【重賞回顧】第67回京都新聞杯(GⅡ)

ダービーへのカウントダウン、ラストチャンスを掴み取れ!

皐月賞組の再チャレンジとなるのか、あるいは新勢力の台頭か

 

元号が令和となり初めての重賞となった京都新聞杯。

京都2200mを舞台におこなわれるこのレース、間近に開催される日本ダービーで好成績を残す馬が多い。河内洋にダービーをもたらしたアグネスフライト、2013年のキズナの直線一気。2着の馬も数多く、ハーツクライだってここを勝ってダービー2着だ。

なぜかダービーが出ない東のトライアル青葉賞と違い、距離もコースも違うのに、である。

殊更に強調するつもりはないが、トライアルの看板は付いていないけれども、トライアル以上にトライアルな位置付けになっている。

90年代までは秋開催で菊花賞への前哨戦だったが、今ではダービーへの最終便として定着している。

そして、同日施行されるはずだった東のトライアル、プリンシパルステークスは府中周辺の急激な天候悪化により、中止(延期)となった。芝生に大きな雹が降り注ぎ、とてもじゃないが競馬ができる状態ではなかった。

天候はともかくとして、プリンシパルステークスがこのタイミングで施行出来ないとなれば、京都新聞杯の重要さが際立ってくる。

(後日、翌週開催に決まったが、中1週でダービーは厳しいと言わざるを得ない)

 

とはいえ、日本ダービーは皐月賞を無敗で制したサートゥルナーリアが圧倒的な1番人気になると予想され、混戦とは言い難い。

このレースを勝ったからといっても有力候補とは言えないところが現実である。しかしながら、ダービーの舞台にさえ立てば、レースはナマモノ。何が起こるかわからない。

一生に一度のダービーの舞台に立ち、強豪と競い合う名誉。

過去のダービー好走馬に習い、ここでチャンスを掴み、どんなに人気薄でも栄光の舞台で輝いてもらいたいところだ。

 

 

さて、気になるのは出走メンバーだが、2通りに分かれる。

皐月賞組と、それ以外、だ。

皐月賞を走ったメンバーはトライアルで権利を得るか、または賞金を稼ぎ、本番で激闘を演じた。

タガノディアマンテは皐月賞6着、スプリングステークスは0.2秒差の4着、きさらぎ賞ではダノンチェイサーの2着だった。いずれもスタートが悪く、後方一気でとびこんできた。決め手はあるが、勝ち星は少ない。このままではダービーはもちろん将来的に賞金不足で条件戦に戻ることになる。ダービーの舞台に立つのはもちろん、ここでは勝ち切って賞金を上積みしていきたい。

同じような境遇はブレイキングドーンにも言えた。ホープフルステークスでは5着。2歳G1とはいえ掲示板に残る活躍を見せ、弥生賞では3着と皐月賞の権利を得たが本番では11着。ここで巻き返しを図りたい。

 

皐月賞組以外では、500万勝ちのある馬が3頭。ロジャーバローズ、ヒーリングマインド、ハバナウインド。それ以外の1勝馬が8頭いる。

評価されたのはロジャーバローズ。

福寿草特別(500万下)を2番手追走から、最後は2馬身差をつけ快勝し、スプリングステークスに挑むが0.4秒差の7着。皐月賞に挑めなかった無念を晴らすために得意の先行力でここは押し切れるか。

 

1勝馬の中ではオールイズウェル。

500万下で2着2回3着1回と安定した走りをみせる。前走は直線で不利があり、エンジン点火に時間がかかってしまったが最後は猛烈な追い込みをみせて最後方から3着まで届いてみせた。今回は展開が噛み合えば実績馬と張り合うこともできそうだ。

 

注目したいのはサトノソロモン。セレクトセールで、3億円の値がついた噂の期待馬だ。

新馬戦で当レース出走のレッドジェニアル、トーセンスカイを降している。前走の大寒桜賞では青葉賞を勝ったリオンリオンの7着といいところを見せられず。

意地悪な書き方かもしれないが、今回は3億の評価の片鱗を見せられるだろうか。

 

またホッカイドウから転厩して、あくまでクラシック挑戦にこだわる(地)ナイママも人気薄なれど、今回も挑戦が続く。

 

こう見ていると、過去の実績は大差なく、どの馬もこのチャンスを掴みとれるのではないだろうか。

皐月賞へ挑戦した馬たちの中に、新しい勢力として割って入っていく馬がいるかどうか、注目したい一戦だ。

 

 

レース回顧

 

スタートはヤマカツシシマルが立ち上がってしまい出遅れる。ハバナウインドもダッシュがつかず後方から。

まずは1週目のゴール前の直線。

先頭は内からオールイズウェルとロジャーバローズが並んでハナを競う。

外からサトノソロモン、トーセンスカイ、そしていつもは出が悪く後ろからの競馬が多いタガノディアマンテが今日は1番人気を背負い、前を行く競馬。その後ろにはナイママとモズベッロ。

