【重賞回顧】第69回東京新聞杯(GⅢ)

今こそあの時の借りを返す時! 府中マイルを攻略だ!

1番人気受難のレース、人気を集めた4歳馬の明暗

 

ここ10年、1番人気が勝っていない。波乱必至。

そんな難しいレースに挑む今年の1番人気は、明け4歳馬だった……。

 

みなさんは昨年の4月に行われたアーリントンカップを覚えているだろうか。

筆者によるウマフリだより寄稿第1回なので、筆者的には大変思い入れのある一戦だ。

あの時のメンバーを振り返ってみたい。

 

1着タワーオブロンドン

2着パクスアメリカーナ

3着レッドヴェイロン

4着インディチャンプ

5着ダノンスマッシュ

18着ラブカンプー

 

NHKマイルカップの前哨戦として行われた阪神のマイルを舞台にした一戦だが、ここで好走した馬が今、短距離界に新しい風を吹き込んでいる。

まずは新年明けて早々にパクスアメリカーナが京都金杯を1番人気で勝利。

次に当レースの前週にあたるシルクロードステークスではダノンスマッシュが快勝。また、この時逃げてレースを演出したのは当時と同じラブカンプー。

この時点で大将格だったタワーオブロンドンは次走のNHKマイルカップで躓いて、年末のキャピタルステークス2着と復調してここに挑んできた。因縁の府中マイルで巻き返したい。

インディチャンプは気性面での幼さがアダとなって、春はブラストワンピースの毎日杯で3着と好走レベルを繰り返し、賞金不足で一旦は条件戦へ。夏から秋にかけて連勝し、年末の元町ステークス(準OP)では3馬身ちぎるなど、重賞級の実力をみせてきた。今回は精神面での成長を見越して、あの時、惜敗したタワーオブロンドンへ勝負を挑む。NHKマイルカップへ挑めなかった悔しさを晴らし、今回は安田記念への切符を手に入れたい。

レッドヴェイロンは無関係のように思えるが、1歳年上の半姉レッドオルガが今回出走する。レッドヴェイロンはアーリントンのあと、NHKマイルカップ3着にもぐりこむ。府中マイルに強いエリモピクシーの子として、姉のレッドオルガにもうってつけの舞台。なんの因果か、レッドオルガにとっては弟のかつてのライバルたちと激突する。また、レッドヴェイロンは条件戦を着々と勝ち上がっている。いずれ姉との対決も見られるだろうか。

このように一年前のアーリントンカップと因縁のある馬が今回は人気上位だ。

 

とはいっても、4歳馬に譲らない実績馬がいるのも忘れてはならない。

サトノアレス。2歳時に朝日杯FSを制し、クラシックを嘱望されながらもスプリングステークスのあと、皐月賞を11着。ここから短い距離にシフトしていく。夏に巴賞を勝ち、実力の片鱗をみせながら、秋からは東京コースで富士ステークス6着、キャピタルステークス2着、東京新聞杯2着、京王杯スプリングステークス3着、そして安田記念4着と東京コースで好走してきた。年末は休み明けの阪神カップ15着と随分な負け方をしたが、得意コースに戻ってきた今、大活躍の4歳馬に対抗しうる存在だ。

 

もう一頭、ロジクライ。6歳になったが、昨年の12月の同コースで行われた富士ステークスを快勝し、重賞勝ち馬の仲間入り。1年前の同時期の節分ステークスを勝っており、同時期同コースであれば、これまた得意コースで安田記念への弾みとしてくれるだろうか。

 

まだまだ未知数で面白いのはレイエンダ。あのレイデオロの弟であるが、初の1600mがどうでるか。切れ味ある脚はあるので、もしかしたら、という期待が人気を底上げした。

 

ちょっと興味深いのはレアリスタ。母はトキオリアリティー。なんとインディチャンプの母ウィルパワーはトキオリアリティーの子どもだ。ということはレアリスタにとって、甥っ子ということになる。同じ父ステイゴールドだけに、これまた血統の織り成す因果があるのだろうか。

 

混戦模様のこの一戦だが、人気を集めたのは4歳馬の好調インディチャンプ。

2番人気にタワーオブロンドン。

この4歳馬同士、因果な対決がどういう結果になるのか。

あの時の借りを返せるのか、はたまた先輩古馬の逆襲なるか。

10年勝っていないという1番人気を背負い、どんなレースになるか、大注目だ。

 

 

レース回顧

 

