【重賞回顧】第53回小倉大賞典(GⅢ)

真冬の小倉決戦、逃げ先行馬たちの明暗

ペースはどうなる?有力逃げ馬が揃う

 

話題になったフェブラリーステークスの裏開催で、予想外の展開が待ち受けていた。

これだから競馬はわからない。

 

小倉も開催2周目、今年は天気に恵まれ、ここまで順調に開催されてきた。

しかしローカル競馬場らしく、波乱のレースが数多く、なにがおこるかわからない。特に小倉大賞典は芝1800mを舞台にハンデキャップ戦となり、より混迷を深めていた。

 

前日からこのレースまでは、割と前半が速い流れになるも前が止まらないレースが多く、このレースもその傾向を参考にしたいが、今回のメンバーを眺めると悩ましい。

 

有力な逃げ馬が複数いるのだ。

まずは逃げといったらこの馬、マルターズアポジー。

実は2年前の勝ち馬だ。その後は関屋記念を逃げ切り、中山記念で3着に入ったこともあるが、ほとんどが逃げて直線失速のパターンだ。それでもデビューしてからひたすら逃げている。ハナは譲れない馬だ。

今回はトップハンデ57.5キロを背負う。

それでも、逃げるだろう。

まず間違いなく逃げる馬がいるとき、他の逃げ先行馬はどのような戦術を採るだろうか。

2年前のダービーで粘りの逃げを見せたマイスタイルも、ハナにはこだわらないが、前走京都金杯も前に行って3着。タフな競馬ならもってこいだ。

 

人気の1頭、タニノフランケルはウオッカの仔。

前走はハナを切って2着。

今回はマルターズアポジーがいる分、どのような出方をするか注目だ。ウオッカとフランケルの仔というブランドがどこまでいってもついてまわるだけに、実績以上に人気になっている面もある。人気だけではないことを証明するには勝つしかない。

この馬もどちらかといえば速い上がりではなく、タフな競馬の方が向いていそうだ。

 

人気はないが、サイモンラムセスも前に行きたい馬だ。

競りかけていけば勝ち目はない。しかし自分の走りをしたいというジレンマ。

一工夫必要だが、同型馬への挑み方でレース展開が変わってくる。鍵を握る1頭でもある。

ケイティクレバーもどちらかといったら、前に行きたい。近走、京都2000m、阪神2000mと内回りコースで1着、2着と上がり調子。本来なら前に行きたいが、今回はどうでるか。

 

ここまでに挙げた4頭は概ね、前に行くだろうと、書いた。

4頭もいたらペースは速いだろうな、と考えるが2番手集団にも先行馬は複数いる。

 

福島記念勝ちのスティッフェリオ、東京新聞杯勝ちのブラックスピネル、きさらぎ賞勝ちのアメリカズカップ、愛知杯勝ちのエテルナミノル、というような重賞勝ちのある馬たちが2番手集団以下から虎視眈眈と、実績馬が狙っている。

 

なかにはレトロロックなど、小倉を得意としているコース巧者もいる。地の利を活かした競馬で波乱を演出できるかもしれない。

 

どの馬にとっても、強力な逃げ馬の出方次第というレース展開。

鞍上の手綱さばきにも注目だ。

 

 

レース回顧

 

スタートで事件が起きた。

マルターズアポジーが出遅れる。

前に行くことができず、そのまま最後方にとどまる。

ハナを切ったのは1枠1番を活かしてサイモンラムセス。タニノフランケル、ブラックスピネル、スティッフェリオ、エアアンセムと横に広がって、1コーナーを曲がっていく。

そのあとにマウントゴールド、ケイティクレバー、マイスタイル。

サイモンラムセスは3馬身差つけて、軽快に逃げの一手。タニノフランケル以下は団子のような馬群。逃げるはずの馬がいかず、サイモンラムセスの単騎逃げというカタチとなった。