馬群が1コーナーを通過する。

先頭はロジャーバローズに替わり、3馬身ほど差を広げる。

2番手はオールイズウェル。あとはほとんど差がなく続く。タガノディアマンテが3番手。サトノソロモン、トーセンスカイ、内ナイママと外モズベッロ。モズベッロがやや加速する。2馬身空いてレッドジェニアル、体半分後ろに内ヴァンケドミンゴ、外ヒーリングマインド。後方はさらに2馬身差、ブレイキングドーンとフランクリンが並んで走る。

ハバナウインドとヤマカツシシマルはさらに5馬身ほど後ろだ。

先頭のロジャーバローズが1000m通過60秒0と割と余裕のある逃げっぷり。

しかし、3コーナーではすでにロジャーバローズのリードは体半分ほどとなっており、すぐ後ろにモズベッロが控えている、

坂を登って馬群がぎゅっと詰まる。勝負どころで各馬が動き出す。

3コーナーの下り坂から4コーナーへ。

ロジャーバローズを外からモズベッロ、タガノディアマンテ、トーセンスカイが並びかける。

直線に入って先頭はロジャーバローズ。馬群はややばらけた。

並んでいた馬たちの明暗が分かれる。

タガノディアマンテのみが先頭のロジャーバローズを追い詰めるように伸びてくる。

後続からはナイママ、サトノソロモンが併せ馬で続いてくる。

そして、外からレッドジェニアルの脚色がいい。

残り200mでレッドジェニアルが勢いを増す。逆にタガノディアマンテの勢いに陰りが出てきた。

ロジャーバローズはまだ止まらない。

レッドジェニアルがあっさりとタガノディアマンテをかわして2番手まであがる。

ロジャーバローズ、レッドジェニアルがすぐ後ろにきたところで刺激されたのか、もう一伸びして勝負根性をみせ、最後は体を合わせて2頭で後続を3馬身突き放す。

レッドジェニアルの脚は衰えることなく、ロジャーバローズを差し切ってゴールイン。

3着争いは最後まで競り合っていたサトノソロモンとナイママ。タガノディアマンテは5着までだった。

 

1~5着馬コメント

1着 レッドジェニアル

11番人気。前走は阪神500万下のアザレア賞でヒーリングマインドに敗れたが、今回は自身の武器を最大限につかえ雪辱し、しかもダービーまでの切符を手に入れた。1勝馬が一気にダービー候補に名乗りを上げる。この馬の母父マンハッタンカフェは父としてこのレース4勝しているほど相性がいい。母方の血が淀の坂を攻略させたか。

 

2着 ロジャーバローズ

この馬なりにがんばったといってよいのではないか。鞍上の好判断でペース配分がうまくいき、最後の直線、本当に最後までよくがんばっていた。しかも勝ち馬が後ろからやってきた時も合わせて伸びていたところをみると、このレースの2着で終わらない馬かもしれない。

 

3着 サトノソロモン

悪い競馬ではなかったのだが、上位2頭とは差があるようにみえてしまう。まだこの馬もキャリア3戦の1勝馬。これからまた強くなっていくかもしれない。次は500万下になると思うが、そこではあっさり勝ちそうな気配がありそうだ。

 

4着 ナイママ

北海道からJRAに転入して2戦目。皐月賞や皐月賞トライアルではいいところをみせられなかったが、ここではまずまずの4着。最後はサトノソロモンとの叩き合いを競り負けた。次は条件戦になるだろうが、そこでは勝ち負けを争えるだろうか。

 

5着 タガノディアマンテ

4コーナーから直線入り口まではよかったが、残り200mで勢いがなくなってしまった。皐月賞からの疲れか、それともたまたま出が悪かった今までの後方待機策がうまくいっていただけなのか、なんともいえないが、展開がハマれば強烈な脚はあるのでまた重賞戦線であっと言わせてくれるのを待ちたい。

 

 

総括

皐月賞トライアル組、特にタガノディアマンテとブレイキングドーンはここでは賞金を加算出来ず、ダービーへの切符は厳しい状況となった。

新たな勢力ともいえるレッドジェニアルとロジャーバローズが1着2着で賞金を加算し、チャンスを掴み取った。

ダービーは相手が圧倒的に強くなるが、競馬は走ってみないとわからない。まずは舞台に立つことが重要だ。

少なくとも、レッドジェニアルはここを11番人気で制覇したのだから、勝負はやってみないとわからない。

さあ、ダービーはもう、目の前だ。

 

 

(みすてー)

競馬の楽しさを、すべての人へ。
ウマフリとは?
ウマフリ本誌はこちら。
ウマフリブログ
コラボ企画・ご寄稿も大歓迎!
お問い合わせ