは確かだけにインティとの激突が楽しみな馬だ。

スマハマも有力な1頭だ。

骨折の8か月休み明けというのがネックだが、休みに入る前までの接戦を繰り広げてきたのがオメガパヒュームグリムといった面々だ。骨折明けとしては相手が強いかもしれないが、ここで戦えるようなら、今後にかなり期待が持てるだろう。

 

実績という面では忘れてはいけないのが紅一点のアンジュデジール

牝馬限定戦とはいえ、JBCレディスクラシックの勝ち馬で同コースで行われたG1チャンピオンズカップで0.4秒離されたとはいえ、4着。この時は逃げてみて、粘った戦術だったが、今回はどのような走りをするのか注目の1頭だ。

 

そして、当レースの過去の好走馬も忘れてはいけない。

コスモカナディアンは去年の2着馬、3着はモルトベーネ。2017年に勝ったのはグレンツェント。その時の2着はモルトベーネ。2016年の勝ち馬アスカノロマンは近走は不振だが、一度勝った舞台に戻ってきて一変というのも考えられる。

 

ライバルも手強い。しかし、そんなライバルを横目に、インティは昇級初戦でありながら、1.5倍という圧倒的1番人気に支持された。ファンはインティという新しいスター誕生を期待していた。

条件戦で圧倒的に着差をつけて勝ってきたインティの実力がダート重賞戦線の常連組相手にどこまで通用するのか、その試金石ともいえるレースがはじまろうとしている。

 

レース回顧

スタートは外のメイショウスミトモマイネルバサラカゼノコ辺りが遅れ気味。

内からグレンツェントが先頭を伺うところを、インティスマハマがさっと前にとりつく。

外からモルトベーネがやってきて3番手。

1コーナーから2コーナーあたりでインティが完全に先頭に立つと、2番手は入れ替わりスマハマ。内からグレンツェントチュウワウィザードアンジュデジールと有力どころが先頭集団を形成する。マイネルバサラコスモカナディアンがその有力馬集団の後を追いかける。

3馬身くらいあいてアスカノロマンメイショウスミトモ。さらに3馬身あいて、アングライフェンシャイニービーム、しんがりはカゼノコ

1000m通過が61秒5。

インティが順調に先頭を走る。圧倒的人気に応えられるか、正念場はこれからだ。

3コーナーから4コーナーへ。リードは1馬身。後続がぎゅっと詰まってスパートの態勢だ。

インティがもったままで4コーナーへ突入。

すぐ後ろにスマハマグレンツェント。その2頭を見るようにチュウワウィザード

アンジュデジールは馬群の中、好位に付けたコスモカナディアンも追う態勢だ。

直線に入って、インティはまだまだ余裕の手応え。鞭も入らない。

グレンツェントはもう必死のスパート。スマハマチュウワウィザードがじわりじわりと追い上げる。

坂に入ってもまだインティは余裕。

残り200mを切ってグレンツェントコスモカナディアンは失速。スマハマチュウワウィザードが叩き合ってインティを追いかける。

ようやくインティに鞭が入って、気合充分と加速する。

その差は3馬身以上。

ぐいぐいと伸びてくるチュウワウィザードスマハマを置き去りにする。

しかし差は縮まらない。

インティが余裕の手応えでゴールイン。

チュウワウィザードの追い上げも見事、3着スマハマまでは7馬身の差がついた。

 

全着順

第36回東海テレビ杯東海ステークス(GⅡ)4歳以上オープン(中京・ダート1800m)

着順
馬名
性別・馬齢
騎手
着差・タイム
1
インティ
牡5
武豊
 1:49.8
2
チュウワウィザード
牡4
川田将雅
2
3
スマハマ
牡4
藤岡佑介
7
4
コスモカナディアン
牡6
丸山元気
1.1/4
5
アスカノロマン
牡8
太宰啓介
1.3/4
6
アングライフェン
牡7
鮫島克駿
ハナ
7
カゼノコ
牡8
小崎綾也
1/2
8
グレンツェント
牡6
F.ミナリク
1.1/2
9
◯地シャイニービーム
牡7
藤懸貴志
ハナ
10
メイショウスミトモ
牡8
古川吉洋
1
11
マイネルバサラ
牡6
吉田隼人
2
12
アンジュデジール
牝5
横山典弘
8
13
モルトベーネ
牡7
藤岡康太
2.1/2

 

 

1~3着馬コメント

1着 インティ

レース前は一部報道で手前を変えるのがうまくなく、左回りへの不安をささやかれていたが、なんのその。圧倒的1番人気に見事応える大勝利。まさに圧勝だ。無理なく逃げて、直線では他をよせつけなかった。5連勝は本物だったのだ。これでG1へ堂々挑戦できる。

 

2着 チュウワウィザード

2馬身差の2着とはいえ、3着には7馬身差をつけている。この馬だって、能力の高さを裏付ける走りを示した。だが、相手が悪かったとしか言いようがない。直線の伸びについてはエンジンのかかり具合がやや遅そうな感じがあるのでそこが課題となるかもしれない。しかし、インティがいなければ圧勝だったのにという感じがして気の毒にもみえる。

 

3着 スマハマ

骨折明けならこれでもよく走った方ではないだろうか。差はつけられてしまったが、今後いい走りをしていける兆しが十分にあるポテンシャルの馬だ。次走に期待したい。

 

総括

インティが実績通りの走りを証明する、圧巻のレースとなった。

中京の開幕週からファンにすごいものをみせてくれた。

これでまたフェブラリーステークスも楽しみになってくる。来週の根岸ステークスには骨っぽい馬が多いので、どんな馬が勝ちあがって、対決へのシナリオとなるのか、それもまた楽しみだ。

とはいえ、明け4歳ダート路線組のチュウワウィザードスマハマルヴァンスレーヴを目指していけるくらい充分な実力をつけている。こちらも将来が楽しみだ。

古馬もコスモカナディアン4着、アスカノロマン5着。差は離されてしまったが、実績ある馬たちが掲示板を確保しているのはさすがだ。

ただ、アンジュデジールは直線、全く伸びず、ブービー12着。いくら牡馬に混じったレースとはいえ、あんまりな着順ではないだろうか。JBCレディスクラシックのチャンピオンだけに巻き返しを期待したい。

 

いやしかし、それにしたって、インティ。強い。

ビッグタイトルはもう目の前だ。

 

追伸 武豊騎手。デビューから33年連続重賞勝利おめでとうございます!

 

 

(みすてー)

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