【重賞回顧】第26回チューリップ賞(GⅡ)

2歳女王の始動戦、壁を乗り越えて、いざ本番へ

 

2歳王者アドマイヤマーズが共同通信杯で敗れた。

3歳牡馬のクラシック路線はレースの度に新しいヒーローが生まれている。

では、牝馬路線はどうなのか。

阪神JFを制し、2歳女王の称号を得たダノンファンタジー。

桜花賞と同じ舞台の、この最重要トライアル、チューリップ賞から3歳緒戦を迎える。

3歳牡馬のように、徐々に勢力図が塗り替わるのか、注目だ。

 

チューリップ賞は言わずとしれた桜花賞の前哨戦であり、3着までに桜花賞への優先出走権が与えられる。

賞金的には足りているダノンファンタジーはともかく、他の実績なき素質馬たちには権利をとるための絶好の機会である。

 

ダノンファンタジーはデビュー戦をグランアレグリアの2馬身差の2着で敗れたのは仕方なしに、その後は未勝利を悠々と突破し、順調にファンタジーステークスを快勝、阪神JFを制して3連勝中。デビュー戦時のライバル、グランアレグリアはサウジアラビアRCを勝って牡馬相手に朝日杯で3着と健闘。グランアレグリアは桜花賞直行らしいが、ダノンファンタジーはここで一度叩いて本番に向かう。いくら賞金も足りているとはいえ、桜花賞と同コースである以上は簡単には取りこぼせない。

 

ダノンファンタジーが1頭抜けた位置にいるのは明らかだが、勝負はやってみないとわからない。

 

阪神JFでダノンファンタジーと同じように最後方から追い込んで4着と、決め手十分のシェーングランツ。2歳時にアルテミスステークス(G3)をやはり追い込んで勝っており、最後の直線でダノンファンタジーを脅かす可能性は十分だ。

 

エルフィンステークスで2着、3着、4着争いを繰り広げたブランノワールとノーブルスコア、オーパキャマラード。エルフィンステークスではアクアミラビリスの圧倒的な末脚に屈したが、ここでは先行力を活かして粘りたい。オーパキャマラードに至っては500万下を勝っているのに、最低人気という評価。未勝利勝ちしかないブランノワールは5番人気、ノーブルスコアは7番人気というところをみても、ここは見返したいところだ。

 

父ロードカナロア母ドナウブルーという超良血馬のドナウデルタは父や母が得意としていた短距離で少しでも結果を残したいところ。

桜花賞に間に合わなくても、いつか大きなレースに出てくるのではないかと期待したくなる。

 

先行力をいかしたメイショウグランツ、このレースをどう演出するか。2歳時にはデイリー杯でアドマイヤマーズの2着と頭角を現していた。3歳になって成長をみせたいところだ。

 

ダノンファンタジーが1頭抜けているようにみえるが、まだ3歳牝馬の春。

なにがあってもおかしくない。

桜花賞と同じ舞台の前哨戦で2歳女王はどんな走りをみせるか、注目だ。

 

 

レース回顧

 

スタートは1枠1番ダノンファンタジーが好ダッシュを切る。

大外13番のシゲルピンクダイヤがやや出遅れ気味に最後方から。

ダノンファンタジー、好スタートを活かして、馬なりで先頭を走るが、外からオーパッキャマラード、メイショウショウブ、ブランノワールが先頭争いに加わってくる。

ダノンファンタジーは無理をせず、最内枠で他の馬の様子を見るように好位につける。

2番手グループはアフランシール、ブリッツアウェイ、マルモネオフォース、ハニーウィル。

外からドナウデルタがやや上がり加減。シェーングランツ、ノーブルスコアと続いている。

前半の600mは35秒5。ゆったりとしたところ。

後方は2頭シゲルピンクダイヤとサムシングジャスト。

先頭からシンガリまで10馬身ちょっとと固まって、3コーナーから4コーナーへ。

オーパッキャマラードが先頭でメイショウショウブやブランノワールが2番手。

直線に入って、オーパッキャマラード、ブランノワール、メイショウショウブと3頭、横に広がっている。そのすぐ後ろにダノンファンタジー。外からピンクの帽子、ドナウデルタが伸びてきており、ダノンファンタジーは内に閉じ込められた格好だ。

しかし、慌てずダノンファンタジーはゆっくりと外に持ち出し、再ダッシュ。

先頭を走るドナウデルタを追走する。

そして、大外一気に上がってくるのが後方にいたシゲルピンクダイヤ。あっという間に馬群を抜き去り、あっという間に5番手集団から単独4番手に変わる。

先頭はダノンファンタジー。ドナウデルタを軽々交わし、伸び脚もいい。

猛追するシゲルピンクダイヤ。それに反応するかのように併せ馬になって伸びてくるのはノーブルスコア。ドナウデルタの勢いがやや衰えたところを一気に外から2頭が2着争いに突っ込んでくる。

しかし、先頭を走るダノンファンタジーは伸び脚衰えず、軽快にゴール。

最後は2着に1馬身の差をつけて、ダノンファンタジーの貫録勝ちだ。

 

1~5着馬コメント

1着 ダノンファンタジー

直線で前が壁になり、危うい場面もあったが、冷静に外に持ち出した。しっかり伸びて鮮やかにドナウデルタを交わし、シゲルピンクダイヤとノーブルスコアの猛追を振り切った。さすがといった印象で2歳女王の貫録勝ち。桜花賞へ順調な滑り出しだ。

 

2着 シゲルピンクダイヤ

大外から出遅れながらも、直線で猛烈な追い込みが印象に残った。桜花賞へ向けて新たな刺客誕生か。今回は出遅れてたまたま直線一気がうまくいったが、普通にスタートした時のポテンシャルを期待せずにはいられない。シゲル軍団の急先鋒となるか。

 

3着 ノーブルスコア

内から伸びてきて、シゲルピンクダイヤと併せ馬になって、最後はハナ差3着。これで紅梅S、エルフィンSと3戦連続3着。堅実に伸びてくる走りをするので、今後のレースでも忘れてはならない1頭となるだろう。桜花賞への権利を得て、ダークホースとなる可能性もあるかもしれない。

 

4着 ドナウデルタ

一旦は直線で先頭にたったが、ダノンファンタジーはじめ、2着馬3着馬に次々差されてしまった。アタマ差4着で桜花賞への権利を逃したが、なんといっても良血馬で地力もある。今後の自己条件に戻っても、すぐに重賞戦線へ戻ってきてくれると期待したくなる1頭だ。

 

5着 シェーングランツ

人気にはなっていたが、直線でも見せ場をつくれず。しかし、なんとか掲示板を確保したのは地力の証明か。ここは叩き台と割り切って桜花賞へと向かっていただきたい。

 

 

総括

 

ダノンファンタジーの見事な快勝劇といってもいい。下がってきた馬の壁を避けて、外に持ち出し、エンジンを再点火させるという器用な立ち回りを演じ、後続を寄せ付けない伸び脚をみせた。

この場では一枚上手感を明らかにさせた。

しかし、桜花賞本番はそうはいかない。

グランアレグリアを筆頭に前哨戦を勝ちあがった強力なライバルがたちふさがる。

2歳女王の3歳緒戦は強い勝ち方で存在感をアピールしたが、牝馬クラシック戦線はまだはじまったばかりだ。

今年も難しい桜花賞になりそうだ。

 

 

(みすてー)

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