スタートした直後、場内が沸いた。

1番人気インディチャンプが出遅れたのだ。

一息遅れながらも、慌てずに馬群の後ろにとりつく。

ダッシュがいいのは、外からショウナンアンセム。

ついていくのはロジクライ、ヤングマンパワー、テトラドラクマ。

しかし、ショウナンアンセム、譲らずぐいぐい押して先頭へ。

ロジクライ以下は1馬身ずつ離れて隊列を形成している。

先行集団から、1馬身ちょっと離れて、人気の一角タワーオブロンドン。すぐ後ろにレッドオルガ。

その内にはインディチャンプ。出遅れたインディチャンプはここまで上がっている。その外にはゴールドサーベラス、ロードクエスト。このあたりも1馬身ずつ離れてサトノアレス、リライアブルエース、そして、レアリスタ。後方はストーミーシー、3馬身置いてぽつんといるのはジャンダルム、そして最後方はレイエンダ。先頭とは15馬身くらいありそう。

最初の600mを先頭のショウナンアンセムが通過したのは34秒5とやや速いペース。

直線の入り口でもまだ縦長の展開。

ラップは緩まず、先行勢は苦しくなってくる。

なにが抜けてくるのか、ショウナンアンセムの手応えがあやしくなるが、必死に粘っている。内からロジクライが押されてショウナンアンセムを競り落とそうとするが、こちらもやや反応が悪い。

後続が迫ってくる、差は2馬身ちょっと。

ここで坂を上って、ショウナンアンセムが力尽き、代わって、内からするすると伸びてくるのがインディチャンプだ。

勢いよく、ロジクライを競り落とし、単独の先頭へ抜け出す。

後ろから脚色がいいのは、タワーオブロンドン、ロードクエスト、レッドオルガ、そして内から一気にサトノアレスが伸びてくる。

インディチャンプが先頭。内からサトノアレス、外からレッドオルガが襲い掛かる。

内と外から半馬身まで迫るが、間に合わない。

インディチャンプが1着でゴールイン。

タイムは1分31秒9のコースレコード。

2着争いとなったレッドオルガとサトノアレスはクビの上げ下げで接戦となった。

 

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1~3着馬コメント

1着 インディチャンプ 牡馬4歳 福永祐一騎手 1番人気

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出遅れながらも直線早めに抜け出し、そのまま押し切った強い競馬。しかし、ゲートに難があり、直線抜け出すとソラをつかうなど、まだ精神面で足りないところがある。それでこのレースぶりをみせてくれるのだから、強さを垣間見せながらも、個性的な面も持ち合わせるのもステイゴールド産駒らしい。安田記念や今後が楽しみになる1頭だ。

 

2着 レッドオルガ 牝馬5歳 北村友一騎手 6番人気

坂を上がって、鋭く外に向かって伸びてきた。最後はインディチャンプに迫るも半馬身届かず、サトノアレス相手にもクビの上げ下げでアタマ差残った。このメンバー相手と考えると健闘したといえるのだろう。それにしても、この一族は東京マイルでよく走る。

今後もこのコースには要注意だろう。ここで賞金を積んでヴィクトリアマイルへ向かうのであればダークホースの1頭だ。

 

3着 サトノアレス 牡馬5歳 柴山雄一騎手 4番人気

実績は充分だったが、人気がなかった。そんな現状を吹き飛ばすように、残り200mからの鋭い差し脚は流石の一言。この馬もこのコースが合うのかもしれない。まだまだ老け込む時期でもないので、マイル路線では存在感をあらわしていきたいところだ。

 

総括

戦前はスローになるのではという予測もあったが、結局のところ、前が全滅、時計は31秒台。まったく息のつかない展開で、しかも速い上がりになって、それにも対応できる馬が残ったのが上位陣でないだろうか。出遅れも展開面の助けがあって、挽回できたといえなくもない。

こういった展開の得手不得手はあるものの、タワーオブロンドンは一度快勝した相手に敗れ、ロジクライは富士ステークスのパフォーマンスを見せられなかった。逆に京都のマイルで不振だったロードクエストが水を得た魚のように4着確保。期待されていたレイデオロの弟、レイエンダは最後方から上がり最速をマークするも後ろすぎて届かず8着。

上位はインディチャンプ福永祐一、レッドオルガ北村友一、サトノアレス柴山雄一と三人のユウイチに導かれ、鋭い伸びで勝ち負けを競った。

それにしても、条件戦連勝からの初重賞制覇のインディチャンプ。

父ステイゴールド最後の大物となれるか、楽しみな1頭だ。

これでまた、アーリントンの掲示板から活躍馬が増えた。タワーオブロンドンは今回の競馬を次につなげて、あのレースの勝ち馬だということをもう一度思い出してもらいたいところだ。

 

1番人気が10年勝てなかったジンクスを打ち破った馬。実は今後名馬に成長していくとなると面白いストーリーであるが、はたしてどうなるだろうか。

 

 

(みすてー)

(写真・かぼす)

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