【重賞回顧】第28回アーリントンカップ(GⅢ)

前途有望な若駒たちの大接戦、大激戦

2年目のトライアル、混戦のマイル戦線

 

NHKマイルカップのトライアルとして3着までに優先出走権が与えられるようになり、2年目。

昨年はタワーオブロンドンが鮮やかな差し切りを決め、その後、NHKマイルカップの1番人気になった。タワーオブロンドンは結果が伴わなかったが、昨年のアーリントンカップで走ったメンバーは目覚ましい活躍を遂げた。2着パクスアメリカーナは京都金杯、インディチャンプは東京新聞杯、ダノンスマッシュはシルクロードステークスと京阪杯を勝っている。

昨年における出世レースになった。

今年はどうだろう。秋には古馬に混じって重賞を勝つような若駒が頭角を現すのだろうか。

 

2019年、平成もあと2週で終わり。翌日は皐月賞ということもあり、なんだかそわそわした土曜日の阪神のメインレース。

人気は3頭、共同通信杯4着マル外のフォッサマグナ、シンザン記念勝ちのヴァルディゼール、2歳時から重賞戦線で好走を続けてきたヴァンドギャルド。

1番人気に推されたのは、C.ルメール騎手騎乗のフォッサマグナ。

共同通信杯では差をつけられた4着だったが、前走500万下ではウオッカの子タニノミッションを2馬身半ちぎっており、決して見劣りする内容ではなく、ここでもいい勝負ができそうだ。

 

ヴァルディゼールは唯一の重賞勝ちがある。シンザン記念は去年アーモンドアイが勝ったレースであり、同じロードカナロアを父に持つというのも印象強い。2戦2勝でまだ土つかず。もしかしたら、と思う人も多いだろう。

 

ヴァンドギャルドは2歳時から阪神のマイルでデビューして、東スポ杯3着、ホープフルステークス6着、年が明けてきさらぎ賞4着、毎日杯3着と好走を続けているものの、デビュー戦以降勝ち星がない。地力はあるのは証明できているが、有力馬なのに抽選対象の500万以下のクラスとなっている。ここはせめて2着に食い込んで賞金を加算したい。ただ、前述の通り、年明けてもう3戦目で春のクラシックはラストチャンスかもしれない。

 

4番手はミッキーブリランテ。

前走500万下で8頭立てとはいえ、上がり最速での差し切り。同じ舞台とはいえ、ここでも通用するか、試金石のレース。

同じミッキーでもミッキースピリットは京都の500万下白梅賞ではスプリングステークスを勝ったエメラルファイトと同タイムの3着、中京の500万下のフローラルウォーク賞でも3着。前に行って、粘ってきたタイプだ。このレースでも展開を握るかもしれない。

 

スプリングステークスでは10着ユニコーンライオンは調教でミッキーブリランテに差を付けて、状態の良さをアピール。11着だったニシノカツナリはあの名牝ニシノフラワーの血を受け継いだ決め手を今回は発揮できるか注目だ。

 

人気は低いが、フィリーズレビューで4着と好走したイベリス、500万下を堅実に勝ち上がってきたロードグラディオ、トオヤリトセイトなどもここでは充分にチャンスがあり、人気の一角を崩すこともありえるだろう。

少なくとも賞金面ではヴァンドギャルドに優っている。

 

このように、重賞で好走している人気の馬から、地道に勝ち上がってきた馬、決め手があるのに展開がハマらず、実力を出し切れない馬とそれぞれいる。それほど実力に差がないとみえ、展開しだいではどの馬にもチャンスはある。

NHKマイルカップへの切符は3枚。

熾烈な権利争いが始まる。

 

レース回顧

 

