【重賞回顧】第63回阪急杯(GⅢ)

大外一気でバツグンの切れ味、距離短縮で復活の激走 

阪神カップの再戦か、1ヶ月後への伏線か

 

1ヶ月後、3/24(日)は今年最初の芝のG1高松宮記念が行われる。

阪急杯はこの芝のスプリントG1を目指しての前哨戦として位置づけられ、1着には優先出走権が与えられる。

昨秋に電撃引退してしまったファインニードルという主役不在の中、名乗りを挙げるのは誰なのか。

芝1400mという当レースの特性上、安田記念へ向かうマイラーの姿もあり、また両にらみの陣営もあるだろう。

実力伯仲、支持するファンも混迷を極めたようで時間帯によって1番人気が変わる、まさに混戦。

 

まずは、支持を集めた4頭を紹介したい。

昨年の覇者、ダイアナヘイロー。

このレースを勝ち、その後は調子を落としたが、年末の京阪杯、阪神カップにて人気薄で激走。得意条件に戻って、人気上位に返り咲く。

鞍上も逃げてもうまい武豊騎手で盤石の態勢で挑む。

 

絶好調4歳馬からはミスターメロディ。

前走は評価されながら2着。今度こそ、ダイアナヘイローを差し切って、高松宮記念を目指したい。

 

マイルからの使者、ロジクライ。

前走、東京新聞杯で不完全燃焼。初の1400mでどのようなレースを見せられるか、試金石の一戦。これまでの実績が評価されて上位人気に名を連ねる。

 

そして、15年桜花賞馬レッツゴードンキ。

もう7歳になるがまだ現役だ。あの逃げて勝った桜花賞のライバルだったルージュバック、クイーンズリングはとっくに引退し、繁殖入りしている。しかし、レッツゴードンキは年を重ねて高松宮記念、スプリンターズステークスなど大レースで2着。短距離重賞で常に掲示板に残る成績を残し、息の長い活躍をみせる。今回は最内枠に入り、メンバー的にも戦いやすい。最後に勝った17年の京都牝馬ステークスは京都とはいえ1400mのレース。ベテランらしい妙味のある競馬を見せてもらいたいところだ。

 

この4頭以外にも、注目馬はいる。

3連勝中のエントシャイデン、初の重賞挑戦でどこまで通用するか、得意の速い上がりを見せられるかも注目だ。

 

上がり調子といえば、スターオブペルシャ。

オープン戦で勝ち負けしたあと、前走阪神カップで3着。同コースのここでは、今度こそダイアナヘイローを差し切りたい。

 

また、ロードクエストも同様、前を走る馬を差し切れるか。いい脚を持っているので、状態のいい開幕芝でどこまで伸び切れるか。昨秋のスワンステークスの勝ち馬でもあり、距離は問題ない。あとは展開ひとつだ。

 

阪神カップの1着ダイアナヘイロー、2着ミスターメロディ、3着スターオブペルシャ。

この3頭が再び台頭するのか、それともひっくり返す馬が現れるのか。

展開のカギを握るダイアナヘイローは外枠発進。これは不利なようにみえて、去年勝った時と同じ条件だ。

また、高松宮記念を間近に控えた戦いとしても、大いに注目したい。

 

 

レース回顧

 

スタートは大きな出遅れはない。

ダイアナヘイローが外枠から飛び出していって先頭へ。

内からラインスピリット、レッツゴードンキ、あとを追うようにトウショウピストが3、4番手。

1馬身あいて内からロジクライ、タイムトリップ、ダイメイフジ、ミスターメロディが横並び。次にまた1馬身あいてコウエイタケル、アドマイヤゴッド、リョーノテソーロ。スターオブペルシャとヤングマンパワーがちょっと後退。ロードクエスト、ヒルノデイバローらと並ぶ。