中団からレトロロック、エテルナミノル、ナイトオブナイツ。そこから2馬身離れて、スズカディープ、最後方はマルターズアポジー。

1頭で、5馬身ほど単騎で逃げるサイモンラムセス。1000m通過は59秒4とそこそこのラップタイム。

3コーナーから一気に後続がペースをあげてくる。

馬群との差がみるみる縮んでくるが、息を入れるかのように余裕な感じでサイモンラムセスは持ったまま4コーナーへ。

2番手集団の先頭はタニノフランケル。すぐ後ろに内からエアアンセム、ナイトオブナイツ、スティッフェリオと横並びで追い比べ。

直線に入って、サイモンラムセス小牧騎手がちらっと後ろを窺う、差は2、3馬身。

伸びてくるのはスティッフェリオ。タニノフランケルが併せ馬になって、粘る。

この2頭の脚色がいい。

タニノフランケルがスティッフェリオに一度は交わされても、もう一度くらいついていく。簡単には抜かせない根性を見せる。

しかし、スティッフェリオの脚色に最後は屈して、ゴールイン。

スティッフェリオがクビ差制した。

3着にはサイモンラムセスが粘った。

 

 

1~5着馬コメント

1着 スティッフェリオ

危うくサイモンラムセス、タニノフランケルに逃げ切られるところだった。予想よりはるかにゆったりとして、前目につけたこの馬向きの展開となり、最後はいい脚をつかえた。57キロを背負いながらも、53キロのサイモンラムセス、54キロのタニノフランケルをしっかり差せた。福島記念に続き、ローカル重賞2勝目。鞍上の丸山騎手はこれで重賞6勝目。福島記念、フェアリーステークス、そしてこの小倉大賞典と短期間で3勝をあげている。

 

2着 タニノフランケル

ゴール前の粘り、併せ馬で見せた根性は流石のもの。展開はこの馬に向いたが、スティッフェリオの脚に勝てなかった。惜しいレースだった面、最後勝ちきれない甘さがある。今後の課題を残していた。

 

3着 サイモンラムセス

行くはずの馬がいかないので気分よく逃げられたが、ちょっと相手が悪かった。なかなか見事な逃げぶりであわやと思わせてくれた。そして3着に粘りこむ。この馬は9歳だが、展開さえ向けばまだオープンレベルなら活躍できそうだ。

 

4着 ナイトオブナイツ

道中後方にいた馬でこの馬だけが掲示板に載っている。状態等が良かったのではないだろうか。実はこれで4走連続4着。実力がないわけではないので、この距離あたりでまた活躍してくれそうだ。また、福島記念4着時の勝ち馬はスティッフェリオ。その時逃げたのはマイスタイルなので、展開が似たのではないか。

 

5着 エアアンセム

ソツなく5着に来ている印象。福島記念は3着。ナイトオブナイツ同様展開が似たので同様の着順になったのではないか。今年8歳とはいえ、昨年函館記念を勝っているので、もう一花咲かせそうだが、どうだろうか。

 

 

総括

マルターズアポジーが逃げない、ケイティクレバー、マイスタイルが控える、という展開。それだったら1枠1番という好枠順のサイモンラムセスは一気に行きたいだろう。

タニノフランケルは2番手で前を見る競馬になると、両者ともにうまく乗れた騎乗でないだろうか。もしかしたら、逃げ馬だらけで共倒れになっていたことも充分にありえたわけで。

 

結果、ペースが落ち着いて、前にいる馬たちで大勢決した。

マイスタイルが控えたのがよくわからない。もしかしたら展開面での対策だったのかもしれないが、いいところがなく、10着。次回はタフな逃げをみせてもらいたいところだ。

マルターズアポジーは残念ではあったが、こちらも次回は元気に先頭を走ってほしい。

 

展開予想というのは難しい。

やはり、競馬はゲートが開いてみないと何が起こるわからない。

今回は逃げ馬たちの明暗がはっきりしたレースだった。

 

 

(みすてー)

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