スタートはカテドラルが後方から。

先頭は内枠を活かしてロードグラディオのスタートがいい。外からイベリスがハナを奪いにやってくる。さらに外からはラブミーファイン、間にヴァルディゼール。

すんなりとイベリスがハナに立つ。リードは1馬身。

2番手はごちゃついて、内からロードグラディオ、ラブミーファイン、ヴァンドギャルド、ユニコーンライオン。

しだいにペースが流れ、隊列に変動が出る。中団馬群の内にいたミッキースピリットの外をフォッサマグナが徐々に番手をあげていく。

その様子をみるように、サンノゼテソーロ、オーパキャマラード。外にはミッキーブリランテとジャミールフエルテが追走している。ニシノカツナリが少し下がって同じ位置にいる。

後方集団はアズマヘリテージ、ジゴロ、トオヤリトセイトが一列に並んで、最後方は内にカテドラル、外にヤマニンマヒア。

3コーナーから4コーナーへ。1000mは60秒を切る程度のペース。

後ろがぎゅっと詰まってくる。

直線に入って先頭はわずかにイベリス。

2番手以降はずらっと並び、ミッキーブリランテの反応がよさそうだ。

内からユニコーンライオン、外からミッキーブリランテが飛び出してくる。

しかし、イベリスのリードがなかなか縮まらない。

外から伸びてくるのはトオヤリトセイト。内を割ってくるのはヴァンドギャルド。ロードグラディオもイベリスの後ろで粘っている。

トオヤリトセイトの勢いがいい。2番手集団を飲み込もうという勢い。

それでもイベリスの脚は衰えない。

そして、トオヤリトセイトの後ろからゴール前一気に伸びてくるのはカテドラルとニシノカツナリ。

一団となってゴールイン。

イベリスがクビ差凌いで1着。人気どころが総崩れとなったレースだった。

 

1~5着馬コメント

1着 イベリス

12番人気。ゴール前は後続に詰め寄られたが、リードを保ちつつ粘り勝ち。失速するかと思いきや、なかなか衰えない脚はペース配分がうまくいった証だろう。鞍上もしてやったりではないだろうか。

本番では同じようにはいかないだろうが、この馬にとって価値ある1勝になりそうだ。

 

2着 カテドラル

7番人気。出遅れて万事休すかと思われたが、直線だけで最後方からの追い込みで最速の上がりで勝ち馬を追い詰めた。東スポ杯、京成杯ともに11着と奮わなかったのだが、当レースではこの馬の良いところがしっかり出せたのではないだろうか。

 

3着 トオヤリトセイト

11番人気。直線中ほどから、いい脚をつかっていたが、最後はカテドラルに差されて3着。見せ場はあり、3着を確保したのでマイルカップへ向けて上々といえるのではないだろうか。

東京でまたいい脚をつかって人気薄のダークホースとして期待したい。

 

4着 ニシノカツナリ

もう少しだったが、わずかに届かなかった。1勝馬なれど、決め手についてはいいところを見せられた。この調子なら重賞戦線に戻ってくるのも時間の問題だろう。

 

5着 ユニコーンライオン

先行して、イベリス以外で最先着。最後もわずかに伸び脚をみせたので、まだまだいける。中山よりも阪神の方がうまく走れるのかもしれない。春のクラシックはもう終わってしまったが、秋に向けて再始動を期待したい。

 

総括

荒れた。大荒れ、大波乱である。

まずは勝った馬を賞賛したい。イベリスは終始先頭を走り、レースのペースを握った。

ラップは最初の600mが35秒0、1000m通過が59秒8。

先頭を走ったイベリスはそのまま粘り込んだが、2番手から4番手までの馬はゴール前で最後方からの追い込みに差されている。

イベリスの先行力が他馬とは違った証拠だろう。

あわせて後方から追い込んできたカテドラル、トオヤリトセイトが評価される一方で、NHKマイルカップ制覇まで手が届くかというと、難しい問題がある。

そう、桜花賞馬グランアレグリアと朝日杯馬アドマイヤマーズという牡牝の有力どころが出走を予定しているのだ。

この2頭を前にどこまで風穴を開けられるか。面白いレースになりそうだ。

また、人気だったフォッサマグナ、ヴァンドギャルドはほとんどなにもできなかった。今後は自己条件に戻って、きっと勝ち上がって秋のクラシックに戻ってきてくれることを期待したい。

 

 

(みすてー)

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