ほとんど差がなくリライアブルエース、エントシャイデン。

2馬身あいてポツンと最後方にいるのがスマートオーディン。

最初の600mを34秒3で通過。

3コーナーから4コーナーへ。

先頭はダイアナヘイロー。リードは体半分くらい、後ろはぎゅっと詰まった馬群。

最後方にぽつんとしていたスマートオーディンが大マクリで加速している。

直線に入って、内は大混雑。ダイアナヘイローはまだ余裕がありそうだが、2番手以下の動きは内にいるレッツゴードンキが鞭で気合が入って一伸びする。

ミスターメロディが右に左に寄れながらじわじわと伸びてくるが、外から脚色がいいのは最後方にいたスマートオーディン。

うちからはレッツゴードンキがダイアナヘイローを交わしている。

さらにはロジクライもレッツゴードンキに迫っていく。

しかし、スマートオーディンの脚色はどの馬とも違う。

スマートオーディンが抜群の切れ味をみせて、2年半ぶりの勝利を飾った。

 

 

1~5着馬コメント 

1着 スマートオーディン

2016年の京都新聞杯を勝った以来の勝利である。また当時そこからダービーに進み、その後約2年の休養、2018年の6月にターフに戻ってきた。2018年は二桁着順が続いていたが、中距離を主戦場にしていたところを1400mという短距離にシフトしたのが当たった。

混雑していた内を横目に最後方から大外まくりで直線一気という、強烈な競馬で復活をアピール。このまま短距離界にシフトしていくのか、今後の進路に注目だ。

 

2着 レッツゴードンキ

最内枠を活かした先行策で直線、ダイアナヘイローを交わしてまではよかったが、今回は勝った馬が強かった。割と理想的な競馬運びだったのではないだろうか。今回は、運が悪かった。

まだまだ力のあるところをみせてくれてほっとする。先行策の方がしっくりくるのは桜花賞のイメージがあるからだろうか。

 

3着 ロジクライ

レッツゴードンキの後ろで様子を見ながらであったが、レッツゴードンキの仕掛けのあとに動いて同じ脚ではそれより前にはいけない。とはいえ、初の1400mでこのメンバー相手にこの内容、着順ならこの距離でも充分に戦えることを証明した。今後のレース選択に幅が広がったのではないだろうか。

 

4着 ロードクエスト

最後はいい脚をつかったが、大勢決したあとにつっこんできてもなかなか難しい。前走といい、いい脚をもっているので、展開ひとつで勝ち負けのできる実力のある馬だと思うが、今回は混雑した馬群をさばくのに苦労したのかもしれない。

 

5着 エントシャイデン

条件戦を連勝してこのレースに挑んだ。最後はロードクエストに差されながらも、ダイアナヘイローをハナ差かわして5着で掲示板に載れた。実力をつけてきた馬ではあるので、また次走重賞で期待したい。

 

 

総括

 

スマートオーディンの大復活。近走の成績をみれば、11番人気という低評価もよくわかる。

しかし、そんな世間の評価は関係なく、最後方から、一気に決めてくれた。

他の馬が34秒台なのに、1頭だけ33秒台の上がり3Fタイムで、数字の上でもずば抜けていたことがわかる。

逆に期待されたダイアナヘイロー、ミスターメロディという阪神カップ組はどうか。

ダイアナヘイローは逃げ馬の宿命というか、今回は逃げきれず、最後につかまってしまった。ハナ差6着とギリギリ掲示板に載れず。すぐ後ろの7着にミスターメロディ。

ミスターメロディは直線でふらふらしながら伸びるという、課題を抱えているのを垣間見た気がする。

レッツゴードンキ、ロジクライは好走したが、スマートオーディンという伏兵に足元をすくわれた。

 

そろそろ4歳馬の威光も影を潜めて、先輩古馬たちが逆襲に出てきた感がある。

若いものだけが強くてもダメなのだ。

激走というには失礼なほど、印象強い勝ち方のスマートオーディン。

短距離界のダークホースとなるのか、はたまた中距離界に戻るのか、進路先が気になるところだ。

 

さて、これで1か月後の高松宮記念がまたわからなくなった。それもまた前哨戦の結果の一つとして面白い。

 

 

(みすてー)

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